メンテナンス・日常点検[2019.05.14 UP]

車のバッテリー上がりの症状・原因や対処法・寿命や交換時期・点検やメンテナンス方法等徹底解説

バッテリーは車を構成するパーツの中でも重要な役割を担っています。かつては良く「バッテリー上がり」と聞いたかと思いますが、近年ではバッテリーの高性能化や車自身の省電力化が進み、以前のように聞かなくなったのも事実です。そもそも何故バッテリーは上がるのでしょうか。ここでは、バッテリー上がりの原因や対処法、バッテリーの寿命や日常のメンテナンス方法などを徹底解説します。

バッテリーの基本

バッテリーの基本

はじめに車用バッテリーとして一般的な「鉛蓄電池タイプ」のバッテリーの仕組みや役割や構造などを説明します。

バッテリーの役割とは

車載のバッテリーはスマホなどのバッテリーと同じように、充電した電気を蓄え、安定的に電装品などへ電力を供給する、言わば大きな乾電池としての役割を担っています。スマホが充電器を介して充電するのに対して、車の場合は走行中にジェネレーター(発電機)で作られた電気をバッテリーに取り込む違いがあります。最近のクルマは広範囲にわたり、電子制御化され、あらゆる電装品で電気を使います。かつてのエンジン内にガソリンを送り込むキャブレターは電子制御のインジェクターに置き換わり、手回しだった窓の開閉はパワーウィンドウへ置き換わるなど、エアコンやヘッドライト、カーナビゲーションを含め、電気がないとクルマは機能しないばかりか、エンジンの始動もできません。

バッテリーの仕組み・構造

バッテリーは蓄電池とも言われ、化学反応を利用して電気を蓄える役割を持っています。一般的には合成樹脂でできたバッテリーケース内部に電解液(バッテリー液)と呼ばれる希硫酸、接触しないようにセパレータで分離され、鉛でできた負極板と二酸化鉛でできた正極板で構成されています。この正極板と負極板が希硫酸と化学反応(酸化還元)を起こし、電気が発生する仕組みです。バッテリー外側にプラスとマイナスの端子を持ち、ジェネレーター(オルタネーター)と繋がり、作られた電気を取り込み、蓄えられた電力をセルモーターやオーディオや電気などの電装品へ供給します。バッテリー内部は通常セルと呼ばれる層に分かれており、それぞれの電圧が2Vとなっており、一般的な乗用車であれば12Vなので、6つのセル直列となって構成されていることになります。また、バッテリーには構造的に開放型と密閉型とあり、開放型は化学反応の際に発生する微量の水素を放出します。一方、密閉型はMF(メンテナンスフリー)バッテリーとも呼ばれ、水素の発生を抑えたカルシウム合金の極板を使っている特徴があります。

バッテリーは車のどの場所に搭載されているのか

多くの車ではバッテリーはエンジンルームに搭載されています。フロントエンジンの車であれば、ボンネットフードを開けるとエンジンルームの右側か左側の手前に搭載されているかと思います。これはバッテリー上がりなどの際にアクセスしやすく、エンジンの熱の影響を極力受けない場所と言う理由からです。しかしながら、エンジンルームにスペースがない、前後の重量バランスを考慮して、フロントエンジンでありながら、あえてトランクルームにバッテリーを搭載している車種も見受けられます。またトランクに搭載する場合は水素の発生を抑えた密閉型のバッテリーが一般的です。

バッテリーの形式の見方

バッテリーの形式は国産車と欧州車では異なります。外箱、バッテリー本体の外側に形式は明記されています。

国産車の場合

JIS規格により、大きさ(高さ・幅)が決められています。

55 B 24 R

・性能ランク:55
数字が大きいほど始動性能・容量が大きくなります。

・バッテリー短側面の高さと幅:B
AからHまでの7段階の区分。短側面の幅と高さの区分が決まっています。

・バッテリーの長さ:24
長側面の長さが約24cmという意味です。

・端子の極性の位置:R
プラス端子を手前にして、プラスが右(R:Right)を意味しています。

欧州車の場合

同様にEU規格により、大きさ(高さ・幅)が決められています。

EU-5 62 - 048

・5:12V100Ah未満の自動車用バッテリー
・62:20時間率の公称容量
・048:CCA(EN:ヨーロッパ統一規格)数値。480Aの始動電流(Cold Cranking Ampere)を意味します。

他にもアイドリングストップ車専用や旧欧州車の規格DINやアメリカ車用の規格BCIなどがあります。

バッテリーの選び方(サイズ・端子・性能)

バッテリーは車種によって指定される仕様やサイズが異なります。バッテリー本体のサイズや端子の向きは、エンジンルーム内のバッテリーを搭載するスペースや位置によって指定されています。指定された仕様のものでないと、きちんと固定できない、バッテリーの端子にケーブルが届かないと言った問題が起こります。また、性能とは始動性能・電気容量のランクであり、電装品の消費電力、セルモーターが必要とする短時間の電力供給量によって決まります。つまり、自動車メーカーが指定した性能のバッテリーを使用しないと、バッテリー上がりの原因となったり、エンジンの始動性が悪くなる可能性があります。高出力オーディオを搭載する場合やバッテリー性能が落ちる寒冷地では、ランクを上げるなどの対策が必要となります。

バッテリーの種類

バッテリーの種類

バッテリーの種類について説明します。

開放型バッテリー

開放型は最も普及しているタイプで、鉛と二酸化鉛でできた極板を使っているタイプのバッテリーです。化学反応によって発生した水素を排気口から排出します。水の電気分解と蒸発により目減りしたバッテリー液を定期に補充するための補充口(液栓)が開いています。バッテリー液が減ったら、バッテリー補充液もしくは精製水、蒸留水を補充します。価格も安価なのが特徴です。

メンテナンスフリー(密閉型)バッテリー

極板に水素の発生の少ないカルシウム合金をしたバッテリーです。密閉型はMF(メンテナンスフリー)バッテリーとも呼ばれ、機能性を高めたタイプでありバッテリー液の補充が不要です。文字通り、メンテナンス(バッテリーの補充)なしに寿命まで使用できます。また開放型と比較して若干高価です。

ドライ(完全密閉型)バッテリー

電解液を使用する密閉型バッテリーに対して、極板やセパレータに電解液を染み込ませたり、ゲル状の電解液を使用したバッテリーです。そのためバッテリーを横置きにできるメリットがあります。軽量ですが高価なのが特徴です。

バッテリーの充電方法

バッテリーの充電方法

バッテリーの発電量(容量)に対して、供給量(使用料)が勝っていた場合、結果として充電量不足(電圧低下)となって、ヘッドライトが暗い、始動時のセルモーターに勢いがない、パワーウィンドウの動作が遅いなどの症状に現れます。例えばエンジンが停止した状態でライトやオーディオなど電装品を長時間使用していたりすると、このような状態になります。また、バッテリーの寿命が近づいている場合、充電効率が劣化してきます。この場合、何らかの方法でバッテリーを充電する必要があります。

車を走行させて充電する

普段あまり車に乗らない、渋滞した市街地走行の頻度が高いなどの場合は、週に1度を目安に流れに乗る50~60km/hくらいのスピードで30分程度乗ることで充電が可能です。

バッテリー充電器を使って充電する

バッテリー充電器は家庭用電源のAC100VからDC12V(一般的な乗用車)へコンバートするものです。ブースターケーブルでバッテリー充電器とバッテリーのターミナル端子にプラス(赤)とマイナス(黒)を接続してから、バッテリー充電器の電源を入れて充電します。バッテリーの仕組み上100%まで充電できませんので、90%を超えたら充電器の電源を切ってブースターケーブルを外してください。安全のためもできればバッテリーを外して充電してください。また、充電中は激しく水素が発生する可能性があるため、キャップを開けてください。キャップのない密閉型バッテリーを充電する場合は専用の低電流タイプの充電器を使用し下さい。急速タイプの充電器を使用すると爆発する危険があります。

ディーラーや自動車整備業者に依頼する

バッテリー充電器がない場合や急速充電を行う場合は、ディーラーや自動車整備業者に依頼すると良いでしょう。有料ですが安全のためにも、バッテリーや車の状態も診てもらえるので安心でしょう。

バッテリー上がりの症状と原因

バッテリー上がりの症状と原因

では良く聞く「バッテリー上がり」とはどんな状態なのでしょうか。またその原因を説明します。

バッテリー上がりで見られる症状とは

一番わかりやすいのはセルがまったく回らない症状が顕著です。かつての車は徐々にバッテリーの性能が劣化していったので、セルが弱ってきた時に兆候が掴めましたが、最近のバッテリーは性能が向上した反面、昨日まで普通にセルが回っていたのに、翌日はまったく反応しないということもあります。バッテリーの寿命が近づいている場合は、充電率が悪くなるので、さらにバッテリー上がりしやすくなる可能性があります。

バッテリー上がりの主な原因

バッテリー上がりの主な原因として以下のようなケースが考えられます。

長時間エンジンをかけていなかった
長時間エンジンをかけていない(車に乗っていない)

と充電されないためです。ヘッドライトやハザードランプ、スモールランプを消し忘れた満充電でもヘッドライトは最大で5時間、スモールランプでは約10時間程度でバッテリーが上がります。

バッテリー上がりと良く間違えられる症状

エンジンがかからない原因は必ずしもバッテリー上がりが原因ではありません。何故エンジンがかからないのかを特定しないと、いくらバッテリーを新品に交換しても、エンジンがかかりません。まず、バッテリーの状態を確認してみましょう。バッテリーの状態を表示するインジケーターの窓が付いているタイプの場合は、まずチェックしてください。青い輪が見えればバッテリーは良好です。それ以外で赤い輪が見える場合は寿命を指しています。また、バッテリーのターミナル端子が白く粉を吹いている状態であれば、同様に寿命を疑う必要があります。ではバッテリー上がりと間違えやすい、それ以外の原因を挙げてみます。

バッテリーのターミナル端子が緩んでいる・外れている

きちんとターミナル端子が外れているとエンジンがかかりません。またターミナル端子が緩んで白い粉を吹いている場合、粉を拭き取り、ターミナル端子を左右に捻り密着度を高めてから、端子部分をメガネレンチ等で締め付けてください。

ジェネレーター(オルタネーター)の故障

バッテリーが正常であって、ターミナル端子にも問題がないと少し厄介です。発電されていない可能性があります。ディーラーや自動車整備工場に修理を依頼するしかありません。こうなるとバッテリー充電器を使い充電しても、ブースターケーブルを使ってエンジンを始動してもすぐ停まる可能性が高く危険な状態です。早めにキャリアカーの手配が必要かも知れません。

なお、一時的にでもエンジンがかかれば、原因がバッテリーかジェネレーターなのかを切り分ける方法があります。エンジンがかかった状態で、オーディオやエアコン、ヘッドライトなど電力を大きく消費する電装品のスイッチを入れてから、バッテリーのマイナス側(黒)のターミナル端子を外してみてください。まもなくエンジンが停止したら、原因はジェネレーターの故障が疑われます。発電されていないことがわかるからです。

バッテリー上がりの対処法

バッテリー上がりの対処法

ではバッテリーが上がってしまったら、どう対処すべきでしょうか。バッテリーが上がった原因がヘッドライトの消し忘れなど、明らかに人為的なものであり、なおかつバッテリーがまだ新しいのであれば、バッテリー交換の必要はない可能性大です。自走しているうちに、バッテリーがチャージされ復活するはずです。バッテリーが古く寿命に近いのであれば、ディーラーやカーショップへ行ってバッテリー交換しましょう。

救援車(知人や友人の車など)を使う

友人や知人が近くにいた場合、救援車となる他の車のバッテリーの電気を借りて、バッテリー上がりの車のエンジンを始動することができます。ただし、バッテリーとバッテリーを繋ぐ、1対(黒と赤)のブースターケーブルが必要です。ケーブルを繋ぐ順序や方法を間違えるとバッテリーがショートしたり、最悪の場合、バッテリーが爆発する可能性もあるので、必ずやり方を知っている人がいる場合のみ実施してください。バッテリー上がりの車のバッテリーが12Vなら、救援側も必ず12Vである必要があります。ケーブルを接続する順番と方法は以下の通りです。(後述しますがハイブリッド車は構造上、救援車にはなれないので、注意してください。)

①バッテリーの上がった車のプラス(赤)
②救援車のプラス(赤)
③救援車のマイナス(黒)
④バッテリーの上がった車のマイナス(グランド:バッテリー端子ではなくエンジンの金属部分)

上記の順序で繋ぎます。救援車のエンジンをかけ、若干アクセルを踏み、エンジン回転数を高めます。バッテリー上がりの車のエンジンを始動します。エンジンがかかったら、逆の順番でブースターケーブルを外します。

ジャンプスターターを使う

他車の電気を借りなくてもジャンプスターターを使えばエンジンが始動可能です。これは前述の救援車の代わりに携帯用バッテリーを使う方法です。色々種類があり、リチウムイオン電池タイプ、リチウムポリマー電池タイプ、リチウムマンガン電池タイプ、鉛電池タイプなどがあります。大きなモバイルバッテリーをイメージするとわかりやすいかと思います。ただし、それぞれに特徴があり、大きさ、価格、電力容量などに違いがあるので、価格重視で購入してしまうと、供給される電力が足りずにエンジンがかからない場合があるので、注意してください。

ロードサービスを利用する

周りにすぐ駆けつけてくれる友人や知人がいない場合は、JAFなどのロードサービスを呼んで対応してもらうことも可能です。

バッテリーを交換する

近くにディーラーやガソリンスタンド、カーショップがある場合はバッテリーを購入してきて、自分で交換する方法があります。ただし、バッテリーは意外と重いので、ご注意ください。

ジャンプスターターの使い方

ジャンプスターターの使い方

前述の通り、ジャンプスターターを使うと救援車のバッテリーと繋がなくとも、自力でエンジンを始動することができます。カバンやトランクに入るサイズのものもあり、常備しておくと万一の際に重宝する実用性の高い便利グッズです。また、車のエンジンをかけるための用途以外にも、スマホやタブレットなどの電源供給ができるタイプもあるのでおすすめです。

ジャンプスターターの使い方・手順・流れ

まず、ジャンプスターターのバッテリー残容量をチェックして、エンジンを始動するだけの容量があることを確認してください。次の通り、使い方は簡単です。

①ジャンプスターターからのプラスクランプ(赤)をプラス端子に接続します。
②マイナスクランプ(黒)をマイナス端子に接続します。
③スターターを回してエンジンをかけます。
④取り外す際は接続とは逆の順番でケーブルを外します。

ジャンプスターターを使用する際の注意点

エンジンの排気量や圧縮比によっては容量不足で十分な電力供給ができない可能性があります。バッテリーの残容量ももちろん大事ですが、そもそも自分の車のエンジンをかけるだけのスペックを持っているバッテリーかを確認してください。

またエンジンの始動には大きな電力を必要とするため、各ジャンプスターターの取り扱い説明書を見ながら、決められた1回あたりのクランキング時間を守り、1回で始動しない場合もクランキングの間隔や最大何秒程度までクランキングをして良いのか、メーカーの指示に従うようにしてください。

バッテリー交換の方法

バッテリー交換の方法

次にバッテリーの寿命と見なされ交換が必要となった場合に、自分でできるよう交換方法を説明します。

バッテリー交換の注意点

バッテリーを交換する際には以下の点に注意してください。バッテリーと言っても容量やケースのサイズ、端子の位置など、自分の車に指定されている形式と同じものに交換しましょう。安いからと言って形式が違うものを購入すると、取り付けられないばかりか車両火災の原因となる可能性もあります。なおバッテリー内部のバッテリー液は希硫酸です。目に入ると失明したり、やけどや衣服が損傷する恐れがあるので取り扱いには十分注意を払ってください。また、バッテリーは重量物であり、ショートさせると発火する恐れがあります。

バッテリー交換に必要な道具

バッテリー交換には以下の道具を用意し、バッテリー液が手に付いたり、目に入らないように作業します。

ゴム手袋
保護メガネ
スパナ(ターミナルを外すため)

バッテリーの外し方の流れ・手順

金属のボディに触れて静電気と逃がしてから作業を行います。

①エンジンを止め、キーを抜きます。
②端子カバーが付いていれば外します。
③マイナス側ケーブル端子を外します。
④プラス側ケーブル端子を外します。
⑤バッテリーを固定する取付け金具を外します。
⑥バッテリーを台座より取り外します。

なお、ケーブル端子が汚れていたり、白い粉を吹いていたら、ワイヤーブラシ等で清掃してください。

バッテリーの取付け方の流れ・手順

取付ける際は以下の順序で作業します。

①新しいバッテリーを台座に乗せて、取付け金具で固定します。
②プラス側ケーブル端子をバッテリーのプラス端子に取付け、しっかり固定します。
③マイナスケーブル端子をバッテリーのマイナス端子に取付け、しっかり固定します。できれば錆止めのグリスを端子に塗布してください。
④端子カバーがある場合は元通りに取付けます。

バッテリー交換時のメモリーバックアップとは

バッテリーを交換中、コネクターを外すと車両電子機器のメモリーデータが消去される可能性があります。バックアップ電源を使うことで、データを保存し保護します。

交換したバッテリーの処分・廃棄・捨て方

バッテリーは有毒で危険な希硫酸や鉛を使用しています。廃バッテリーを一般の廃棄物として処分することは法律で厳しく禁じられています。ガソリンスタンドやカーショップなど、バッテリーの購入先や取扱い店に処分できるか相談して、放置せず適切に廃棄してください。

バッテリーの寿命と点検・メンテナンス方法

バッテリーの寿命と点検・メンテナンス方法

バッテリーの寿命の目安や、日ごろの点検やメンテナンス方法について説明します。

バッテリーの寿命はどのくらいか

バッテリーや使い方にもよりますが、一般的なタイプで平均すると2年から3年が寿命の目安です。頻繁にバッテリーを上げてしまったり、急速充電を繰り返すと寿命が短くなる傾向があるようです。大出力のオーディオや消費電力の大きい電装機器を搭載している車両はバッテリーの寿命が短くなる原因と言われています。また、気温の低い地域に転居した場合や炎天下の渋滞が多い場合などもバッテリーに負担がかかるので、バッテリーの容量を大きくすると安定した電気供給が得られます。

バッテリーの寿命を少しでも伸ばす方法

前述のようにバッテリーに負担のかかるような消費電力の大きい電装品を搭載していたり、寒い、暑い中で長時間走行が多い、渋滞が多いとバッテリーの寿命にも影響を及ぼします。その際はバッテリーの容量をまず大きくすることを検討してはどうでしょうか。バッテリー上がりはバッテリーの寿命を短くする要因になるからです。ノーマルのバッテリーを使い続けるのであれば、以下のような点に気を付けると効果があります。

・消費電力の高い電装品やエアコンの使用を控える
・ヘッドライトを点灯させる夜間走行を控える
・アイドリングストップシステムの動作を控える(エンジンをかける回数を減らす)

しかしながら滅多に乗らない、乗っても距離が短いなど、生活習慣を変えるのも実際には難しいかと思われますので、意識として乗り方や使い方によってバッテリーの寿命が伸びるイメージを持つことも重要ではないでしょうか。

バッテリーの交換時期・タイミング・寿命の判断

ではバッテリーの交換時期や交換のタイミング、寿命の判断について説明します。厳しい条件の下での使用が顕著な場合を除き、2年から3年を目安に交換していれば、一般的にはバッテリーが寿命を迎えてエンジンが突然かからなくなることはないと思われます。一般的には、と言ったのは最近のバッテリーは性能も向上し、寿命ギリギリまで性能を維持できるタイプが増えているからです。安全・安心を重視するなら車検のタイミングでバッテリーを交換するのが手間を含め、おすすめのタイミングと言えるでしょう。バッテリーや車の状態によっては、以下のようなバッテリー劣化の症状が現れる場合もあります。是非、参考にしてください。

・エンジンの始動性が悪くなる(セルの回り方に勢いがない)
・ヘッドライトが暗く感じる(エンジンの回転数で明るさが変わる)
・パワーウィンドウの動きが惜しく感じる
・慢性的な充電不足
・バッテリーターミナルに白い粉が吹いている(腐食が見られる)
・充電してもバッテリーの比重が上がらない
・バッテリー液がすぐ減る

バッテリーの点検・メンテナンスの方法

密閉型のMF(メンテナンスフリー)バッテリーは、基本的に寿命までメンテナンスは不要です。一方、開放型バッテリーは構造上、バッテリー液が減少します。月に2回、もしくはガソリンスタンドに行くたびくらいの頻度で定期的にバッテリー液の減りをチェックして、LOWERレベルになっていたら、UPPERレベルまでバッテリー液もしくは蒸留水を補充します。UPPERレベル以上入れると、液が周囲にこぼれて車体が腐食する原因になるので注意してください。

また、走行中の振動でターミナル端子が緩む場合があります。併せてターミナル端子が白く粉を吹いていたら、ワイヤーブラシ等でこすり落とし、腐食防止にグリスを薄く塗布してください。

ハイブリッド車のバッテリーについて

ハイブリッド車のバッテリーについて

ハイブリッド車は通常のガソリンエンジン車と異なり、走行用モーター駆動専用のバッテリーを搭載しています。前述までのエンジン始動用のバッテリーとは役割も異なるため、オーナーの方やこれからハイブリッド車の購入を検討している方は是非参考にしてください。

エンジン始動用のバッテリーとハイブリッド車の駆動用バッテリーの違い

エンジン車に搭載されるバッテリーはジェネレーターで作られた電力を蓄え、電装品へ電力を供給する役割を持っています。一方、ハイブリッド車ではハイブリッドシステムを動かすための「駆動用(走行用)バッテリー」と電装品に電力を供給する「補機バッテリー」の2つの異なる種類のバッテリーを搭載しています。エンジン車のバッテリーとハイブリッド車の補機バッテリーは基本的に同じもので一般的に電圧は12Vですが、駆動用バッテリーは車種によっては200Vを650Vに昇圧するなど非常に高圧なのが特徴です。駆動用バッテリーは構造も異なり、大半のハイブリッド車はニッケル水素電池もしくはリチウムイオンバッテリーを搭載しています。

ハイブリッド車のバッテリー上がりの対処法とは?

バッテリーを使っている以上、補機バッテリーも駆動用バッテリーもバッテリー上がりを起こす可能性があります。補機バッテリーはガソリン車と同様にブースターケーブルを使って、他の車両から電気を借りてエンジンを始動することが可能ですが、一度バッテリー上がりを起こすと性能は著しく劣化すると言われています。しかしながら、駆動用バッテリーは特殊なもので、高圧であり危険なので、無闇に触らないように注意してください。バッテリーが上がった場合、ディーラーやロードサービスに相談することをおすすめします。

ハイブリッド車のバッテリーの寿命はどれくらいか

補機バッテリーは3~4年と言われています。駆動用バッテリーに関しては、まったく劣化はないとは言えませんが、一般的な使い方をしている限り、車の寿命までバッテリー交換は必要ない。というのが現在の大方の見方です。

ハイブリッド車はバッテリーが上がった他の車の救援車にできるのか

自車の補機バッテリー上がりの際は、他の車から電気の供給を受けることはできますが、構造上、他の車への電気を供給することはできません。つまり他の車の救援車にはなれません。理由は、補機バッテリーからバッテリー上がり車へ電気を供給した場合、救援車のエンジンがかかった瞬間に大電流が救援される側の車に流れ、結果的にハイブリッド車側の電源部やハイブリッドシステムが故障する可能性があるからです。

ハイブリッド車のバッテリー上がりでガソリン車に救援してもらうことはできるのか

前述の通り、ハイブリッド車側がバッテリー上がりで、エンジン車を救援車とすることは問題ありません。ただし、この場合直接補機バッテリーに接続するのではなくエンジンルーム内に設置されている、ジャンピングの救援用端子に接続するよう指示されている車種もあります。

ハイブリッド車のバッテリー交換はプロに依頼した方がいい理由とは

ハイブリッド車には「補機バッテリー」と「駆動用バッテリー」の通常2種類のバッテリーが搭載されています。200Vもの高圧バッテリーである「駆動用バッテリー」は、触るのも危険であり、バッテリーの寿命から考えても、自分で交換する機会はまずないと思われます。では、12Vの通常のガソリン車と同じ電圧の「補機バッテリー」の交換はどうかと言うと、その搭載位置によっては内装を剥がしたり、カーナビや電装品の設定がリセットされないようメモリーのバックアップを行うこと等を考慮すると、作業に精通した専門店やディーラーのプロに交換を依頼することをおすすめします。

バッテリーはエンジンに次ぐ、心臓とも言える、車を走らせる上でかかせない重要なパーツであることはおわかりいただけたでしょうか。普段は目に触れることがありませんが、バッテリーの構造や仕組み、メンテナンス方法などを知ることで、不意のバッテリー上がりのトラブルにも冷静に対応できるようになります。その重要性を理解し、これからのカーライフに是非、生かしてください。

グーネットピット編集部

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、 自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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