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更新日:2022.05.03 / 掲載日:2022.05.03
MASERATI GRECALE FOLGORE【グーワールド コラム/トピックス】

文●大音安弘 写真●マセラティ
問い合わせ:マセラティ コールセンター TEL:0120-965-120 URL:https://www.maserati.com
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年6月号の内容です)
電動化を進めつつもマセラティはエンジンにこだわり続ける
イタリアの名門「マセラティ」も、フルEV化を目指す自動車メーカーのひとつだ。23年には、2ドアクーペ「グラントゥーリズモ」を初のEV専用車として復活させることを皮切りに、今年3月に発表したばかりのミッドサイズSUV「グレカーレ」にも、1年後のEV設定を予告。さらに25年までには、ミッドシップスポーツ「MC20」、フラッグシップセダン「クアトロポルテ」、フラッグシップSUV「レヴァンテ」の3車種にEVを投入し、「フォルゴーレ」と呼ぶEVモデル群を構築する。この電動化戦略のゴールとして、30年までにモデルラインの完全電動化を行うとしている。
マセラティの電動化戦略で注目すべきは、EV移行期の電動化車は、マイルドハイブリッドだけということ。量産高級車メーカーは、PHEVにも熱心だが、年間2万5千台規模のマセラティは、マイルドハイブリッドとEVに絞り、ピュアエンジン車をできる限り、販売していく方針なのだ。
MC20に搭載する高出力ピュアV6ツインターボ「ネットゥーノ」エンジンは、グレカーレにも採用。ギブリとレヴァンテ、クアトロポルテには、V6だけでなく、より大きなV8エンジンも搭載しているが、現時点で終売のタイミングは明言されていない。それだけ、マセラティにとってエンジンは大切な存在なのだ。
それを裏付けるように、マセラティは、EVを含めサウンドの重要性を強調する。その姿勢は、ギブリとレヴァンテに搭載されたマイルドハイブリッドからもうかがえる。いずれも同じスペックだが、ギブリはアグレッシブさを、レヴァンテは力強さを重視したチューニングを施し、いずれも加速時は、エンジン車らしい鼓動を響かせる。もちろん、環境性能を高めた存在であるが、走りのよさにも十分な情熱が注がれていることは、誰しもがステアリングを握れば、感じるはずだ。
情熱のピュアエンジンを楽しむなら、今が最後だ。その一方、マセラティがEVをどのように調教するのかにも興味が湧き起こる。なぜならば、まだ最高のサウンドを奏でる市販EVは存在しない。私は、マセラティに、それを期待したいのだ。



MASERATI GRANTURISMO/ブランド初のBEVとなる新型クーペが登場間近

マセラティの優雅な2ドアクーペ「グラントゥーリズモ」はEV専用車として復活し、2023年に投入予定。2025年にはすべてのマセラティにEVが設定され、そのラインアップには、MC20、クアトロポルテ、レヴァンテが加わるという。