輸入車
更新日:2021.09.06 / 掲載日:2021.09.06
新型「メルセデス・ベンツEQB」発表 EQAに続く2台目の電気自動車 コンパクトSUV

新型EQB 350
メルセデス・ベンツは現地時間9月6日、新型「EQB」を発表した。新型EQBは、EQAに続くメルセデス2台目の電気自動車。7人乗りのコンパクトSUVで、年末に欧州と中国で発売、2022年に米国で発売予定だという。
最大7人乗りのコンパクトSUV

新型EQBは、標準で5人乗り、オプションで7人乗りの設定が可能。3列目のシートは身長165cmまでの人が使用でき、チャイルドシートも装着可能なため、さまざまな家族構成やニーズに対応する。電気自動車としては、パワフルで効率的な電気駆動、巧みなリカバリー、エレクトリック・インテリジェンスによる予測型ナビゲーションなど、EQAと共通する特徴を備える。
当初のラインナップは、欧州で「EQB 300 4MATIC」を発売。続いて「EQB 350 4MATIC」が用意され、航続距離はいずれも419kmとなっている(WLTP)。今後、前輪駆動モデルや長距離走行が可能なバージョンなど、さらにバリエーションを増やしていく予定だという。
メルセデス・ベンツ・カーズの電動化への取り組みは、2021年には、EQA、EQB、電動ビジネスサルーンのEQE、ラグジュアリーサルーンのEQSと、計4つの新型モデルが導入されるほか、スモールバンセグメントのコンセプトEQTも登場予定だ。
メルセデス・ベンツのプラグインハイブリッドモデルは現在20以上のモデル・バリエーションで構成されているが、2021年にはプラグインハイブリッド車と完全電気自動車を合わせたxEVのシェアを約13%に拡大すると見込んでいる。
ゆったりとしたスペースとオプションの3列目シート

EQBは、メルセデスのコンパクトカーの中で先進の駆動技術を搭載したEQAと、コンパクトSUVのGLBの2つのモデルと密接な関係をもつ。ロングホイールベース(2829mm)、広々とした室内空間、そしてオプションの3列目シート(2つの独立したシートを追加可能)は、ここから生まれたものだ。
EQBには、2つの独立したシートで構成される3列目のシートがオプションで用意される。このシートは、身長165cmまでの人が快適に過ごせる空間となる。安全面では、格納式ヘッドレスト、ベルトテンショナーとフォースリミッター付きシートベルト(全席)、3列目の乗員もカバーするサイドウインドウバッグなど、充実した装備を備える。2列目と3列目には最大4つのチャイルドシートを装着でき、さらに助手席にも1つ装着可能。ラゲッジスペースを拡大するために、3列目シートをロードフロアにフラットに下げることがもできる。
個性豊かなエレクトロデザインの美学
EQBは、センタースター付きのメルセデス-EQブラックパネルグリルが特徴的。さらに、電気自動車であるメルセデス-EQのデザインの特徴として、フロントとリアに連続したライトストリップがありる。フルLEDヘッドランプのデイタイムランニングライトを水平方向に光ファイバーでつなぐことで、昼夜問わず高い認識性を確保している。そしてヘッドランプ内のブルーのカラーハイライトは、メルセデス-EQの特徴的な外観を強調している。
サイドビューでは、筋肉質な造形のショルダーが圧倒的な存在感を示し、ベルトラインの立ち上がりによってさらに強調される。EQBにパワフルなキャラクターを与えるホイールは、最大20インチのバイカラーまたはトライカラーデザインの軽合金ホイールが採用される。ロゼゴールド、またはブルーの装飾が施されたものも用意される。
LEDテールランプは、先細りのLEDライトストリップとシームレスに一体化。これにより、リアビューにおいてEQBの水平方向の幅感を強調する。また、ナンバープレートをバンパー上に配置することで、美しい造形のテールゲートを実現。スタッド式のルーフレールは、新型EQBの高い実用性を強調する。
大きなボディのダッシュボードには、運転席と助手席の間に切り込みが入っており、MBUX(Mercedes-Benz User Experience)による操作と表示が可能なワイドスクリーンコックピットが配置される。インテリアはアルミニウム製のエレメントによって強調され、ドア、センターコンソール、助手席側のインストルメントパネルに設置されている。
デザインと装備のラインによっては、バックライト付きの華やかなトリムピースや、エアベント、シート、車両キーに施されたロゼゴールド色の装飾部品が、EQBのインテリアにおける電気自動車らしい特徴を示している。電気自動車専用のディスプレイを備えた計器類にも、ロゼゴールドとブルーのハイライトを用いた同じ配色が採用されている。
高速充電技術、大規模なネットワーク

EQB 350
EQBは、自宅や公共の充電ステーションで、車載充電器を使って最大11kWの交流充電が可能。フル充電までに必要な充電時間は、利用可能なインフラや各国の車両装備によって異なる。メルセデス・ベンツ ウォールボックスでの充電は、家庭用コンセントでの充電よりもかなり高速になる。
直流(DC)の急速充電ステーションではさらに高速に。高電圧バッテリーのSoC(State of Charge)と温度に応じて、対応する充電ステーションで最大100kWの電力で充電する。充電時間は、SoCが10~80%の間で30分強。ACおよびDC充電のために、EQBはヨーロッパと米国では、右側のサイドパネルにCCS(Combined Charging Systems)コネクタを標準装備する。
Mercedes me Chargeにより、EQBのドライバーは広範な充電ネットワークを利用することができるほか、様々なプロバイダーの充電ステーションを利用することができる。EQBには、Mercedes me Chargeの1年分が含まれているという。
運転支援システムと高い衝突安全性

EQBには、ドライバーを協調的にサポートするインテリジェントな運転支援システムが搭載される。「アクティブ・レーン・キーピング・アシスト」と「アクティブ・ブレーキ・アシスト」を標準装備。後者は自律的にブレーキをかけて衝突を防いだり、衝突の度合いを軽減したりする機能をもっている。また、一般的な市街地の速度であれば、停車中の車両や横断中の歩行者に対してもブレーキをかけることが可能。ドライビング・アシスタンス・パッケージの充実した機能には、旋回機能、エマージェンシー・コリドー機能、自転車や車両の接近を知らせる出口警告機能、歩行者を検知した際の警告などがある。
また、EQBはパッシブセーフティにおいても、GLBの堅牢な構造をベースに、電気自動車の特殊な要件に合わせて設計された。バッテリーは、押し出し成形されたフレームの中に収められ、これまで床下のクロスメンバーが担っていた構造的な機能を担っている。また、バッテリーの前部にはバッテリーガードを設け、異物の混入を防止する。