輸入車
更新日:2021.09.02 / 掲載日:2021.09.02
THE LAST AVENTADOR【グーワールド コラム/新車】

新車価格:4958万4626円~5442万2033円(全グレード)
文●大音安弘 写真●ランボルギーニ、大音安弘
問い合わせ:ランボルギーニ カスタマーサービス TEL:0120-988-889 URL:https://www.lamborghini.com/jp-en/
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年10月号の内容です)

ランボルギーニのフラッグシップモデル「アヴェンタドール」の限定車「LP780-4 Ultimae(ウルティメ)」が、日本初公開された。この限定車は、アヴェンタドールの最後を飾るモデルであるとともに、ランボルギーニにおける自然吸気仕様V12気筒エンジンとピュアエンジン車の歴史の終焉を飾るものでもある。
そもそもランボルギーニの歴史は、V12気筒エンジンより始まった。1963年に自動車メーカーとしての歩みを始めたランボルギーニ最初のモデル「350GT」は、3.5LV12気筒エンジンを搭載したFRモデルであった。アヴェンタドールへの直接的系譜となるミッドシップモデルは、その3年後の「ミウラ」に始まり、ロングセラーとなった1974年登場の「カウンタック」よりお約束となる縦置きミッドシップレイアウトが継承されている。
それだけにひとつの歴史に終止符を打つことになるウルティメへのランボルギーニマンたちの気合も十分。自然吸気V12エンジンの限界に挑戦し、歴代最強のスペックとなる780馬力の最高出力を叩き出した。またデザインや性能、機能性などを含むトータルでは、アヴェンタの完成形となる「S」と、それをベースとするサーキット指向のロードカー「SVJ」の魅力を融合させた最終形態が目指されている。だから尖った性能を示しながらも、快適性も兼ね備えて、まさに長く愛せるピュアなV12ランボに仕立てられている。
このモデルを手にするオーナーは幸せ者だ。おそらくその価値が今後上がるであろうことも容易に想像できる。しかし、もしあなたに多額な資金があっても、その仲間入りを果たすのは難しい。何しろ、すべてが完売済みなのだから。多くのユーザーは、ウルティメを長期保有するだろうから、ユニコーンのような存在となるかもしれない。
今後、ランボルギーニも電動化を推進する。しかし、悲観する必要はない。V12気筒エンジンも電動化で生き残る。ひとつの歴史の終わりは、新たな伝説の始まりにすぎないのだ。
カーボンファイバーの使用範囲を拡大し乾燥重量1550kgという軽量ボディを実現。カーボンセラミックブレーキを採用し、制動性能も高めた。

デザインのテーマとなったのは「ランボルギーニDNAの継承」。最先端の技術と高性能を実現しながらも、ひと目でランボルギーニだとわかるデザインとしている。

最高出力はSVJよりも10馬力アップされた780馬力で、7速AT・ISRと4輪を通じて路面に伝えられる。0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は355km/hというスペック。

「LP780-4 ウルティメは、最後のV12自然吸気エンジンを搭載し、究極という名に恥じない、グランドフィナーレを飾るにふさわしいモデル」と語ったランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏。