輸入車 [2021.07.19 UP]

【試乗レポート VW アルテオン シューティングブレーク】大幅変更でニューフェイスを追加

アルテオン シューティングブレーク

アルテオン シューティングブレーク

文●岡本幸一郎 写真●ユニット・コンパス

 フォルクスワーゲンの日本におけるフラッグシップは、パサートではなくアルテオンだ。2017年に発売され、このほどマイナーチェンジを実施。新たなボディタイプとして、ワゴン版のシューティングブレークが追加された。車種構成は、いずれも「R-Line」、「R-Line Advance」、「Elegance」の3グレードで、価格はシューティングブレークが20万円高となる。

マイナーチェンジでニューカマー

アルテオン シューティングブレーク

アルテオン シューティングブレーク

 マイナーチェンジでは内外装に手が加えられており、エクステリアもリフレッシュされているが、とくにインテリアが大きく変わっている。ダッシュパネルやドアトリムをレザレットでカバーしたほか、「エレガンス」にはウッドパネル、「R-Line」にはアルミニウムパネルを配するなどして、より上質で洗練された雰囲気となった。デジタルメータークラスターにより先進感も一気に増している。最大30色のカラーを選択できるアンビエントライトの採用も新しい。また、合計11のスピーカーで構成され、総出力700ワットの16チャンネルデジタルアンプを用いたハーマンカードンとの共同開発による専用のプレミアムサウンドシステムもオプション設定される。

 装備面では、同一車線内全車速運転支援システム「トラベルアシスト」が標準装備されたほか、常時コネクティッドの新世代インフォテイメントシステムとオンラインサービス“We Connect”と合わせることで、渋滞情報などの入手をはじめ、スマートフォンの専用アプリで窓の閉め忘れや駐車位置などを確認したり、車両のドアの解施錠を操作することもできるようになった。

 これらの変更内容は、もちろん新顔のシューティングブレークにも盛り込まれている。

パサートヴァリアントとの違いが気になる

アルテオン シューティングブレーク

アルテオン シューティングブレーク

 スタイリッシュなファストバックのクーペであるアルテオンに対し、シューティングブレークもその延長上で、なだらかなルーフラインを踏襲しつつ、ロー&ワイドのアグレッシブなデザインにワゴンとしての機能を組み合わせている。あたかも後輪駆動であるかのようにリアフェンダーを膨らませたフォルムも特徴的だ。

 ベースのアルテオンも大型リアハッチを備えているだが、シューティングブレークは、それにさらにプラスアルファの荷室が欲しいというよりも、パサートヴァリアントに対して、多少は荷室が小さくなっても、プラスアルファの見栄えが欲しいという人向けと捉えたほうが正しそうだ。

 ご参考まで、荷室容量はシューティングブレークの565~1632リットルに対し、クーペのアルテオンが563~1557リットルと最小時が大差なく、かたやパサートヴァリアントは650~1780リットルと圧倒的に大きい。絶対的な広さを重視する人は、やはりパサートヴァリアントを選んだほうが賢明だが、そこまで広くなくてもよいという人は、シューティングブレークに目を向ける価値はある。

 リアハッチの開口下端はそれほど高くなく、そこから荷室のフロアにかけて掘り下げたような形状になっているのもパサートヴァリアントとの違い。リアシートを前倒ししたときの段差もやや大きい。ただし、タイヤハウスのギリギリまで攻めた側面の形状や、そこに簡単に取り外して横幅を拡大できる仕切り板を設けているあたりは共通している。

 リアシートが2分割可倒式か3分割可倒式かという違いもあるが、シューティングブレークも真ん中が抜けるようになっているので、4人の成人が乗車してスキーのような長尺物も積めることに変わりはない。

 リアシートに成人男性の平均+αの体格である筆者が座っても狭さを感じることもなく、ヘッドクリアランスにも多少の余裕がある。膝前もこぶしが縦に3つ入ってまだ余裕があるので、居住性は十分に確保されている。

 このフォルムとガラス形状ゆえ、運転席からの後方視界はパサートヴァリアントに比べると制約はあるのは、これだけ確保されていれば問題ない。

アルテオン シューティングブレーク

アルテオン シューティングブレーク

アルテオンに相応しい走りを

アルテオン シューティングブレーク

アルテオン シューティングブレーク

 エンジンにはパサート系には設定のない2.0TSIを搭載するのも特徴で、さすがは最高出力272ps/5500-6500rpm、最大トルク350Nm/2000-5400rpmというだけあって低速域から力強く、トップエンドまでスムーズに吹け上がるので、どんな道でも気持ちよく走れる。これに7速DSGとフルタイム4輪駆動システム「4MOTION」が組み合わされる。

 ダイレクト感のある走りを楽しめる半面、動き始めに若干のもたつきがあるのはDCTの宿命だが、日本に上陸したばかりのゴルフが48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせることで、その問題をずいぶん解消していたので、このパワートレインにも採用されるよう期待したいところだ。

 足まわりにはアダプティブシャシーコントロール「DCC」を標準装備する。アルテオンのキャラクターに相応しく、よりダイナミックな走りを楽しめるようにとイニシャルでダンピングを効かせているようで、姿勢変化は小さく振動も瞬時に収束する。ハンドリングも俊敏ながら、あまり切れ味を鋭くしすぎてないあたりは、あくまでフォルクスワーゲンの一員らしい。スポーツモードを選択すると、より足まわりがひきしまるとともにステアリングの手応えが増し、アクセルレスポンスが増して音色が派手に変わるという演出も楽しめる。

 価格は500万円台終盤から600万円台半ばという価格帯は、フォルクスワーゲンとしてはだいぶ上のレンジとなるが、中身の充実ぶりにはそれ以上のものを感じた次第。ワゴンの選択肢がめっきり少なくなった中に現れた、異彩を放つ注目すべき1台である。

執筆者プロフィール:岡本幸一郎(おかもと こういちろう)

自動車ジャーナリストの岡本幸一郎氏

1968年、富山県生まれ。幼少期に早くもクルマに目覚め、学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの企画制作や自動車専門誌の編集に携わったのち1998年にフリーランスへ。軽自動車から高級輸入車まで幅広くニューモデルの情報を網羅し、近年はWEBメディアを中心に寄稿。ドライビングスクール等のインストラクターも務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

VW アルテオン TSI 4モーション エレガンス(7速AT・DSG)

■全長×全幅×全高:4870×1875×1445mm
■ホイールベース:2835mm
■車両重量:1750kg
■エンジン:直4DOHCターボ
■総排気量:1984cc
■最高出力:272ps/5500-6500rpm
■最大トルク:35.7kgm/2000-5400rpm
■サスペンション前/後:ストラット/4リンク
■ブレーキ前後:Vディスク
■タイヤ前後:245/35R20
■新車価格:587万9000円-644万6000円(アルテオン シューティングブレーク 全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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