輸入車
更新日:2021.07.09 / 掲載日:2021.07.09

新型ランクルに注目すべきこれだけの理由【自動車ジャーナリスト九島辰也が解説】

文●九島辰也 写真●トヨタ

 累計約1040万台、年間30万台を販売しているランドクルーザー。世界170の国と地域に届けられているというからスケールは大きい。というか、そのパフォーマンスに理解し、信頼しているユーザーが多いことがわかります。秘境での人の移動には欠かせないし、災害時の人命救助にも役立っているのは確かです。一部のユーザーからは「どこへでも行き、生きて帰って来られるクルマ」と称されるというから、リアリティがありますね。頼もしいです。

 そのランドクルーザーファミリーは200系と呼ばれるステーションワゴンタイプとプラド、それとレクサスブランドのLXとGXから構成されます。日本ではレクサスGXを販売していませんが、プラドのレクサス版といえばおわかりいただけるでしょう。

 そして今回その200系が300系と進化します。根幹となるプラットフォームを一新してのお目見えです。新GA-Fプラットフォームと呼ばれるそれは軽量、高剛性をテーマに開発されました。結果従来型よりも200キロも軽いというから立派です。しかもテストドライブは社内の熟練ドライバーのみならず、ダカールラリー出場ドライバーからも評価をもらいつくり込んだとか。かなり本気ですね。

エクステリアは正常進化。エンジンは3.5LV6ツインターボと3.3LV6ツインディーゼルターボを搭載

新型ランドクルーザー(海外仕様)

新型ランドクルーザー(海外仕様)

 そういえば、グループ会社であるトヨタ車体は2023年からこの新型300系をベースにしたラリーカーでのダカールラリー出場を発表しています。市販車部門でのエントリーは、生産開始後規定となる一定台数の生産が必要らしいので2023年になるとか。なるほど。ただ新たなラリーカーを見るのは楽しみですが、来年で200系がラストランとなるのは少々寂しい気がしなくもありません。まぁ、時代の流れですが。

 日本仕様のパワーソースは2種類あります。3.5リッターV6ツインターボのガソリンエンジンと、3.3リッターV6ツインターボのディーゼルエンジンです。前者が415ps/650Nmで、後者が309ps/700Nmとなります。組み合わされるギアボックスは共に10速AT。一部海外の地域にはV6の自然吸気も提供するそうですから、幅広い環境からのニーズがあることを感じます。国や地域によってそれぞれレギュレーションが異なりますからね。4.7リッターV8自然吸気エンジンがカタログから落ちてしまったのは残念ですが、ツインターボ化でパワーもトルクもこれまでを上回りました。要するに見事ダウンサイジングに成功したことになります。

 エクステリアデザインはこれまでの延長線上にあるといった感覚です。気をてらったところはなく、王道的な進化です。まぁ、そこは同じSUVでも流行りのモデルとは一線を画しますからね。唯我独尊かと。ただグリル周りの造形は都会的にも見えます。アーバンテイストのSUVが売れているのを少なからず意識しているのかもしれません。

 グレードは今のところまだ未発表ですが、トップエンドにGRが掲げられるという噂があります。メルセデス・ベンツでのAMGのように、すでにトヨタのハイパフォーマンス仕様にはGRの名が付けられたモデルもあります。GRヤリスとかGRスープラといった。でもってそれが、“ヨンク”にも当てはまりそうです。よりスーパーな4WD機構を備えたGRランドクルーザーなんて興味ありますよね。ジープで言うところの“ルビコン”、ランドローバー系なら“SVO”とか“SVR”ってところですかね。想像するだけで、なんかワクワクしてきます。

 この他では、トヨタブランドの先進安全装備が搭載されるのもニュースでしょう。「トヨタ・セーフティ・センス」と呼ばれる予防安全パッケージが採用され、プリクラッシュセーフティには歩行者だけでなく自転車も検知して衝突回避を行います。それと駐車場での前後障害物やバックしている時の接近車両や歩行者を検知してブレーキをかけるパーキングサポートブレーキがきっと役立つに違いありません。ランドクルーザーはボディが大きいですからね、どうしても死角は広くなってしまいます。

 なんて感じの300系新型ランドクルーザーがいよいよ“夏”に世界各地で発売を開始します。いやぁ、この暑さですからね、夏はもうすぐそこ。いち早く実車をこの目で見たいものです。でもって試乗も。高速移動もそうですし、もちろんオフロードも走らせてみたい……。なんて妄想しながら200系の中古車を検索してしまう今日この頃です。

執筆者プロフィール:九島辰也(くしま たつや)

自動車ジャーナリストの九島辰也氏

自動車ジャーナリストの九島辰也氏

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ