輸入車
掲載日:2021.05.06 / 更新日:2021.05.07
XC90プラグインハイブリッドはまさに大人のSUVといえる

新車価格:834万円~1139万円(全グレード)
文●九島辰也 写真●ボルボ
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年6月号の内容です)
問い合わせ:ボルボ ・カスタマーセンター TEL:0120-55-8500 URL:https://www.volvocars.com/jp
ボルボの“電動化”されたモデルだけを集めた試乗会に参加してきた。いち早く電動化を宣言したボルボらしいコンセプトである。
試乗会で選んだのはXC90。正式には「XC90リチャージ プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション」という。長い(笑)。彼らは最近“リチャージ”という言葉を取り入れた。
XC90は2015年に二世代目になり、翌年日本上陸、2019年にマイナーチェンジを受けている。フロントマスクはまさに新世代ボルボ。パワーソースは2L直4ターボ&スーパーチャージャーとモーターという組み合わせで、前者でフロントタイヤを後者でリアタイヤを駆動させる。そう、いわゆる“ヨンク”だ。もちろん、統合制御されているのでバランスはよく、2つのパワーソースが見事にシンクロしている。当初ツインエンジンと言っていたのは、そんな理由からだ。
で、なぜこのクルマを選んだかというと、純粋にカッコイイからだ。エクステリアデザインはもちろん、インテリアの高級感も好みである。しかも3列シートなので実用性は高い。大家族には便利だし、3列目のシートは使わなければしまっておけばいいのだ。きれいにたためるのでカーゴフロアがフラットになり、荷物を積むのにもまったく支障はない。
そして走り。最近のボルボは総じていいが、このクルマも間違いはない。2Lユニットとモーターでこのボリュームある車体を軽快に走らせるのだから恐れ入る。今回は北陸自動車道で金沢、福井間を往復したが、力強さは十分感じられた。どの速度域からも追い越し加速はよく、思った場所に移動できる。これだけレスポンスがよければロングドライブもストレスフリーだろう。しかも、21インチタイヤを履きながらの乗り心地もグッド。ロングホイールベースの恩恵もあってしなやかさも感じられた。
最近このクラスのSUVが増えている。が、そのなかにあってこのクルマはヒエラルキーに入らない唯我独尊的オーラを感じる。価格を含めそこが最大の魅力だろう。
Profile
自動車ジャーナリスト
九島辰也
ファッションや旅にも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、アメリカ、ドイツ、イギリスと各国のクルマを乗り継いでいる。

インパネセンターにあるモニターは縦型。最近はSクラスもそうなったが、ボルボはいち早くそれを取り入れている。ナビの見やすさは一目瞭然。メーターも見やすいがヘッドアップディスプレイが目玉。情報量が多くなった。

走行中の回生エネルギー充電のほか、家庭でも200Vで充電ができる。EV走行距離は約40km。条件次第では一日のかなりの距離を賄える。

低回転でスーパーチャージャーが、そこからターボが過給しパワーを増幅させる。2Lで十分。4気筒は軽量化の役にも立っている。