輸入車
更新日:2021.03.04 / 掲載日:2021.03.04
STELLANTIS【グーワールド コラム/トピックス】

文●ユニット・コンパス 写真●ステランティス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年4月号の内容です)
問い合わせ:ステランティス URL:https://www.stellantis.com
2021年1月、自動車史にまた新たなるページが刻まれた。去る2021年1月4日、FCAとグループPSAは、それぞれの株主総会において、合併とその後の新会社「ステランティスN.V.」設立をほぼ満場一致の結果で承認、合併を完了。そして16日には新会社の名称を「ステランティス」とし、新しい経営陣も発表した。これにより、2019年の実績をベースに計算すると、世界第4位の自動車メーカーが誕生したことになる。
社名の由来は、「星たちとともに輝く」というラテン語の「ステロ」に由来。アメリカ、イタリア、フランスと大陸を超えたブランドが集まる新会社にふさわしいネーミングだ。取り扱う車種も、小型商用車から高級車まで幅広く分布しており、収益の面でも欧州、北米とで均衡がとれるため、バランスのいいポートフォリオが形成される。また、今後は傘下ブランドのプラットフォームを「スモール」と「コンパクト・ミッドサイズ」に集約、年間37億ユーロのコスト削減効果を見込んでいるという。プラットフォームの共通化という言葉に、各ブランドの多様性が失われてしまうのではないかと懸念する向きもあるであろう。だが、FCAではすでにフィアットとクライスラーという、まったく歴史や文化の異なるブランドでの協業を成功させてきた経験がある。対等合併が成立したのも、こうした実績が評価されたのは間違いない。
もちろん、新会社設立は現状だけを見たものではない。むしろ、これから激化する自動運転関連と電動化に対する投資の効率化がねらいだ。新会社の舵取り役を担うのは、PSAグループを率いていたカルロス・タバレス氏で、合併後初の記者会見では、ステランティスはGoogle傘下のテック企業Waymoと協業していることを強調し、「テック企業との協業により、テクノロジー主導のイノベーションを導入する」と発言している。
2021年末までにグループで10車種の電動化車両を新たに投入することを明らかにしたステランティス。合併による規模拡大が、個性豊かなブランドを生き残らせることにつながるのか、夜空に瞬く星々に、自動車の未来を想う。

CEOのカルロス・タバレス氏(写真左)。対等合併への覚書を交わすグループPSAのカルロス・タバレス氏とFCAのマイク・マンリー氏(写真右、いずれも当時)。
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