輸入車
更新日:2020.11.12 / 掲載日:2020.11.11

【試乗レポート メルセデス・ベンツ GLA】スタイルだけでなく、中身も充実した第2世代

メルセデス・ベンツ GLA

メルセデス・ベンツ GLA

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 2代目となるメルセデス・ベンツGLAが日本でも6月に発表された。AクラスのSUV系派生モデルのフルモデルチェンジである。日本でも人気のコンパクトSUVだけに、ブランニューモデルとして投入されたGLBと共に期待されているモデルだ。

2代目はプロポーションをSUVらしいものへと変更

新型GLAは全高を高め、よりSUV的なプロポーションとなった

新型GLAは全高を高め、よりSUV的なプロポーションとなった

 新型の特徴はそのプロポーションにある。全長4415mmは従来型よりも15mm短くなり、全幅と全高はそれぞれ30mmと115mm大きくなっている。そう、注目は全高。写真をご覧いただければわかるように、新型はこれまでよりも車高が上がりSUV感を強めているのだ。結果、地上最低高も52mm上がっている。

クロスオーバー的なスタイルから一転、SUVらしさを強調

クロスオーバー的なスタイルから一転、SUVらしさを強調

 これにより、“Aクラスの背を少し上げただけ”だったGLAが、2世代目でより本格的なSUVとなった。ボディの厚みが強調され、全体的なボリュームも増している。理由は、率直な話その方が売れるからだろう。コンパクトSUVは、クロスオーバービークル的な傾向が強いが、強すぎてもダメなのだろう。とは言え、まるで「ベビーG」といった具合のGLBと比べると、それほどSUV感が強いわけでもない。言い換えれば“GL色”が濃くなったというところか。

パワートレインは150馬力の2L直4ディーゼルターボと4WDの組み合わせのみ

「200 d 4MATIC」が搭載する2L直4ディーゼルターボの最高出力は150馬力

「200 d 4MATIC」が搭載する2L直4ディーゼルターボの最高出力は150馬力

 そんなGLAのラインアップは、「200 d 4MATIC」の1本となる。メルセデス・AMGには「35 4AMTIC」と「45S 4MATIC」があるが、メルセデスブランドでは、まずはディーゼルエンジン車からのスタートとなった。とはいえ、本国にはガソリン仕様車もあるので、今後導入の可能性もあるだろう。ハイブリッドも期待できる。

 では「200 d 4MATIC」だが、エンジンはその名のとおり、2L直4ディーゼルターボを積む。最高出力は150馬力で最大トルクは32.6kgm。組み合わされるギアボックスは、8速デュアルクラッチ式トランスミッションの「8G-DCT」だ。よって素早い変速でスポーティな走りもできれば、上の方のギアはオーバードライブなので高速走行での燃費走行もできるだろう。

 4MATICのトルク配分は、フロントが100%-50%、リアが50%-0%の範囲で可変する。要するに通常はFWD(前輪駆動)で走り、加速時などクルマを安定させるのに必要なときリアにも駆動力を伝達するといった手法だ。ただ、ドライブモードでおおよその配分を割り振ることができる。「エコ」および「コンフォート」で、前80対後20、「スポーツ」で前70対後30といった設定になる。また“オフロード”モードでは50対50となり、4WDシステムのクラッチがセンターデフロックのように作動する。

走りの軽快さが際立つGLAの走行フィール

通常の走行シーンでは前輪へ優先的に駆動力を配分。ハンドリングは素直で走りに軽快さがある

通常の走行シーンでは前輪へ優先的に駆動力を配分。ハンドリングは素直で走りに軽快さがある

 なので、今回のテストドライブでもほとんどのシーンで、モニターに表示されるトルク配分のグラフィックは、フロントタイヤが駆動していることを示していた。そして、それが功を奏してか走りの軽快さが際立った。鼻先からクンクンとひっぱるように前へ進んでいく様は、秀逸なFFのコンパクトカーといった感覚で気持ちがいい。プロポーションがSUV化されたが、その辺の感覚はこれまでの流れの上にあるようだ。

 個人的には、ステアリンググリップが太くないのが気に入った。クルマの動きが手のひらに伝わりやすい分、運転が楽しい。また、コーナリング時のロールもダンパーでガッツリ抑え込むのではなく、適度に沈み込むのがいい。大排気量マシンは別として、このクラスではこうした操作感が強い方がクルマ好きにはたまらない。

「小さなメルセデスのSUV」として納得の完成度

GLAには音声入力に対応するインフォテインメントシステム「MBUX」など、メルセデスの最新装備が採用されている

GLAには音声入力に対応するインフォテインメントシステム「MBUX」など、メルセデスの最新装備が採用されている

 その他のトピックスは、声で操作する「MBUX」や新世代の「レーダーセーフティパッケージ」、「360度カメラ」が標準装備されていること。安全装備にぬかりなしといったところだ。そして、これらを積んで価格は502万円也。車高が上がり、存在感が強まったGLAをクラスレスと考えれば、これはアフォーダブルな設定に思える。この新しいプロポーションが気に入った方は要チェックだ。

  • GLA 前席

    GLA 前席

  • GLA 後席

    GLA 後席

  • GLA ラゲッジルーム

    GLA ラゲッジルーム

  • GLA ラゲッジルーム

    GLA ラゲッジルーム

  • GLA ラゲッジルーム

    GLA ラゲッジルーム

メルセデス・ベンツ GLA 200d 4MATIC(8速DCT)データ

■全長×全幅×全高:4415×1835×1620mm
■ホイールベース:2730mm
■トレッド前/後:1590/1595mm
■車両重量:1710kg
■エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
■総排気量:1949cc
■最高出力:150ps/3400-4400rpm
■最大トルク:32.6kgm/1400-3200rpm
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:235/55R18

メルセデス・ベンツ GLAクラスのカタログ情報はこちら

メルセデス・ベンツの販売店情報はこちら

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ