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更新日:2020.12.24 / 掲載日:2020.11.02

【試乗レポート メルセデス・ベンツ GLB】グランピングが似合うオフロード的SUV

メルセデス・ベンツ GLB

メルセデス・ベンツ GLB

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 昨年から密かに話題になっていたGLBが今年日本上陸した。「GLAとGLCの間のサイズがあったらなぁ」という声に応えるカタチでの販売開始である。なので、売り上げは上々。コロナ禍においてディーラーを賑わせている。

 それじゃGLBはいったいどんなキャラクターの持ち主なのか。今回メディア向け試乗会でステアリングを握ったのは、「GLB 250 4MATIC スポーツ」と「GLB 200 d」である。その記号が示すように、前者がガソリンエンジンのフルタイム4WD(四輪駆動)、後者がディーゼルエンジンのFWD(前輪駆動)となる。使用する燃料は異なるが、ともに2L直4ターボというユニットだ。

【メルセデス・ベンツ GLA、GLB】コンパクトSUVの新型を2モデル同時に発表!

無骨さを感じさせるボクシーなスタイリング

GLB 250 4MATIC スポーツ

GLB 250 4MATIC スポーツ

 見た目の印象はGL系列の血を濃く継ぐ。スタイリッシュなGLAよりは少し無骨なGLSに近い。要するにオーセンティックなSUVだ。そう感じるのはフロントピラーやリアピラーの角度で、そこを垂直方向に近づけることでワイルドさをアピールする。そしてそれはドライバーズシートに座っても同じ。高めの目線や立ち気味のフロントピラーが視覚に入ることで、SUV感を強くする。

ピラーを立たせたプロポーションが、7シーターのパッケージングとSUVらしいスタイルを両立させた

ピラーを立たせたプロポーションが、7シーターのパッケージングとSUVらしいスタイルを両立させた

  • GLB フロント

    GLB フロント

  • GLB リア

    GLB リア

4.7mに満たない全長に7人分のスペースを作り出した

GLB インパネ

GLB インパネ

 そんなデザインなので、キャビンはスクエアな空間となり3列シートを可能とした。4.7mに満たない全長でこのレイアウトはお見事である。もちろん、3列目までしっかり使おうとするとカーゴのスペースはかなり狭くなってしまう。7名乗車で人数分の荷物を積もうとなると正直厳しい。なので、その辺は割り切って、普段は2列シートで使うのが賢い使用法だろう。

  • GLB 1列目

    GLB 1列目

  • GLB 2列目

    GLB 2列目

  • GLB 3列目

    GLB 3列目

  • 3列目までシートを使用した状態のラゲッジ容量は130L

    3列目までシートを使用した状態のラゲッジ容量は130L

  • 3列目を格納するとラゲッジ容量は500Lとなる

    3列目を格納するとラゲッジ容量は500Lとなる

パワートレインによって乗った印象が大きく異なる

2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力224馬力、最大トルク35.7kgmを発揮

2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力224馬力、最大トルク35.7kgmを発揮

 では走らせた印象はどうか。

 はじめにキーを受け取った「GLB 250 4MATIC スポーツ」は、その名のとおりスポーティに仕上げられていた。ガソリンエンジンのレスポンスのよさもそうだし、少し硬めの乗り心地もそうだ。減衰力の高いスポーツサスペンションを取り付けることで、キャラをそちらに振っている。太いステアリンググリップも、そのテイストを助長していると言えそうだ。

 コーナリングの挙動もスポーティ。フロントのダンパーがしっかり踏ん張ってロールを抑えフラットなキャビンを保とうとする。この辺の動きはレンジローバーを筆頭とするヨーロピアン高級SUV的といえるかもしれない。

 これに対し、次に乗った「GLB 200 d」は、あらゆる面でしっとりしていて落ち着いた走りを見せる。ディーゼル特有の吹け上がりはマイルドだし、乗り心地もよりソフトな印象だ。スポーツサスペンションとは減衰力の異なるコンフォートサスペンションの恩恵だろう。「GLB 250 4MATIC スポーツ」が20インチのロープロファイルタイヤだったのに対して、こちらは18インチとの組み合わせというおまけも付く。

 というキャラクター分けを踏まえると、個人的にはディーゼルエンジンの「GLB 200 d」の方が気に入った。「GLB 250 4MATIC スポーツ」の少しヒョコヒョコした乗り味よりもしっくりくる。ドライブモードを“スポーツ”にした時の変化もそうで、ディーゼルの方が自然な吹け上がりを引っ張りながら遅めのシフトアップを繰り返す。なんとも言えず、それが気持ちいいのだ。

今後ラインアップが拡充されるという情報も

最近人気のアウトドアにまさにベストマッチな1台となっている

最近人気のアウトドアにまさにベストマッチな1台となっている

 というのが今回のファーストコンタクトだが、今後の展開で気になる情報を得た。それは「GLB 200 d」に4MATICが追加されることと、もしかしたら「GLB 180」なるものが導入されるかも、という話だ。個人的にはGLBの性格上、こうした少し大人しめのパワートレインがバランスいいように感じられた。クイックなレスポンスを楽しみたいならGLAがそれに十二分に応えてくれるだろう。

 そう考えると、GLBはもう少しオフロードに寄ったタイヤに履き替えたり、ルーフに万能なキャリアを装着する方が楽しめそうだ。見た目ワイルドに仕上げてグランピングに出かけるのが、正しい使い方なのかもしれない。

メルセデス・ベンツ GLB 250 4MATIC スポーツ(8速DCT)データ

■全長×全幅×全高:4650×1845×1700mm
■ホイールベース:2830mm
■トレッド前/後:1600/1610mm
■車両重量:1760kg
■エンジン:直4DOHCターボ
■総排気量:1991cc
■最高出力:350ps/1800-4000rpm
■最大トルク:35.7kgm/1800-4000rpm
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:235/45R20

メルセデス・ベンツ GLBのカタログ情報はこちら

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グーネットマガジン編集部

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