輸入車
更新日:2020.06.04 / 掲載日:2020.06.04
VOLVO 60 SERIES【グーワールド コラム/インプレッション】

新車価格帯:446万円~865万円(全グレード)※左からV60、S60、S60 T8 Polestar Engineered
文と写真●ユニット・コンパス、ボルボ
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年7月号の内容です)
問い合わせ●ボルボ・カスタマーセンター TEL:0120-922-662
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
ちゃんとニーズはあったのだ。現行ボルボのラインアップで唯一のセダンであるS60が日本のユーザーから支持を集めているという。しかもそれが、従来のボルボユーザーだけでなく、少なからぬ国産車からの乗り換えもあるというから興味深い。日本市場の「セダン離れ」はもはや常識のように語られていたのにもかかわらずである。
現行型S60が登場したのは2019年11月のこと。その記者発表会の場でボルボは、新型導入に際して幅広いセダンユーザーにインタビューを行い、「セダンユーザーが求める価値」を調査していたことを明らかにした。
それによると、「低くカッコいいスタイリング」、「使い勝手のよさ」、「SUVでは満たされない楽しさ」をユーザーは求めていることがわかったという。これまでボルボの60シリーズといえばSUVやワゴンが人気を集めていたが、この調査結果によってボルボは、セダンについても日本のユーザーを満足させられると確信を持ち、導入を決断した。
事実、日本の路上とS60のマッチングはいい。秘密は1850mmに抑えられた全幅で、これは先代モデルよりも15mmダイエットした数値となるが、日本側からの強い要望で実現したスペックなのだという。このわずかな差が効いていて、道幅が狭くとも気負わずにスイスイと走れるのがいい。
今回、箱根のつづら折りを3台の60シリーズで走ったが、こうしたシチュエーションはまさにS60にうってつけであった。T8 ポールスターエンジニアードは別格としても、S60 T5 インスクリプションのたくましい加速とガソリンエンジンならではのナチュラルなフィーリングには頬が緩む。
美しいプロポーションと低重心が生む安定感のある走り、まさにセダンの魅力を十二分に備えたS60。セダン派ユーザーならずともお試しあれ。

フロントアクスルがバルクヘッドから離れた、まるでFR車のようなパッケージング。美しいプロポーションの秘密だ。

シリーズとしての共通したデザインモチーフを採用しながら、よりドライバーズカーとしてのテイストを強めたコックピット。
S60 T8 Polestar Engineered


S60の象徴的なモデルがこの「T8 ポールスターエンジニアード」。PHEVでありながら、スポーツシャシーによるダイレクトな手ごたえが魅力の限定車。