輸入車
更新日:2020.04.01 / 掲載日:2020.04.01
月刊自家用輸入車案内 シトロエン・ベルランゴ他
CITROEN BERLINGO Debut Edition シトロエン ベルランゴ デビューエディション [ニューモデル]

●発売日:19年10月19日(WEB予約) ●価格:325万円 ●輸入元:グループPSAジャパン ●問い合わせ先:0120-55-4106
「道具っぽさ」と考えれば味のある乗り味今回はJAIA=日本自動車輸入組合による輸入試乗会でのインプレをお伝え。まずはシトロエンのニューモデル、ベルランゴからだ。主要諸元(デビューエディション)●全長×全幅×全高:4403×1848×1844mm●ホイールベース:2785mm●車両重量:1590kg●駆動方式:FF●パワートレーン:1498cc 直4DOHCディーゼルターボ(130PS/30.6kg・m)●トランスミッション:8速AT●燃費:ー ●最小回転半径(m):5.5●タイヤサイズ:205/60R16
「使い倒すぞ!」「遊ぶぞ!」 という向きにはオススメ
加飾の有無で中身はプロ用と同じという、ハイエンドアマ向けの工具にも似た臭いを感じた。
リヤスライドドアを採用しているが手動。パワースライドの設定はない。この時点で一般ユーザーにはアウトだと思うが、それを乗り越えて利便性や多様性を優先するユーザーが狙い。高い室内高と明かり取りを思わせる天井の設え。水平方向だけでなく上方にも開けた見晴らし。リヤゲートはガラスハッチを備えたダブルハッチ仕様。機能的にレイアウトされたコックピット。質感は商用車的だが、ぎすぎすしていないのはデザインの妙味。後席は3脚独立で、それぞれ格納できる。長尺物を乗せて4名乗車のアレンジも利く。この雰囲気が「使い倒すぞ!」という気分を盛り上げてくれる。
パワートレーンは1.5Lディーゼルに、キャラを考えるとかなり贅沢な8速ATの組み合わせ。足回りはFF車では標準的なストラット/トーションビーム。制振遮音は乗用車として評価すれば厳しいものの、この「生」っぽさが道具としての一途さと考えれば、それもまた気分を盛り上げる。
100km/h巡航回転数は約2000回転。余裕のトルクの割に引っ張り気味に加速するが、無駄回しの感はない。初期ロールはぐらりと入るが、ロールが深くなるほどに抑えが利いていく。程よい鷹揚さもあり、馴染みのいい運転感覚。しかもACCやLKAも装備されているのだ。
色々遊びたいからクルマが欲しいと考えたら、是非とも候補の一車に加えるべきモデルである。

カジュアルさがありながら、シトロエンらしい独創性のあるデザイン。タフさを演出するエアバンプもサイドに装備。なおプジョーの兄弟車の名はリフターだ。
質感よりも道具感が魅力的なインテリア。国産車にはあまりない細部のデザインなども魅力で、そういう意味でもカングーのライバルと言えるだろう。
前2名、後3名の5名乗車。後席は3座独立タイプなのでアレンジも多彩。シートはクッション材をふんだんに使った柔らかなタイプ。
1.5Lのクリーンディーゼル、BlueHDiを搭載。荷物満載でも重さを感じさせないトルクフルな走り。トランスミッションは8速AT。
ブラックのバンパーや16インチのアルミホイールで、アクティブな印象を強めている。
AUDI Q8 55 TFSI quattro debut package S line アウディ Q8 55 TFSI クワトロ デビューパッケージ Sライン

[ニューモデル] ●発売日:19年9月3日 ●価格:1010万~1122万円(Q8) ●輸入元:アウディ・ジャパン ●問い合わせ先:0120-598106
不必要なスポーティさはなく 頂点らしい重質な味わい
最新アウディ流のデザインで洗練された印象。3.0LV6のマイルドハイブリッド。
不必要なスポーティさはなく 頂点らしい重質な味わい
スポーティ志向が強いイメージのあるアウディだが、Q8デビューパッケージの乗り味にも操り心地にもあざといスポーツ性の演出はない。圧倒的なパワーを受け止めるシャシー性能だが、乗り心地は意外なほど洗練され、頂点クラスの車格を実感できる重質な味わいも備えている。攻撃的な走りではなく、寛ぎを下支えする高性能といった印象がある。SUV特有の高いアイポイントの見晴らしを加えた、新たなるプレミアムカーとも言えよう。
CADILLAC CT6 Platinum キャデラック CT6 プラチナム

[マイナーチェンジ] ●発売日:19年6月15日 ●価格:1045万円 ●輸入元:ゼネラルモーターズ・ジャパン ●問い合わせ先:0120-711-276
正統派の高級セダン、といったまとまりで 心地のよい運転感覚だ
ビッグマイナーを実施した2019年モデル。3.6LのV6+10ATの組み合わせ。
正統派の高級セダン、といったまとまりで 心地のよい運転感覚だ
ドライバーズカーとしての信頼感と後席をもてなすサルーンの両面を高水準でまとめたモデル。3.6LのV6は高回転までムラのないトルクを発生し、回転を抑えた力感もキレのいい伸びやかな加速を状況に最適に使い分ける。2tに近い車重をいい意味で感じさせてくれるハンドリング。クルマに身を任せるような気負いのない運転感覚が心地よい。流行りに乗った印象がなく、正統派の高級セダンと言いたくなるまとまりに惹かれる。
DS DS3 CROSSBACK Grand Chic DS DS3 クロスバック グランシック

[ニューモデル] ●発売日:19年6月26日 ●価格:304万5000~411万5000円 (DS3 クロスバック) ●輸入元:グループPSAジャパン ●問い合わせ先:0120-55-4106
上質さも備えたコンパクトクロスオーバー タウン&ツーリングを楽しめる走り
内外装とも独特のデザインで好みは分かれそう。1.2Lエンジンは130PSを発生。
上質さも備えたコンパクトクロスオーバー タウン&ツーリングを楽しめる走り
DS3をSUVに仕立てたモデル、といっても現在の日本向けDSラインナップはクロスバック系のみ。駆動方式はFFだが、最低地上高は185mmであり、ドレッシィな内外装ながらさほど荒れていないラフロードなら十分対応できる。ダウンサイジングターボらしく低回転から扱いやすく、小気味よさも備えた1.2L3気筒と8速AT。不要な揺れを抑えたしなやかなフットワーク。タウン&ツーリングを心地よく楽しめる走りも見所である。
MINI MINI CLUBMAN CooperS ALL4 MINI ミニ クラブマン クーパーS オール4

[マイナーチェンジ]●発売日:19年10月2日 ●価格:330万~568万円(ミニ クラブマン) ●輸入元:ビー・エム・ダブリュー ●問い合わせ先:0120-3298-14
MINIらしいゴーカート感を楽しめつつ 実用的な後席を備える
内外装の変更がメインだが、各モデルのエンジン、トランスミッションも一新。
MINIらしいゴーカート感を楽しめつつ 実用的な後席を備える
ミニをロングキャビン化して5ドア仕様に仕立てたのがクラブマン。ゆったりとは言えないまでも実用的な後席は適応用途を一気に拡大する。クーパーSは2.0Lターボを搭載する高性能モデルで、試乗車はその4WD仕様。スペックをみると「ヤンチャ」なタイプに思えるが、軽快感を残しながらも粗野な反応を抑えた乗り味。売り物のゴーカート感覚も楽しめるし同乗者にも嫌われない、というバランス感覚も守備範囲拡大に一役買っている。