輸入車
更新日:2020.03.04 / 掲載日:2020.03.04
ボルボ雪上試乗【グーワールド コラム/インプレッション】

文と写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年4月号の内容です)
問い合わせ●ボルボ・カスタマーセンター TEL:0120-922-662 URL:https://www.volvocars.com/jp/
こういう使い方をさせたら輸入車のなかでもボルボはピカイチだ。
ときおり粉雪が舞い散る新千歳空港からV60 クロスカントリーを借り出してまだほんのわずかにも関わらず、早くもこのクルマに好印象を抱いていることに気がついた。理由はたくさんある。最低地上高の高さからくる視界のよさ、乗り味のやさしさ、機材を含めたふたり分の荷物を楽々と飲み込むラゲッジの広さ、手触りのいいシート、いい意味で存在を主張しないパワートレーンなどなど。シーズン初のウインタードライブにも関わらず、地元ドライバーと遜色ないペースで移動することができるのだ。
ボルボにとってクロスカントリーは、1997年のV70 XC以来から継続してきた大切なシリーズで、それがいよいよ量販モデルであるV60にも設定されたことになる。
ベースとなったV60は、スマートなルックスに見合うスポーティなハンドリングが特徴だったが、それに対してV60 クロスカントリーは、最低地上高を65mmもアップしていることから若干穏やかな仕立てを想像していた。概ねそのとおりだったのだが、ドライ路面では想像以上にしっかりとした走りを披露。路面や天候を選ばないまさに万能選手であることを改めて確認することとなった。
クローズドコースで驚いたのが、想像以上にドライバーにコントロールを委ねてくれる自由度の高さだ。クルマが状況を判断し、安全な範囲であればテールスライドすら許してくれる。でも、やりすぎてスピン状態になるとベルトをギューっと締め付け乗員をシートにくくりつける。強さは状況に応じて3段階。
このクルマは、セーフティとファントゥドライブのクロスーバーでもあるわけだ。

V60に対して最低地上高が65mm高い210mmであることが、雪国でのあらゆる扱いやすさにつながる。嬉しいのがステアリングヒーターの存在で、これのおかげでエアコンの風量が控えめにできた。
ESCをスポーツモードにセットすることで、ある程度の横滑りをクルマが許してくれるため、テールスライド状態にも持ち込める。最終的にはスピン防止機能が働く味付け。
オフロードモードでは下り坂でヒルディセントコントロールが作動。車速を時速10km/h程度にキープしてくれる。
パーキングブレーキのスイッチを引き続けることで緊急ブレーキになる機能(90シリーズ、60シリーズ、XC40)も体験。
最低地上高210mmのメリットを感じられたのがモーグル走行。路面の凹凸にタイヤを取られても、腹下が路面にぶつからない。