輸入車
更新日:2020.03.04 / 掲載日:2020.03.04
ベントレー ベンテイガ【グーワールド コラム/インプレッション】

文●九島辰也 写真●ベントレー
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年4月号の内容です)
問い合わせ●ベントレーコール TEL:0120-97-7797 URL:https://www.bentleymotors.jp
ベントレーが絶好調である。2019年の日本の販売台数は526台。これは2006年に記録した過去最高台数を上まわる数となった。
そんなベントレー成功の立役者がベンテイガ。彼ら初のSUVは世界的なSUVブームに乗って台数を稼いでいる。今回ステアリングを握ったベンテイガスピードはその特別モデルで、日本限定20台という代物だ。これがかなり“攻め”にできている。6LW12ツインターボから発せられる最高出力はなんと635馬力。スタンダードの12気筒でも608馬力あるのに、それを上まわる。結果、0-100km/h加速はスタンダードの4.1秒に対しベンテイガスピードは3.9秒を叩き出す。
ただ、今回試乗した都内の幹線道路と首都高速では実力の半分も味わうのは難しい。かつてスタンダードモデルをサーキットでテストドライブしたことがあるが、そういう環境でもないかぎり600馬力オーバーのおいしさは味わえない。
とはいえ、実際にベンテイガスピードを走らせるとクルマの味付けはわかる。ステアリング操作に対するクイックな反応や、ロールを抑えながらの俊敏なコーナリングは、“スピード”の名に恥じない立ち振る舞いだ。ちなみに、“スピード”は戦前モデルのスピードシックスに由来する。伝統ある名前のオマージュというわけだ。
さらにいえば、その魅力は走りだけじゃない。エクステリアもやる気満々に化粧される。ルーフエンドのスポイラーなどはまさにそれだ。この辺のテイストもベントレーは心得ている。とにかくクルマ好きを納得させる仕上がりの1台である。

Profile
モータージャーナリスト
九島辰也
ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、アメリカ、ドイツ、イギリスと、各国のクルマを乗り継ぐ。

ルーフエンドスポイラー、前後バンパー、さらには22インチの専用ホイールなどが目立つスピード。これらの装備品とエンジンのパワーアップで特別感を醸し出す。

“SPEED”のロゴを散りばめた室内。専用色のスポーツシートもかなり目立つ。ステアリングホイールにアルカンターラを採用するのもトピックス。ボンネット下にはW型エンジンが鎮座する。