輸入車
更新日:2019.10.04 / 掲載日:2019.10.04
BMW 3シリーズ ツーリング【グーワールド コラム/インプレッション】

文●石井昌道 写真●BMW
問い合わせ●BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437 URL:https://www.bmw.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年11月号の内容です)
今年3月に発売された3シリーズ・セダンはこれまで以上に駆け抜ける歓びを追求していたが、それゆえにツーリングには期待を持っていた。ワゴンボディは特性としてセダンに比べて運動性能ではやや不利になる傾向にはあるが、基本レベルが高ければ気にならない程度のはずだからだ。そんな思いとともにドイツで試乗した330d Mスポーツ ツーリングは期待以上の出来映えだった。
ハンドリングはあいかわらず正確性が高くて気持ちいい。メカニカルだがストローク依存型の可変ダンパーは、ステアリングを切り始めたときは早めにロールし、然るべきところでダンピングが強くなっていく。フロントのアウト側のタイヤにスッと荷重をのせられるわかりやすい動きで一体感がある。セダンに比べると少しだけ穏やかかもしれないが、言われなければ気付かないぐらいだろう。今回の試乗車は18インチのメカニカルダンパーだったが、ハンドリングに加えて乗り心地も望外にいいことには驚いた。ツーリング化で車両重量が増しているのもいい影響をもたらしているようだ。
3L直6ディーゼルは図太いトルクと軽快な吹き上がりが魅力。X3 M40dのユニットほど強力ではないが、乗れば虜になるのは間違いない。ただいまのところ日本仕様への採用の予定はないというのが残念だ。
セダンでは存在を薄くされたサイドのキャラクターラインが、ツーリングの後部ではエッジを効かせてきた。これが効果を発揮して、先代よりもボディサイズを拡大したわりには3シリーズらしい軽快感が出ている。
もしかしたら駆け抜ける歓びと快適性のバランスはセダン以上。基本性能の高さによってツーリングには独自の魅力が備わることになったのだ。
Profile
モータージャーナリスト
石井昌道
レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。


インテリアや装備は基本的にセダンに準ずる。最新のBMWオペレーションシステム7.0が導入され、AIを活用した音声会話のシステムも採用している。

ガラスハッチは継承され、電動テールゲートは標準装備となった。通常時の荷室容量は先代比で5Lの上乗せに過ぎないが、使い勝手の工夫が凝らされている。