輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.06.26

フェラーリの最新V8モデル「F8 トリブート」が日本上陸

文と写真●大音 安弘

 イタリアの名門スポーツカーメーカーであるフェラーリは、最新のV8ミッドシップモデル「F8 Tributo(F8トリブート)」のジャパン・プレミアを実施した。最大の特徴は、フェラーリ史上最もパワフルなV8エンジンを搭載していることだ。価格は、3245万円となる。フェラーリが史上最速かつスリリングでありながら、意のままに操れるスーパーカーと称する最新モデルの詳細をお届けしたい。

エクステリアの見どころは?

 2019年3月のフランス・ジュネーブモーターショーで発表された「F8 Tributo」が日本初公開された。このモデルは、フェラーリ488GTBの後継車に当たり、全面的なブラッシュアップを図ったもの。このためスタイリングは、488GTBのイメージを受け継ぐものの、よりアグレッシブとなっただけでなく、パフォーマンスとエアロダイナミクスの巧みにバランスさせることを実現。さらに488シリーズ最強モデルである「488Pista」から多くのフォードバックを受け、それをブラッシュアップすることで更なる高みへと到達している。

 ボディサイズは、全長4611mm×全幅1979mm×全高1206mm。488GTBと比べるとわずかにサイズアップしたものの、車両重量においては、1330kgと488GTB比で-40kgのダイエットに成功している。エアロダイナミクスは、488Pista同様にサーキットからフィードバックを受けたものが多い。フロントノーズ部の特徴的なエアダクト「D-Cast」も488Pistaから受け継がれたものだが、再設計することで、ダウンフォース向上を図った。ヘッドライトは、新型LEDタイプとなったが、これはスタイリング的な役割のみならず、ブレーキ冷却用インテークの改良に貢献。更なる高速化に対応しながらも、ブレーキシステムのサイズアップを避けることを可能としている。また内部のエンジン冷却システムのレイアウトでも488Pistaからの多くの機能を受け継いだ。

 リヤスタイルでは、新しいデザインのレキサン製リヤウィンドウを採用し、外からも美しいエンジンを眺めることが出来るようになっている。このスタイルは、フェラーリ伝説のひとつであるF40の特徴的なリヤウインドウデザインをアレンジしたもの。備わるルーバーは、エンジンルーム内の熱を排出するだけでなく、リヤのダウンフォース増加させる役目も担う。4灯式に改められたLEDテールランプとボディ同色のテールパネルは、308GTBをはじめとする初期のV8ベルリネッタへのオマージュでもある。

さらに強化された3.9LV8ツインターボ

 ミッドシップにレイアウトされるフェラーリ史上最強スペックを誇るV8エンジンは、185PS/Lというモンスターだ。この3.9L V8ツインターボエンジンは、2016年より3年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」の「最優秀エンジン」に輝いただけでなく、2018年には、過去20年にわたる歴代最優秀の中で最も優秀なエンジンに送られる特別賞「ベスト・オブ・ベスト」にも輝いた逸品だ。最高出力720PS/8000rpm、最大トルク78.5kgm/3250rpmを発揮。その実力は、0-100km/h加速2.9秒。0-200km/hも、わずか7.8秒で到達。最高速度は340km/hとされる。これほどの瞬発力を可能とするのは、自然吸気エンジンのような優れたレスポンスを持つエンジンと最新の車両統合制御システムの融合により実現されたもので、ターボラグとも無縁という。さらにアップデートされた制御システムは、操作性も大幅に向上されており、「RACE」モードで、最新のフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE+)※1の作動を行うという初の試みを実施。これまでよりも多くのドライバーは、限界領域でのパフォーマンスを簡単に引き出し、コントロールできるようになっている。

※1 キャリパーのブレーキ圧をコントロールするシステム。

リニューアルされたインテリア

 インテリアでは、ダッシュボード、ドアパネル、センターコンソールを新デザインとし、イメージを刷新。ステアリングホイールはデザインだけでなく、小径化することで、グリップ感覚が強化。その結果、細やかなステアリング操作を実現するだけでなく、より繊細な車両からのフィードバックも感じられるようにした。インターフェイスは、新世代へと進化。7インチのパッセンジャー・タッチスクリーンディスプレイを備えるなど、機能性と快適性の両面が高められている。

会場には往年の名車たちも!

 この日、会場となった東京都現代美術館には、新型車だけでなく、同社のV8ミッドシップ2シータースポーツの原点となった「フェラーリ 308GTB」に加え、V8ツインターボエンジンを搭載し、世界中のクルマ好きを虜にしたモンスターマシン「フェラーリ F40」を展示。あのF40さえ、478PSであったことを考えると、優れた運動性能だけでなく、高級車らしい快適性まで備えたF8 Tributoこそ、真のモンスターといえるかもしれない。


 

フェラーリ F8 トリブート(7速AT・F1)

全長×全幅×全高 4611×1979×1206mm
エンジン V8DOHCツインターボ
総排気量 3902cc
最高出力 720PS/8000rpm
最大トルク 78.5kgm/3250rpm
サスペンション前後 ダブルウィッシュボーン



 

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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