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更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.11.02
4輪操舵システムが生み出す新感覚のコーナリング【グーワールド コラム】

文と写真●グーワールド
問い合わせ●ルノーコール TEL:0120-676-365 URL:http://www.renault.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2018年12月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
新鮮な感覚だった。このほどリリースされた新型「メガーヌ R.S. 」の走りは、高まる期待を大きく上まわるものだった。
「FF最速モデル」の称号を競い、ニュルブルクリンクで数々の記録を樹立してきたメガーヌ R.S.は、シンプルながらスポーツモデルとしての「さじ加減」が絶妙で、クルマ玄人を唸らせる1台と高く評価されてきた。そんな職人芸的なホットハッチは、新型でじつに大胆な変身を遂げてきた。
プラットフォームを刷新して、これまでの3ドアから5ドアに変更したのをはじめ、エンジンも新開発。さらに4輪操舵システム「4コントロール」やセカンダリーダンパーを内蔵した「4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール(4HCC)」など、新技術が満載となっている。
しかし、特筆すべきは実際の走行。高いボディ剛性感と力強さを増したパワーユニットは「正常進化」の領域だが、そのコーナリングには驚かされる。時速およそ60km以上の高速走行で、4輪すべてが同じ方向を向いて安定したコーナリングを行う「4コントロール」の効果は絶大で、想像以上に「曲がる!」感覚は衝撃的だ。しかも高いグリップによって踏ん張るのではなく、あくまでその挙動はナチュラル。それに加え、荷重が常時タイヤ接地面の中心にかかるように制御する新開発のフロントサスペンション(DASS)や電子制御デフなど、怒涛のハイテク攻勢で走りのレベルを引き上げているのだ。ドライバーは、自然と高まるコーナリングスピードに注意する必要があるだろう。
ところで4コントロールは、低速時では後輪を前輪と「逆」の方向に向けて小回りに威力を発揮する。そんな実用性も心憎い。
ルノー メガーヌ R.S.:新車価格●440万円

1.8Lにダウンサイジングされた直4ターボは、最高出力279馬力、最大トルク39.8kgmとより強力になった。本国にはMTもあるが、現在日本ではデュアルクラッチ式ATのみ。

機能性重視のコックピット。走行モードは、「コンフォート」から「レース」までの4段階で切り替えが可能。自動で適切なギヤまで多段シフトダウンを行う機能も備える。

数少ない3ドアハッチバックだったが、5ドアとなってもボディ剛性は十二分。後席のアクセスのよさが新たなファンを獲得しそうだ。