輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.10.02
マセラティのSUVはスマートに着こなしたい【グーワールド コラム】

文●九島辰也 写真●マセラティ
問い合わせ●マセラティ コールセンター TEL:0120-965-120 URL:https://www.maserati.com/maserati/jp/ja
(掲載されている内容はグーワールド本誌2018年11月号の内容です)
SUVのなかでも際立つカッコよさを持つレヴァンテ。スポーツカーメーカーとして一世紀駆け抜けてきたメーカーだけに、スタイリングに妥協は見られない。どこから見てもスポーティでエレガントだし、マセラティ然としているところは、じつにお見事! そして、今回はそのレヴァンテの2019年モデルに試乗する機会を得た。場所は英国の南部で、モーターウェイ、街中、ワインディングと約200kmを存分に走れたので報告したい。
インプレッションの前に変更点を簡潔にいうと、まずはグリルとフロントバンパーの形状が異なる。一見して迫力が増し“攻め顔”化している。じつはその背景にV8モデルの追加がある。要するに今秋登場する590馬力のトロフェオ、550馬力のGTSと同じ顔になったわけだ。また、これを機にシフトノブのデザインと操作方式が変わった。横に倒してマニュアル操作する手法を取り入れている。
V6モデルはド迫力の430馬力。もちろんV8の走りに心躍るが、このターボユニットの心臓はハンパない。出だしからドーンと加速し、スピードメーターを振り切らんばかりにモーターウェイを駆る。自制心が必要だ。
それでいて軽快なハンドリングはまさにお家芸。堅牢なボディがステアリングを切る方向にスイスイ向きを変える。ステアリングホイールの径とグリップの太さもいい。ドライブフィールを感じたい人の心境をよく理解している。握っているだけで楽しいのだ。
そして、得意の“スポーツモード”では色濃いキャラクターを存分に発揮。言わずもがなの官能的エキゾーストサウンドに心を鷲掴みされる。運転を続けていると背の高いSUVであることを忘れてしまうほどだ。
V8の追加が、V6モデルにいい影響を与えたといえるかもしれない。それが試乗後の感想だ。ボディ剛性感も若干上がり、全体的に熟成されていたのが印象的だ。レヴァンテは違いのわかる大人にお薦めの一台だ。



2019年モデルはトリムも若干変わる。オプションが増えたのも見逃せない。イタリア車ならではのアレンジを堪能したい。シフトノブ周辺も変更した。

試乗したのは430馬力のV6ツインターボ。日本仕様はこのほかに350馬力のガソリン、3LV6ディーゼルターボが用意される。また、2019年モデルは今秋登場の予定だ。

試乗会後のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードではV8エンジン搭載のレヴァンテGTSが発表、お披露目された。550馬力の走りは楽しみだ。
Profile
自動車ジャーナリスト
九島辰也
長年にわたり男性ファッション誌や一般誌で活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも、世界各国のクルマを乗り継ぐ。