輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2018.09.09
X3の着せ替え版ではなく、X4は洗練度と刺激度を向上【グーワールド コラム】

文●萩原秀輝 写真●BMW
問い合わせ:BMW カスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437 URL:http://www.bmw.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2018年10月号の内容です)
現行型X4は、日本市場であまり目立つ存在ではなかった。でも、世界では20万台を販売した実績があるモデル。その第2弾となる次期型に、アメリカのサウスカロライナ州で試乗した。ここには、BMWのXモデルを生産するスパータンバーグ工場がある。いわば、生まれ故郷なのだ。
まずは、2Lの直列4気筒直噴ターボエンジンを積むxDrive 30iを走らせる。X4はBMW創設のSUVとクーペの価値を融合させたSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)として位置づけられ、スマートなスタイリングから想像できるとおりのスポーティさを楽しめることが特長だ。
ところが、今回の試乗では走りの上質感が印象的だった。7シリーズや5シリーズの開発で得た技術が導入されたボディを備えるだけに、コンクリート路面が多いハイウェイでもロードノイズの遮断性については現行型と比べ数段階レベルアップ。サスペンションにはダンパーの減衰力を可変制御する機能が組み合わされていたので、走行モードがコンフォートならSACというよりミドルクラスのサルーンカーを超える快適な乗り心地が確かめられた。
もちろん、郊外のワインディングロードでは252馬力を発揮するパワフルなエンジンの実力を引き出しつつコーナーを駆けぬけても、ボディはムダな動きをせず4輪がシッカリと路面をつかみ続ける。先行して投入されたX3に対して、ボディの開口部を強化して剛性を上げ、リヤのトレッドを30mm拡大した効果ともいえる。
また、工場隣接のBMWパフォーマンス・センターではサーキット走行を実施。試乗したM40dは日本市場に導入予定はないものの、同じシャシー設定となるM40iは上陸しそう。コーナーを本気で攻めても限界の奥行きが深いだけに安心感が高く、M4あたりと変わらないドリフトさえ可能だった。洗練度と刺激度を同時に向上させた次期型X4、日本市場への導入は間近だ。
インテリアのデザインはX3と同じ。仕上げの質感は5シリーズに迫る。モニターは10.25インチとワイド。また、走行モードはカスタマイズ可能だ。3Lの直6ディーゼルターボは迫力あるサウンドを楽しませてくれたが、日本市場には導入されず。まずは30iのベースになるエンジンを積む20iから上陸か。やや遅れ360馬力を発揮するM40iが追加されそう。
X4 M40d

スマートなクーペスタイルがX4の特長だが現行型よりもルーフが下降する領域を後方寄りにして後席の頭上スペースを拡大。課題だった大柄な男性にとっての窮屈感は解消された。
Profile
自動車ジャーナリスト
萩原秀輝
長年にわたる豊富な経験に基づいた、ハイレベルなスポーツドライビング技術と冷静な分析によるインプレッションに定評のある自動車ジャーナリスト。