輸入車
更新日:2026.03.24 / 掲載日:2026.03.24
全方位で進化したトナーレ【アルファ ロメオ】【九島辰也】

文●九島辰也 写真●アルファ ロメロ
アルファ ロメオのSUVファミリーの中のひとつ、トナーレがマイナーチェンジしました。ステルビオの弟で、ジュニアの兄にあたります。アルファ ロメオSUV3兄弟の真ん中ですね。日本での登場は2023年でしたから、ちょうどいいタイミングかもしれません。
それにしてもアルファロメオにSUVがこれほど揃うとは、20世紀に誰が予想したでしょう。個人的に2シーターのスパイダーを所有していますが、それとは真逆のような気がします。まぁ、SUVはトレンドですしマーケットニーズがありますからね。でもまたいつかアルファ ロメオにスパイダーが復活することを願います。

閑話休題。トナーレのプラットフォームはグループ内のフィアット500Xとジープレネゲード、同コンパスと共有します。言うなれば旧FCAです。弟のジュニアは違います。こちらはもうひと回り小さくなります。よって、先だって発表されたジープアベンジャーやシトロエンC3&C4、プジョー208&2008あたりとのシェア。旧FCAと旧PSAが合併した後のプラットフォームです。なので、一世代とは言いませんが、半世代くらい違います。
ただ、トナーレのプラットフォームもしっかり電動化に対応していて、プラグインハイブリッドやマイルドハイブリッド車をラインアップしてきました。それに年々改善されていることを鑑みれば、より乗りやすくなっていることでしょう。大掛かりに手を入れなくとも、ボディの補強などは年次改良されます。
なので、新型トナーレは進化しています。具体的には、安定性の向上を目的にしたボディ設計とエンジン制御の見直しが行われました。インターフェイスにも手が加えられています。例えばステアリングヒーターとシートヒーターを即座に起動できるショートカットボタンの追加。これ、あると便利なんですよね。デジタル化が進むと、なんでもモニターの階層の中に入れがちですから困ります。シートヒーターもそうですが、音楽のボリュームは物理スイッチを残して欲しい。何も考えずにツマミを回したい気がします。
そういえば、どのメーカーか忘れましたが、ドアミラー調整をモニターの階層内に入れていました。これは困った。走りながら調整するのに手間取ってしまって。デザイナーは運転席周りをスッキリさせたいんですが、機能的でなくなってはユーザーフレンドリーではありません。

パワートレインは、1.5リッター直4直噴ガソリンターボと48Vの電動モーターとなります。システム最高出力は175ps。このクラスでは申し分ありません。加速は早くなっているし、EV走行もできます。これはマイルドハイブリッドですが、アルファ ロメオはそれをハイブリッドと言います。で、さらにそれをイタリア語で明記、呼称としました。“Ibrida”がそれです。これはイタリア語の“ハイブリッド”のことで、カタカナ表記は“イブリダ”となります。イタリア語風に発音すると、“イーブリッダ”ですがね。
それにしても、イタリア人はイタリア語での表記にこだわります。“スペシャル”が“スペチアーレ”だったり、“トリビュート”が“トリブート”だったり。で、これらは初め違和感があるのですが、だんだん馴染んで来るから不思議です。すべてが英語である必要はないので、それでいいと思います。

といった新型トナーレですが、特徴はやはりデザイン。特にフロントマスクがそれで、“スクデット”と呼ばれる盾型グリルはクラシックな造形になります。これは2023年に世界限定33台で発売された33(トレンタトレ)ストラダーレに通じます。初めて採用したデザインもあります。それは“スクデット”の横に配した4つの穴。“アゾレ”と呼ばれるものでエアインテークの働きをします。きっとこの辺は新世代アルファ ロメオに採用されることでしょう。フロントバンパーも大きく意匠変更しました。より空気を多く取り入れられるように大型になっています。「エンジン車」って感じですね。多くのBEVがそうであるように、内燃機関を積まなければグリルは必要ありません。
というのが新型トナーレの概要です。発表会当日夜のパーティにはジュリアやジュニアも飾ってありました。アルファ ロメオは存在感があります。そして赤くライトアップされた会場内はとても妖艶な雰囲気。アルファ ロメオはSUVを並べても艶っぽいブランドであることは間違いありません。