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更新日:2025.12.08 / 掲載日:2025.12.08
BMWを救った「ノイエ・クラッセ」 その名が次世代EVに受け継がれた理由

新型EVに受け継がれた歴史あるネーミング【BMWを救ったNEUE KLASSE】
文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、BMW
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年1月号「ドライバーを虜にするBMWの過去・現在・未来【いつまでもBMWに夢中!】」記事の内容です)
1960年代にBMWが発売した中型セダンのシリーズは、新しいクラスを作り出したという意味から「ノイエ・クラッセ」と呼ばれた。
クルマへの憧れと願いを形にした名車シリーズ

BMWの歴史にとって、最初の1台と同じかそれ以上に大切にされているモデルがある。それが「ノイエ・クラッセ」と呼ばれた1963年登場の中型セダンであった。
当時のBMWは、小型車のイセッタと大型セダンの600、700という極端なラインアップを構成。大戦の傷跡が癒えつつあったドイツ国民のニーズに対して不十分だった。そんななかで1961年のフランクフルトモーターショーに展示された1500モデルの存在は、来場した人々の気持ちを熱くさせた。

1500が備えるドライバーズカーとしてちょうどいいサイズ、美しく走行性能の高さを予想させるデザインが、BMWとドイツの自動車産業が新しい時代に突入したことを予感させたのだ。1500はBMWの想像を超える注文を集め、人々はさらなる高性能を求めた。

その声に応える形で1800が発売されたときに、BMWはプロモーションに新しいクラスを意味する「ノイエ・クラッセ」という言葉を使うようになった。ノイエ・クラッセの大ヒットはBMWの経営を助け、その後続くモデルの指標となった。ユーザーの声なき声を形にした名車。その名前に込められた想いは強い。