輸入車
更新日:2025.10.27 / 掲載日:2025.10.27
最強の猛牛、あらわる! フェノメノ日本初公開【ランボルギーニデイジャパン2025】

文と写真●内田俊一
アウトモビリ・ランボルギーニは10月24日、東京江東区有明にある有明アーバンスポーツパークにおいてランボルギーニデイインジャパン2025を開催した。
日本におけるランボルギーニデイは9回目となり、今回も本国から同社会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏など幹部が来日し、フューモデルのフェノメノと今回のイベントのためにアドペルソナムプログラム仕様のレヴエルトがアジアプレミアした。
フェノメノはランボルギーニ史上もっともパワフル

ランボルギーニチェントロスティーレの20周年を記念し、29台限定のフェノメノは、同社史上最もパワフルな6.5リッターV12エンジン(835CV)に3基のモーター(245CV)を組み合わせ、システム最高出力は1080CVを発揮するスーパースポーツカーだ。最高速度は350km/h以上、0-100km/h加速は2.4秒、0-200km/h加速は6.7秒を誇る。
ベースモデルのレヴエルトに対しエンジンで10CVアップ。3基あるモーターは合計で55CV向上。アウトモビリ・ランボルギーニCTOのルーベン・モール氏は、「新開発のバッテリーによりパワーアップさせ、またV12エンジンもファインチューニングしたことによって馬力がさらにアップしています」と説明。そして今後は、「バッテリーを使ってさらにパワーアップしていきながら、内燃機関によってクルマのキャラクターを際立たせていくでしょう」と述べる。
しかし、「パワーも大事ですが、エモーショナルも大事です」とモール氏。パフォーマンスは、客観的なものであり数字で設定できることから、「パフォーマンスはベストインクラスを目指します」。同時に、「エモーショナルの部分もベストインクラス、もっともエモーショナルなクルマをつくりたい。これを同時に実現したいんです」という。



その実現方法は、様々なアクティブなシステム、「例えばトルクベクタリングや、エアロダイナミクス、そしてアクティブサスペンションなどです」。そこに加えて、「電子制御の部分でアルゴリズムを使いクルマの挙動を決め、ここでランボルギーニらしさを作っていきます」という。そこでは、「どんな反応をするクルマにしたいのか。それがランボルギーニらしさにつながると思うんです。これはいまの内燃機関のみならず、将来フル電動化されたとしても、そこは変わらずやっていきます。なぜならこれは私たちのDNAですし、すべてのランボルギーニのモデルが有してなければいけないと思っているので、大切に開発していきます」と述べた。
また、今後のパワートレインは、レヴエルトやこのフェノメノなどのように前輪に2つ、後輪に1つのモーターにプラスして内燃機関を組み合わせるような方式は継続していくのだろうか。モール氏は、「私たちも含めてアーキテクチャーは似通ってきているのかもしれません。ただ私たちランボルギーニは特別なんです」という。
例えば、「V12の自然吸気のエンジンや、V8で1万以上の回転を誇るエンジンもあります。ここにランボルギーニらしさはあると思いますし、差別化は十分にできているでしょう。このトレンドがスーパースポーツカーの世界では10年から15年は続くと思っています」とのこと。
そして「デイリーユースのクルマはフル電動化がいいかもしれません。しかし我々のクルマは単に頭で買うのではなく、ハートで買うものですから、フルEVではお客様の気持ちが動かないかもしれないので、このトレンドが続くでしょう」と考察した。

一方でフルEVの開発は順調だというが、「ウルスの後継車をフルEVにする予定でしたが、おそらくPHEVになる公算が高いでしょう。ほかのモデルもフルEVにするかはまだ決めていません。ある特定のマーケットでは電動化が止まってしまったようなところもあるのでより状況を見ていく必要があります。大きなブランドであれば、地域別に専用車を作ることも出来ますが、我々は小さな会社なので全てのマーケットに投入できるモデルを作らなければいけないんです。それも考慮しながら現在協議を重ねていす」とコメントした。
日本のためにつくられた特別なレヴエルト

さてもう一台は前述の通りこの日のために特別に作られたもので、既にオーナーは決まっているアドペルソナムプログラム仕様のレヴエルトだ。
「ランボルギーニにとって、日本はもっとも重要な市場のひとつです。ですから今日、日本に私たちが参りました」とヴィンケルマン氏。ランボルギーニは現在56各国185店舗を展開。その中で日本は、「アジア太平洋地域においてもっとも大きな市場で、アメリカ、ドイツに続く第3位の市場です」と位置付けていることもあり、今回はそのアピールも兼ねているようだ。


「ランボルギーニ史上初めて縦に“フェード”させたカラーです。これはアドペルソナムプログラムの高い技術力を示しており、この色は日本の国旗からインスピレーションを得ています。このクルマとともに日本のランボルギーニデイをお祝いしたいと思います」とコメントした。
