輸入車
更新日:2025.08.12 / 掲載日:2025.08.12
フェラーリ「296スペチアーレ」 ル・マンの血統を受け継ぐスリリングな特別モデル

FERRARI 296 SPECIALE【グーワールド コラム/ニューモデル】
文と写真●ユニット・コンパス
問い合わせ:フェラーリ
URL:https://www.ferrari.com/ja-JP
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年9月号の内容です)
ル・マン3連覇のフェラーリが贈る特別な296
10年後に振り返ると、もしかしたら今はフェラーリ・スポーツカー(市販車)の黄金期なのかもしれない。
2024年には12チリンドリやF80が公開され、追いかけるように296シリーズの特別モデルである296スペチアーレが登場。さらにローマ後継のアマルフィまでアンベールされるフィーバーぶり。毎年のように魅力的な新型モデルが現れている。
モータースポーツも絶好調だ。WEC(FIA世界耐久選手権)のハイパーカークラスは、プレミアムブランドがブランド価値を高めるためにしのぎを削っている注目のカテゴリー。2026年にはさらに参戦メーカーが増えて11社によって争われる予定だ。その理由は、世界三大レースのなかで最も市販車ビジネスに影響力のあるル・マン24時間レースがシリーズに組み込まれているから。その天王山を、フェラーリは499Pにより2023年から3連覇している。
ちなみに今回の主役である296スペチアーレは、3L V6ツインターボ+モーターというパワーユニットを搭載するが、これはル・マン優勝車である499Pと形式としては同じ。こういうストーリーに、ファンはやられてしまうのだ。
296スペチアーレのパワーユニットのシステム最高出力は、ベースとなった296GTBに対して50馬力アップの880馬力。さらに内外装の軽量化により重量は60kg軽減、専用の空力アイテムの投入によりダウンフォースも最大で20%増強された。一般公道を走行可能なレーシングモデルといった立ち位置だ。
日本での開催10回目となるサーキットイベント「フェラーリ・レーシング・デイズ2025」の実施に合わせて行われた発表会では、フェラーリジャパン代表取締役社長 ドナート・ロマニエッロ氏の挨拶に続き、296スペチアーレの開発に携わったフェラーリS.p.A. ヘッド オブ プロダクト マーケティングのエマヌエレ・カランド氏が登壇。その魅力について、「ドライビングの楽しさにおいてはフェラーリのプロダクションモデル(量産モデル)の頂点に位置する」と語った。
プロモーション映像ではクローズドコースでタイヤスモークを上げながらパワースライドする296スペチアーレの映像が流された。880馬力を後輪だけでコントロールするのだから、スリリングなことは間違いないだろう。なお、日本仕様の価格は5911万円だが、日本向けの割り当てはすべてソールドアウトとのことだ。

