輸入車
更新日:2025.07.19 / 掲載日:2025.07.09
人気中古車実車レビュー【BMW 2シリーズ グランクーペ】日本の街に馴染むプレミアムモデル

[BMW 2シリーズ グランクーペ]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、メルセデス・ベンツ、アウディ
※中古車参考価格は2025年6月グーネット調べ。 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年8月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
BMWらしさを凝縮した新世代の4ドアクーペ
今回チェックするBMW 2シリーズ グランクーペは、スタイリッシュなデザインが特徴の4ドアクーペです。取材したのは、2024年登録の「218d グランクーペ Mスポーツ」で、走行距離は約3000km、支払総額は395万円となっています。
実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。
「昔ながらの輸入車ファンにとってBMWといえば『3』、『5』、『7』のイメージかもしれないけど、じつは今のBMWは輸入車きっての大所帯。そのなかで2シリーズは、コンパクトという共通点を軸に、BMWの世界観が表現されているんだよね。現行ラインアップだと、2ドアクーペの『クーペ』、4ドアクーペの『グランクーペ』、そして4ドアクロスオーバーの『アクティブツアラー』。SUVの『X2』まで合わせると、全部のジャンルがカバーされてる」
グランクーペは、2012年の6シリーズグランクーペから登場した、クーペとセダンのクロスオーバーモデルです。使い勝手のよさとBMWならではのスポーティなスタイルを両立させていることから、今では2シリーズと4シリーズと8シリーズにラインアップされています。
今回取材するのは、2019年に発売を開始した初代2シリーズグランクーペ。ちなみに、2025年3月にフルモデルチェンジを受け新型が登場しています。初代から乗り換えるユーザーやデモカーの入れ替えタイミングであり、まさに中古車として旬のタイミングを迎えています。
取材に協力してくれたのはセールスコンサルタントである公平さんによれば、2シリーズグランクーペを購入するユーザーは、ボディサイズに魅力を感じているとのこと。全長(4540mm)と全幅(1800mm)というのはE90世代の3シリーズと同じで、駐車場などの環境から、このサイズ感を求めるユーザーの数は少なくないのだとか。
「メカニズム的な話をすると、2シリーズグランクーペは前輪駆動(FF)がベースなのね。FFを採用したいちばんのメリットは空間効率。室内空間やラゲッジスペースを広く取りやすいのよね。ほとんどの実用車がFFベースなのは、その理由が大きく影響してると思う。BMWは歴史と伝統あるFRにこだわってきたけど、FFでもそれに匹敵するほどの走りが実現できたというのが、最近コンパクトモデルが充実してきた背景になるの。そのなかでもグランクーペはまさに王道キャラ。実際にクルマを目にすると、サイズが本当にちょうどいい。価格と内容のバランスに優れたクルマ」と竹岡さん。
グレードは3タイプ。1.5Lガソリンターボの「218i(140馬力)」、2Lディーゼルターボの「218d(150馬力)」、そして2Lガソリンターボで4WDの「M235i(306馬力)」。パッケージオプションとして装備充実の「プレイ」とスポーティモデルの「Mスポーツ」が用意されています。2021年6月の改良以降は、ベースグレードにも運転支援技術が標準装備になりました。
中古車相場の中心は200万円後半で、初めてのBMWとしてはもちろん、初輸入車としてもチャレンジしやすいモデルではないでしょうか。

日本にぴったりのプレミアムコンパクト

日本の道路事情、住宅事情に適したボディサイズのプレミアム・コンパクトモデル。パワートレインもガソリンとディーゼルから選択可能で、幅広いニーズに応える使い勝手の良さを備えています。2025年3月に新型にフルモデルチェンジしたこともあり、これからさらに中古車市場が盛り上がることが期待されています。
中古車参考価格帯:210万円〜490万円(19年〜25年 2シリーズグランクーペ 全グレード)

取材協力|BMW Premium Selection 柏

都心からのアクセスもよく人気の柏エリアに存在するBMW正規ディーラー。グループ在庫400台以上、16号に面している展示場にも常時多くの良質な認定中古車を取り揃えている。店舗の敷地内に工場が併設されているため、納車整備や購入後のメンテナンスもスムーズ。安心して付き合うことのできるお店です。
SHOP DATA
住所:千葉県柏市弥生町8-47
TEL:04-7169-1500
定休日:月曜日、月曜祝日の場合、翌火曜日
営業時間:10:00〜19:00
URL:https://motoren-glanz.bmw.jp/ja/kashiwa_bps
BMW 2シリーズ グランクーペの実車をチェック!
【デザイン】クーペのような美しいスタイルと4枚ドアを両立

4ドアなのに「クーペ」を名乗るのは、ルーフラインがクーペのようだから。フロントマスクは、低い位置でワイドさを主張。フォルムはクーペのようにスタイリッシュで、それでいて4枚ドアの利便性を両立させています。取材車両はスポーティなキャラクターを強調したMスポーツで、前後バンパーのデザインやホイールが専用になります。インテリアについても、シートやステアリングなどMスポーツならではの装備は多く、それゆえ人気を集めています。

【装備】標準装備が充実一方で装備の一部はオプション設定

プレミアムブランドだけあって、装備は充実。バックカメラなど便利な機能が数多く標準装備されています。しかし、年式によってはACC(前走車追従式クルーズコントロール)が装備されていないこともあります。必要だと思うユーザーは購入時には要確認。そのほか2シリーズグランクーペのユニークな機能としては、直近50mの走行ルートを自動的にバックしてくれる「リバース・アシスト」があります。狭い駐車場などから脱出するときに使うと便利です。

【使い勝手】予想を超える使い勝手のよさ後席も実用的

まず、なんといっても全長4540mm、全幅1800mmのボディサイズ。これは、E90型(2005年〜2014年)3シリーズとほぼ同じ。日本の道路事情にマッチする絶妙な大きさ。それに加えてパッケージング効率がいいので、後席も足もと空間は十分だし、ルーフライニングもえぐりをつけてスペースを稼いでいます。後席背もたれは3分割可倒式でアレンジ可能。ラゲッジルームの容量は430Lで、ゴルフバッグなどの荷物をしっかりと積載可能。多様な使い勝手を備えています。

見れば納得、売れているのがわかる出来の良さ
竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★★]
ボディサイズは、ひと昔前の3シリーズといったところで、日常的にとても使いやすい大きさです。ディーゼルエンジンなので燃費もいいし、太いトルクは街中から長距離ドライブまで扱いやすいハズ。FFモデルだけれど、FRっぽいBMWの雰囲気に上手にまとまっています。なんたって価格がお手頃でビックリ!
装備[★★★★★]
Mスポーツモデルということもあり、ステッチのあしらい方等々オシャレにまとめられています。iDriveの大きなダイヤルを備えつつ、センターディスプレイを手前に配置し、タッチパネル操作も可能になっているインテリアは、利便性も高いです。ラゲッジアンダーボックスは、深く広く使い勝手抜群。
使い勝手[★★★★★]
実際座ってみると、後部座席の広さに驚くハズです。座面の大きさもしっかりしているし、前席の下に爪先が入るので、大人が2人ゆったり座れます。後席用のUSBソケット等も用意されるなど、おもてなし感も演出されています。イザという時はラゲッジ側から操作できるトランクスルーも可能。オールマイティな1台。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
BMWの魅力は、日常性とスポーティさの両立がとても高い次元で行われているところ。それをデザインで表現しているのが、グランクーペというモデルだと思います。カッコいいけど、使い勝手は犠牲にしないし、ひと目でBMWとわかります。取材車両はMスポーツで、内外装の仕立てもスタイリッシュです。
装備[★★★★★]
タッチ操作可能なセンターディスプレイにさまざまな情報を集約したインフォテインメントシステムは、BMWが長年磨き上げてきただけあって便利。運転支援も充実しているのですが、一部グレードではオプションなので、自分の欲しい装備が搭載されているか、中古車を購入するときはチェックを忘れずに!
使い勝手[★★★★★]
想像以上。グランクーペは、まさに思っていたよりも使いやすいクルマです。街中でも気を使うことなくスイスイ走れるサイズ、小気味いい加速。サッと乗ってサッと出かけられるため、フットワークが軽くなるでしょう。ラゲッジルームも深さだけでなく広さも十分。FFベースのメリットで空間効率のよさが出ています。
ライバルモデルをチェック!
メルセデス・ベンツ Aクラス セダン

メルセデスの最小モデルであるAクラスをベースにしたセダンモデル。対話式コントローラーを採用したMBUXを搭載。コンパクトでありながら上質さを感じさせるキャラクター。
中古車参考価格帯:220万円〜550万円(19年〜25年 Aクラスセダン 全グレード)
アウディ A3 セダン

2シリーズよりもさらに全長が4495mmとコンパクトなA3セダン。アウディの特徴であるクールなキャラクターと軽やかな走り、細やかな作り込みのよさが魅力。
中古車参考価格帯:260万円〜430万円(21年〜25年 A3セダン 全グレード)