輸入車
更新日:2025.07.04 / 掲載日:2025.07.04

大人がドライブしたくなるクルマ…アルファロメオ「ジュリア」に見る、心躍る輸入車の条件

大人がドライブに行きたくなる[心躍る輸入車の条件]

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年8号「大人がドライブに行きたくなる[心躍る輸入車の条件]」記事の内容です)

国産車の実力が世界レベルに到達したことはわかっている。それでもなお、輸入車を選ぶのは、クルマに実用性を超えた心を動かす何かを求めているからだ。経験を重ね、自分自身について、いい意味でも、そうでない意味でもわかってきた大人にとっては特にそう。生活をともにし、ときに自分を鼓舞してくれたり、癒やしてくれるそんな相棒のようなクルマが欲しいのだ。では、大人がドライブに行きたくなるような輸入車の条件とはどういったものなのだろうか?デザイン? 機能? 質感? それとも走りの性能?改めて考えてみる、言葉にできない「大人のための輸入車」をぜひ一緒に考えてみてもらいたい。

|大人のドライブ実践編|隠れ家的ラグジュアリーホテルで心も身体もリフレッシュ

DRIVER’s PARTNER|アルファ ロメオ ジュリア クアドリフォリオ

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス、仙石原古今 取材協力●仙石原古今
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

心が躍る輸入車で心も身体もリフレッシュできるドライブに出かけたい。そんなビジョンを、自動車ジャーナリストの九島辰也氏がオススメのスポットと輸入車で実践する。

「大人のドライブ」を楽しめる輸入車とは?

 ここ数年“大人”というワードがメディアで多く使われている。雑誌のタイトルになったり特集のテーマに使われたりする場面を多々見る。自分自身、多くの雑誌で編集長をしてきたが、時としてこの言葉を使用してきた。少し上品な世界観を表現する手法だ。対義語は「やんちゃ」ってところだろう。
 それを踏まえての「大人ドライブ」が今回のテーマとなる。上品とか、上質とか、といった雰囲気のドライブだ。では、クルマにとってナニが大人なのかといえば、クルマのキャラクターに尽きる。具体的に言えば、ブランドやカタチ、装備だろう。
 ブランドで表現するなら、ヨーロッパのプレミアムブランドがそれに値する。フォルクスワーゲンやフィアット、ルノーといった大衆車ブランドよりはひとつ上のクラスあたり。モータースポーツで輝かしい成績を持つ一方で、雰囲気のある市販車をラインアップするブランドだ。王道ではあるが、“ジャーマンスリー”と呼ばれるドイツの御三家がそんな感じ。上質なしつらえとともに、パワーソースに対する信頼を感じる。静かにゆったりとした走りをデフォルトとしつつ、踏めば速いなんてところが大人だ。
 また、そういったクルマで行く場所も大人でなくてはダメだ。ドライブの目的地は喧騒から離れた山間の宿といったイメージ。サウナが各部屋にあったり、地産地消をうたうレストランがあったりとトレンドを押さえながら、流行を追いすぎない雰囲気が欲しい。そしてそうした宿に似合うのが、前述したプレミアムブランドのクルマ。英国のマナーハウスのごとく、大人なクルマが駐車場に並ぶと絵になる。プレミアム感が一層増すというものだ。
 ということで、ここに3台のモデルをサンプリングした。3種類のブランドと3種類のボディタイプだ。アルファ ロメオ、BMW、メルセデス・ベンツ、それぞれ異なる世界観を演出するのは言わずもがな。ご自身に見合ったライフスタイルのご参考にどうぞ。きっと大人のドライブが楽しめるに違いない。

Profile:モータージャーナリスト 九島辰也
ファッションや旅にも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、アメリカ、ドイツ、イギリスと各国のクルマを乗り継いでいる。

取材協力:仙石原古今

2024年2月に、鎌倉古今の2号店としてオープンしたスモールラグジュアリーホテル。部屋数は5室で全室90平方メートル以上の広さを持つスイートとなる。仙石原の象徴となるすすき草原と芦ノ湖の間にある好立地。ドライブルートとしても最適だ。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1245-280
TEL:0460-83-9585
URL:https://www.sengokubara-cocon.jp

クルマも宿も、選びたいのは語りたくなる物語を備えたもの

広々とした1階ロビーは庭一面を見渡せるガラス張り。そこからは富士山を拝めるほか、飼っているやぎを眺められる。外に出てやぎに指定の餌やりも可能。癒やされる瞬間だ。

 さて、最初に今回のテーマ「大人ドライブ」に連れ出したのはアルファロメオ ジュリア クアドリフォリオである。「四葉のクローバー」の名をつけたスペシャルなモデルだ。
 なんてったってこのクルマのエンジン出力は510馬力。総アルミ製の2.9LV6ツインターボはとてつもないパワーを発揮する。ベーシックなジュリアと一線を画す、正真正銘のモンスターマシンだ。
 ではどこが大人なのかというと、まずはブランド。アルファ ロメオは成熟した男性の象徴であり、行動的な大人を演出する。そのブランドバリューは高く、戦前は高性能レーシングカー&高級スポーツカーとしてそのポジションを確立していた。
 次に挙げられる大人ポイントは、セダンであること。派手さのない保守王道である4ドアセダンのパッケージングが大人だ。古から冠婚葬祭すべてをこなせるのはセダンだと言われている。まぁ、赤いボディカラーがそれに当てはまるかどうかはわからないが……。
 そして前述した510馬力の大パワーもまた大人。普段はゆったり走っていながら、踏めばそれ相当のパフォーマンスを得られる。ボディはスタンダードモデルのジュリアとは比べ物にならないほど剛性アップされているし、足まわりもすべて変更される。特にリアサスペンションは、これだけのパワーに耐えられるよう取り付けの剛性アップやジオメトリーの見直しをしている。減衰圧もそうだし、バネレートもそう。クアドリフォリオ専用セッティングだ。
 ちなみに、クアドリフォリオは1920年代タルガフローリオに出場したマシンにお守りとして貼られていたマーク。それを近年アルファロメオは高性能マシンの意味合いとして使用している。
 なので、価格もスペシャル。現行型ジュリア クアドリフォリオのプライスは1387万円。スタンダードモデルのベローチェが717万円だから、ほぼ2倍近くなる。これもまたある意味“大人”である。

地産地消のメニューが五感を楽しませる

 1階のレストランで提供される朝食およびディナーは、経験豊富なシェフが地産地消(神奈川、静岡)を合言葉に旬な素材を活かしたモダンフレンチ。薪釜を使ったメニューがウリで、味のみならずスモーキーな香りやパチパチといった音など五感で楽しむこともできる。この感覚もまた癒やしのポイント。レストランの使用に関しては宿泊プランにもよるのでそちらを要チェック。和朝食も魅力的だ。

すべての部屋がスイート温泉に加えてサウナも

 約1000坪の広大な敷地にわずか5室という贅沢なつくりの仙石原古今。すべてスイートルームなのでリビングが広いのは当然のこと、温泉を使った内風呂、プライベートサウナ、水風呂が備わる充実ぶり。なので、サウナ好きは心ゆくまで整えるはず。また、連泊するお客様のために半露店の大浴場も別途用意される。部屋風呂に飽きたら気分転換に大浴場を使うのもあり。仙石原古今のマスコットやぎは3頭いる。

家具は各部屋異なる。ロビーに配置されるのはイタリア高級家具の「エドラ」製。2ベッドルームの部屋もあるので、家族での旅行にも使える。

[アルファ ロメオ ジュリア クアドリフォリオ]走りへの情熱をカタチにした美しきスポーツセダン

 クアドリフォリオはジュリアのトップグレードに位置するモデル。現行型は2023年に仕様変更されたもので、メカニカル・リミテッドスリップ・ディファレンシャルを搭載するほか、12.3インチのデジタルクラスターメーターを採用。利便性を高めている。

2025年 アルファ ロメオ クアドリフォリオ(8速AT) ●全長×全幅×全高:4635×1865×1435mm ●ホイールベース:2820mm ●車両重量:1710kg ●エンジン:V6DOHCツインターボ ●排気量:2891cc ●最高出力:510ps/6500rpm ●最大トルク:61.2kgm/2550rpm ●新車価格:1387万円(ジュリア クアドリフォリオのみ)

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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