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更新日:2024.10.15 / 掲載日:2024.10.15
フィアット 新型「600e」レトロな名車の魅力が最新EVで蘇る

FIAT 600e【グーワールド コラム/ニューモデル】
文と写真●ユニット・コンパス
問い合わせ:チャオ・フィアット
TEL:0120-404-053 URL:https://www.fiat-auto.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年11月号の内容です)
懐かしの「フィアット600」が電気自動車として復活!
日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、ヨーロッパ(特に本国イタリア)では「600(セイチェント)」というネーミングは特別なものだ。ヌオーヴァ500(いわゆる昔のフィアット・チンクエチェント)より2年も早く登場した初代600は、当時のイタリア国民の足として大活躍。内陸に住む人は、このクルマで初めて海を見に行ったという話もあるほど。そんなフィアット600が、今回電気自動車として復活したのだ。
フィアットにはすでに「500e」という電気自動車があるが、今回登場する「600e」はそれよりもひとまわり以上も大きい。全長は4200mmとなっており、500eと比べて570mmも長い。VWゴルフの全長が4295mmだから、フィアット600eはCセグメントに近いサイズのハッチバックなのだ。500eはパーソナルカーの性格が強いが、600eは室内にゆとりがあるのでファミリーカーとしての用途にも応えてくれる。インテリアは初代600からインスピレーションを得たデザインで、丸型メータークラスターや2スポークステアリングを採用するなど、ちょっとレトロな雰囲気を醸しているのも見どころ。
また、エクステリアにも注目。フロントフェイスは500eと共通項のあるデザインで、愛らしい丸型ヘッドライトを採用。エアインテークの形状と相まって、正面から見るとまるで笑顔のような印象を与えている。愛嬌がありつつ、どことなく「しっかりモノなお兄さん」を感じさせる佇まいは、フィアット500eと明確にキャラクターを差別化していると感じられた。
パワートレインは、54kWhのリチウムイオンバッテリーに115kW(156馬力)のモーターを搭載。一充電での走行距離は493km(WLTCモード)なので、ご近所に買い物……というレベルを超え、普通に日帰りのロングドライブもこなせそうな行動範囲を持つ。弟分の500eの一充電走行距離が335kmと考えると、実用性の差は一目瞭然だ。また、レーンポジションアシストをはじめとする4つの機能がフィアットとして初めて採用されたことも新しい。普段の買い物からレジャーまで、幅広いシーンで活躍できるその実力は、私たちの生活をドルチェ ヴィータ(甘い生活)に変えてくれるはず。
ボディカラーはメイン写真の「スカイブルー」のほか「サンセットオレンジ」と「ホワイト」の3色。せっかく楽しいクルマなのだからもう少し選択肢が欲しいところだが、個人的にはフレッシュな「サンセットオレンジ」が推し……である。



