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更新日:2023.05.04 / 掲載日:2023.05.04
【BMW i7】7世代目の7シリーズにBEV誕生 高級セダンの新境地

BMW i7【グーワールド コラム/新車】
文●大音安弘 写真●内藤敬仁、澤田和久
問い合わせ:BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437 URL:https://www.bmw.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年6月号の内容です)
高級車の概念を覆すBMWらしい先進的なアプローチ
BMWのフラッグシップサルーン7シリーズが、7世代目へと進化を遂げた。電動化にも熱心なBMWだけに、新たな7にも「i7」というBEVを初設定。544馬力/76.0kgmのモーター性能と650kmの航続距離は、ショーファードリブンとし、不足ないものだ。 BEVに加え、新たなディスプレイ式メーターパネル「BMW ライブ・コックピット」などの一部の先進機能こそ、BMWの他モデルに初採用を譲ったが、やはり新たなチャレンジは、トップモデルからという伝統に変わりはない。たとえば、2段式ヘッドライトや2トーンのボディカラーなどのスタイリングの特徴も、新生7からの新たなアプローチである。
もちろん、機能も驚きにあふれている。そのひとつが、自動開閉ドアだ。まるでタクシーのように、すべてのドアが自動開閉するという。もちろん、障害物や他車との接触を防ぐべく、センサーで適切な開度を保持できるというから凄い。さらに後席機能では、車載機能の操作を後席左右のドアトリムに内蔵した専用タッチスクリーンとし、スマホライクな操作を可能とした。そして、注目すべきエンタメ機能が、「BMWシアタースクリーン」だ。天井より回転式で現れる大迫力の31.3インチ8Kパノラマ液晶モニターには、Amazon Fire TVが内蔵。スピーカーは、標準でB&W製サラウンドサウンドシステムとなり、トップレンジ仕様だと1965Wアンプ出力と最大40スピーカーが備わるというから、まさに動くプライベートシアターだ。このように先進的なおもてなしにあふれるのも、新7シリーズの魅力なのだ。近年、最上級車のSUV化も始まっており、その姿勢はBMWも同様。しかし、これまでのセダンにはない新機能を積極的に投入するのは、やはり駆け抜ける歓びを追求し、セダン文化も重視してきたBMWらしさを感じさせる。
進化はクルマだけでなく、顧客のおもてなしとして新生7シリーズの投入よりソフト面の取り組みも始めるという。それが今期よりスタートする「エクスクルーシブ・メンバーシップ・クラブ・コミュニティ(仮)」だ。8シリーズやX7、M専用PHEVのXMのユーザーなど、一定の条件を満たす顧客向けの会員制コミュニティで、クルマに関するイベントに限らず、アートやゴルフ、音楽などの特別な体験を提供していくというから、その内容が注目される。
ハードとソフトの両面による差別化で、競争力を高めようとするBMW。自動車の大変革期にある今、選択も多様化している。たとえ選ばれし者のクルマであっても、高級・高性能だけでは、目の肥えた顧客を振り向かせることが難しくなっているのかもしれない。



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