輸入車
更新日:2022.09.30 / 掲載日:2022.09.30
CITROËN C5 X【グーワールド コラム/ニューモデル】

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
問い合わせ:シトロエン コール TEL:0120-55-4106 URL:https://www.citroen.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年11月号の内容です)
新世代フラッグシップはクロスオーバーモデルに
個性的かつ洒落たデザインで、人気急上昇中のフランス車「シトロエン」に、フラッグシップサルーンの復活を告げる「C5 X」が日本デビューした。7年前に販売を終了した先代「C5」は、セダンとステーションワゴンの2本立てであったが、なんと新型は、セダンの快適性とワゴンの実用性、そして、SUVのタフさを併せ持つ欲張りなクロスオーバーに仕立てられているのが特徴だ。しかも末尾の「X」の意味は、クロスオーバーだけに留まらない。かつて高い人気を誇った5ドアサルーンの「CX」や「BX」の後継であることも匂わせ、熱心なシトロエンファンの心を刺激することも忘れない。
そんなC5 Xには、一人の日本人が携わっている。柳沢知恵さんは、日産に入社し、同社で活躍するだけでなく、ルノーへの出向経験を持つデザイナーだ。14年に発表された個性派クロスオーバー「C4 カクタス」の自由な色と素材の使い方に刺激を受け、シトロエンの門を叩いたという。彼女は、C5 Xのカラーとマテリアルを担当し、内外装の色使いやトリムの質感、インテリアのステッチやパターンの開発をしている。開発秘話を伺うと、近年のシトロエンは鮮やかな色を積極的に取り入れてきたが、C5 Xはボディを含め、シックな色で構成されていて、それはフラッグシップとしての世界観を構築するための重要な要素で、シトロエンとしてはチャレンジだったという。さらに内装のステッチやパターンは、今後のシトロエンのアイコンとして昇華させるべく、さまざまな工夫が施されており、シトロエンのエンブレムにも使われるシェブロン柄を随所に取り入れた。これはシトロエン流の遊び心であり、柳沢さんは、「シトロエン柄ともいえるシェブロン柄を愛車で見つけることが、愛着につながればうれしい」と笑顔で話してくれた。
最後にシトロエン開発の特徴を尋ねると、「他所と比べるのではなく、シトロエン自身を見つめ直すことを大切にしている」とのこと。その姿勢こそ、いつの時代もシトロエンが唯一無二であり続ける隠し味なのだろう。






ユニークなデザインの新世代シトロエンのフラッグシップ「C5 X」の内装には、シェブロン柄が髄所に盛り込まれているが、これも心地よい空間づくりのための遊び心のひとつだ。