輸入車
更新日:2022.08.04 / 掲載日:2022.08.04
BMW 2 Series Active Tourer【グーワールド コラム/ニューモデル】

文と写真●大音安弘
問い合わせ:BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269437
URL:https://www.bmw.co.jp
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年9月号の内容です)
ファミリーユースのBMWが初のフルモデルチェンジ
BMWのMPV「2シリーズアクティブツアラー」が、2022年6月14日、初のフルモデルチェンジを迎えた。従来型と同様の5人乗りのトールワゴンスタイルを継承しつつ、最新BMWデザインエッセンスにより、スポーティさだけでなく、質感も向上。さらにインテリアでは、上質さを高めるだけでなく、カーブド・ディスプレイに代表される先進機能も積極的に取り入れた。従来型の機能とイメージを受け継ぎつつ、豪華に仕上げた新型は、新たな顧客の関心だけでなく、従来型のオーナーからの高い支持が得られそうだ。
BMWにとって2シリーズアクティブツアラーは、エポックメイキングな存在だ。これまで手を出さなかったファミリー層を主としたBMWであることに加え、ブランド初のFF車でもあった。それはMINIで得たFF車作りのノウハウを転用したものであるが、ユーザー層の拡大とスペース効率、そして電動化を意識した次世代BMWの第一歩であった。当初、BMW自慢の走りには、FFでは遠く及ばないという声もあったが、技術者たちは臆することはなく、自らが理想とするFF車を目指し続け、熟成を図っていく。さらにコンパクトSUV「X1」のFF化を皮切りに、新たなFFモデルの開発にも取り組み、コンパクトなBMWの可能性を探っていった。その次なるステップを示せたのは、FF化された現行型1シリーズハッチバックだ。ワゴンやSUVに限定されたFFモデルを、ライバルの多いハッチバックに持ち込んだのは、まさに自信の表れであり、その成果は、2シリーズグランクーペでも発揮された。
やはり、BMWは、小型FRに見切りをつけたのだろうか。その答えこそ、新型2シリーズクーペにある。同車には伝統のFRレイアウトを受け継がせた。またEVのBMW iにも後輪駆動が用意されることからも、後輪駆動をBMWらしさのひとつと捉えていることは今も変わらないだろう。
ただ2シリーズアクティブツアラーの構造には、FFがベスト。あえてFFにこだわるBMWも存在する今、FF車初の第2世代を迎えた同車が、いかなるBMWの世界を見せてくれるか、楽しみだ。

