新車値引き情報
更新日:2025.05.26 / 掲載日:2025.05.26
X氏の値引き大作戦 ヤリスクロスから24.4万円引き!

マイチェンで君子豹変!? 同士討ち戦術で活路! 殺し文句でついに陥落!!
【プロローグ】 これまで乗ってきたセレナは家族七人(我々夫婦と子ども三人+両親)を乗せて、いろいろなところに連れて行ってくれました。
ところが、子どもたちが次々と独立して我が家から去ってしまった結果、気がつくと広い車内に残ったのは家内と私だけ……つまり大量の空気を乗せて走っているわけです(笑)。
ともあれ、いまとなってはミニバンを選ぶ必要はありません。狙いは釣りの足として最適なコンパクトタイプのSUV・4WD。本命はヤリスクロス、対抗はフロンクスです。
なるべく出費を下げたいので、車庫証明手続きは自分でやることにして費用はカット。また、買ったクルマは営業所まで取りに行くので、もちろん納車費用も削ります。
【交渉1日目(土)】 まずは日産へ。電話をかけておいたので、すぐに営業さんが対応してくれました。キックスに試乗。注目のe-POWERはじつにスムーズな加速です!
提示してきた値引き条件は13万円ですが、キャンペーン中につき10万円相当のオプションプレゼントが付くので値引きの合計は23万円。
なお、乗り出し価格は324万円。コンパクトカーとはいってもSUV・4WDはけっこう高くなりますね。
【2日目(日)】 スズキに出向いて第二本命のフロンクスを試乗。乗り心地が良く、装備も充実。なかなかいいクルマです。
続いて大穴のジムニーにも試乗。思っていたほどクッションは悪くありませんが、さすがに後部座席は狭い……。
応対してくれたのはフレッシュな若い営業さんですが、商品知識は豊富で、最新機構を丁寧に教えてくれました。
X「値引きはどれくらいしてもらえますか?」
セ「フロンクスもジムニーも値引きはほとんどできないんです。どちらも3万円引きです」
ガッカリ……乗り出し価格はフロンクスが300万円、ジムニーが220万円でした。
次はダイハツ。狙いはロッキー。あいにく試乗車がなかったので、見積もりだけ出してもらいました。値引きは4万6000円ですが、ナビから14万円引きとなっていて合計18万6000円引き。乗り出し価格は269万円でした。
【交渉3日目(水)】 付き合いのあるサブディーラーにオイル交換に出向きました。この店では昨年、家内のタントを購入していますが、メインで取り扱っているのはスズキです。そこで、店長さんにフロンクスの見積もりをお願いしてみました。
店長「ほかならぬXさんなので、最初から掛け値なしでいきましょう!」
なんといきなり20万円引き! ちょっとびっくりしましたが、ポーカーフェイスで「少し考えさせてね!」と態度を保留しました。
いよいよ本命のヤリスクロスです。トヨタA店へ。応対してくれたのは店長さん。いつもニコニコ、とても優しそうです。
店長「ご希望のヤリスクロスは近々マイナーチェンジするので、現行モデルはオーダーストップとなっています。新型はまだ価格がわからないので、見積もりが出せません」
X「新型の先行予約とかないんですか?」
店長「もうすぐ価格がわかると思います。Xさんにはすぐにお知らせするので、しばらくお待ちください」
X「う~ん……他社からは契約を迫られているんですよね」
店長「たいへん申しわけありません。当方も誠に歯がゆい状況なんです……なにとぞ、お待ちいただければ……」
X「じつは40年ほど前に、こちらの店でクレスタを買ったことがあるんですよね」
店長「クレスタ! いやぁ~懐かしい名前ですね……」
このあとクルマ談義で大いに盛り上がりました。年が近いせいか、話が合います(笑)。
店長「Xさん、これから末永いお付き合いをさせてもらいたいので、必ずご期待にそえる価格やサービスをしますよ」
X「マイチェン後のヤリクロ、具体的にどのくらいの値引きをしてもらえるんですか?」
店長「そうですねぇ……15万円は必ず引かせてもらいます」
なるほど、スタートは15万円と解釈しました。
【4日目(土)】 トヨタB店へ。入社10年の営業さんは娘の旦那に姿かたちがよく似ていて、親近感がわきます。
X「あれ? 見積りに値引き額が入ってませんが?」
セ「マイチェン後のヤリスクロスは値引きが厳しいんです。3万円から5万円ですね」
X「キックスはいきなり23万円引きでしたよ。トヨタさんにも期待してきたんですけど……」
セ「わかりました。店長に掛け合ってきます」
しばらくして、
セ「付属品をほとんど付けていないので値引きが出しにくいんですが、なんとか13万円引きにします。ぜひ、先行予約ということで決めてください!」
X「検討させてください」
続いてトヨタC店。相手は私と同年配のベテランです。
セ「ヤリスクロスは現在、オーダーストップ中です。近々、新型が発売されますが、これも注文が殺到しているため、お得意様にも待っていただくような状況です。申し訳ありませんが、X様のような新規のお客様にはご案内ができない状況です」
こういうのを慇懃(いんぎん)無礼というのでしょうね。
えーっ、まさかの販売謝絶 先行予約しなきゃダメなの?
【5日目(日)】 近所にはトヨタの正規ディーラー4系列が揃っています。最後に残ったD店へ。ここでは10年ほど前に娘のパッソを買ったことがあるのでひそかに期待しています。
出迎えてくれたのは背の高いファッションモデルのような営業レディさんでした。
これまでの経過とライバル車の条件を伝えて、
X「家内は『値引きの大きいクルマ』を推しています」
セ「女性はやっぱり金額に目がいっちゃいますよね」
X「候補としてはフロンクスやキックスもあがっていますが、私の本命はヤリスクロスなんですよね。だから家内を納得させられるような値引き条件をお願いします!」
セ「私の権限で出せるのは12万円引きなんですけど……少しお時間をください。店長と話をしてきます!」
待つこと10分。
セ「店長に『お客様からはヤリスクロスが本命といっていただいている』と訴えました。すると『15万円引きまで出していい』といわれました。マイチェン後の新型としてはぎりぎり限界です! この場で先行予約をしていただきたいのですが……」
X「いますぐ先行予約を入れないとダメなんですか?」
セ「いいえ、そうではないんですけど……」
X「とりあえず家内に相談してみますね」
いかにマイチェン直後の新型といっても15万円引き程度では買う気になりません。
【6日目(木)】 トヨタのなかでは一番印象がよかったB店の営業さんに様子伺いの電話を入れてみました。
セ「Xさん、グッドタイミングです! こんどの土曜日の午前9時に新型ヤリスクロスの価格がわかります。それ以降なら正式な契約ができますよ!」
X「わかりました。では、土曜日に伺います」
【7日目(金)】 仕事帰りにトヨタA店へ。事前に電話を入れておいたので前回の店長さんが駐車場で出迎えてくれました。
X「ほとんどヤリスクロスに決まりです。あとはどこのトヨタから買うかだけなんですが、B店の営業さんがとにかく熱い人で『明日の土曜日から正式契約ができる』と事前に情報を知らせてくれました。こちらはどうですか?」
店長「Xさん、ご連絡が遅れて申しわけありません。うちも明日9時からOKです。ぜひ新型の一番目のお客様になってもらいたいので頑張ります! 明日、お待ちしています!」
トヨタD店の営業さんにも電話を入れましたが「えっ、明日ですか……うちではまだ契約はできないと思います」とのこと。
結局、トヨタA店とB店にしぼって最後の交渉を仕掛けることにしました。売りたい気持ちの熱い営業さんから契約をしたいと思っております。
【8日目(土)】 トヨタA店へ。最終局面なので、必要な付属品をすべて伝えて見積もりを出してもらうことにしました。
X「長く乗りたいのでメンテナンスパックも付けることにしました。付属品もたっぷり追加したので乗り出し価格がかなり高額になってしまいます。値引き、頑張ってくださいね」
店長「ズバリ19万円引きでどうでしょうか? 発売直後の新型車としては破格の値引き条件ですよ。Xさんだけの特別価格で、他のお客様ではあり得ない数字です!」
X「発売直後のフロンクスはいきなり20万円引きで、まだまだ出してくれそうでした。これを断ってきているので、もうちょっと頑張ってください!」
店長「う~ん……Xさん、ボディコーティングはいかがですか? もしも、付けていただけるなら定価8万円から3万円引きします。これで値引きの合計は22万円引きになりますよ。これが限界です!」
X「わかりました、他のトヨタさんとも商談の予約をしているので、いったん引き上げます」
続いてトヨタB店へ。担当の営業さんが商談中だったので、待つことになりました。
30分が経過したところで、担当の営業さんが汗をふきながら駆けつけてきました。
セ「長らくお待たせして申し訳ありません!」
X「家内と相談して明日には決めるつもりです」
セ「お待たせしてしまったので、トコトン値引きを頑張らせていただきます!」
X「今回、トヨタ4店舗と商談しましたが、一番印象がよかったのはこちらです。正直、あなたから買いたい! と思っているんです。お世辞ではなく、本心ですよ!」
セ「ありがとうございます! 私もXさんと末永くお付き合いしたいと思っています!」
X「じつは別のトヨタでは同年配の店長さんが担当してくれて、昔話で大盛り上がりでしたね。値引き条件も思い切って出してくれていますよ」
セ「相手は店長ですか……かなり厳しい戦いですね。こうなったら、うちも店長に頼むしかありません。私の精一杯な気持ちを熱く伝えてくるので、少しお待ちください!」
営業さんは娘婿に瓜二つ あなたから買いたいんです
待っている途中で、A店とB店のメンテナンスパックを比較してみると、A店は3年パックしか用意されていないが、B店には車検費用を含めた5年パックが用意されています。私のように「できるだけ長く乗る」を前提に買い替える場合、価格は高くなるけれど、B店の5年パックは有利です。
セ「お待たせしました。値引きは24万円まで出します! 正直、現時点で新型ヤリスクロスからこれだけの条件を出すと、営業会議でかなり怒られてしまいます。でも、Xさんにはぜひ買っていただきたいので、頑張って店長に掛け合いました。本当にこれが限界です!」
X「では、フロアマット(1万4300円)をサービスしてくれませんか?」
セ「う~ん……なんどもスミマセンが相談させてください」(しばらくして)「フロアマットですが、無料サービスは無理です。1万円負担してください。4300円は削ります」
X「ところで、メンテナンスパックですが“5年もの”(13万円)にしたら、もっと値引きを上乗せできませんか?」
セ「スミマセン、この場から店長に電話させてください」
店長に打診するが、返事は「メンテナンスパックは割安な料金設定となっているため値引きはできない」とのことです。
当方としては(半額になったら最高!)と思っていたのですが、残念、空振りでした。
セ「では、いったん引き上げます。家内に相談してから連絡しますね」
帰宅して家族会議を開催。
X「しっかり比較するとトヨタB店で購入するほうが有利だね。それに営業さんが娘の旦那にそっくりなんだよ。姿かたちだけでなく、性格から話し方まで似ているんだ。だから誠実な人に決まってるよ!」(笑)
家内「お父さんがそう思うなら間違いないね。B店で決めましょう!」
これにて決定です。トヨタA店の店長さんには丁重にお断りの電話を入れました。
トヨタB店の営業さんに家族会議の結果を報告すると、
セ「ありがとうございます! では、ご契約はいつにしましょうか?」
X「こんどの水曜日の夕方に我が家に来てくれませんか?家内に『営業さんが娘の婿さんによく似ている』という話をしたら『ぜひお会いしたい!』っていってるんですよね」(笑)
セ「わかりました!」
長い一日が終わりました。
【9日目(水)】 トヨタB店の営業さんがやってきました。
前回、電話した際に「ナンバーフレームの無料サービス」をお願いしたところ、二つ返事でOKをいただいていたのですが……、
セ「Xさん、申し訳ありません!ナンバーフレームの件なんですが本社からNGが出てしまいました。すでに新型ヤリスクロスとしては限界を大きく超えた値引きを出しているので『これ以上は絶対にできない!』って強くいわれてしまいました。スミマセン……」
X「え~、ダメなの……」
ここで家内が目で合図を送ってきました。営業さんが娘の旦那にそっくりなので「これ以上、いじめるな」というサインのようです(笑)。
X「本社からそういわれてしまったのではしょうがないですね。ところで、ヤリスクロスの燃料タンクって何リッター?」
セ「36リッターです」
家内「うあ~小さいね」
X「燃費がいいから、それくらいで十分なんだね。で、ナンバーフレームの代わりっていっちゃあなんだけど、それくらいのタンクなら、納車の時には満タンにしてくれるよね?」
セ「はい、わかりました!」
これにて契約終了です。
注文書に記載された最終的な値引き条件は車両本体とメーカーオプション26万6200円/付属品24万8650円から24万4250円で、乗り出し価格は325万2100円となっていました。
後日「トヨタカードに入れば、今回の支払いはカードから引き落としが可能」とのことなので加入しました。これでポイント5000円分を獲得です。
なお、これまで乗ってきたセレナを、参考までにトヨタB店に査定してもらうと「5万円」とのこと。ここから下取り関係の費用がマイナスされるので実質は4万円程度になります。
知り合いの買い取り専門店に「トヨタの下取りは5万円だった」というと8万円で買い取ってくれました。聞けば「いかに人気のミニバンといっても、さすがに20年落ちとなると国内の中古車市場では値が付きにくいが、輸出業者にまわすから大丈夫」だそうです。
長年乗って愛着のあるセレナが「スクラップとはならないで、異国の地でまだまだ元気に走る」とわかると、家内も子どもたちも大喜びでした。
購入データ
TOYOTA ヤリスクロス
ハイブリッドG(4WD)
From 栃木県
トータル値引き 24.4万円
値引き採点 5
本誌4月号の「X氏の大作戦」では旧型ヤリクロから28.6万円引きを獲得した例を紹介しているが、こちらはマイチェン直後で24.4万円引き。新型からここまで取れれば大成功と考えていい。