新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.10.14 / 掲載日:2020.10.14

新旧レヴォーグ比較試乗

ここでは比較によって新型レヴォーグの実力をあぶり出す。まずは現行型との新旧比較だ。

※新型レヴォーグの写真はすべてプロトタイプ。 各内容はプロトタイプのもので、数値は未確定(開発目標等)のものを含む。

6年の進歩はどれほどか!?

写真右:新型レヴォーグSTIスポーツ <プロトタイプ>
写真左:現行型レヴォーグ 1.6STIスポーツ アイサイト

走りの魅力は新型が圧倒、スバル党以外にもおすすめ

 従来車のハンドリングの特徴のひとつは回頭性へのこだわり。フロントオーバーハング重量の重いレイアウトでそれを実現させるためか、ロールに逃げて回頭反応を高めている。そのため回頭と横Gの立ち上がりのタイムラグは大きめ。グリップ限界付近でも同様に反応すればオーバーステアに移行する。乗りこなすには面白いが、据わりとか収束性は今ひとつ。鼻先の動きが落ち着かない。非合理的だが回頭反応が大きいのは乗りこなす実感を得やすく、それがファン・トゥ・ドライブとして評価されるのも分かるが、そこに興味を持てなければ直線で硬く、コーナーで柔なフットワークと評されてもおかしくない。

 そんなスバル流のファン・トゥ・ドライブは新型にも継承されているが、直進安定は向上しオーバーアクション気味な挙動は減り、シャシーのポテンシャルアップでしなやかさと落ち着きが増した。車体方向性を整えるための修正操作が随分と減っている。

 さらに電子制御ダンパーの導入も新旧の走りの違いでは大きい。走行モードのコンフォート/ノーマル/スポーツにおけるハンドリングの特性は標準サスに近いが、スポーツ+になると過大な回頭反応が抑制され、回頭と横G立ち上がりのタイムラグも減少。4WD制御も加わって姿勢の収束性も向上。弱アンダーステア領域が拡大して緩み少ないラインコントロール性を発揮した。要するにコーナリングのセオリーどおりに振る舞ってくれるわけだ。

 従来型1・6Lの代替となる新パワートレーンは1・8L。排気量増なら余力アップしても当然だが、運転感覚のトルクアップは排気量以上。早めのダウンシフトなど大まかな制御の考え方は新旧で共通しているが、回して加速を稼ぐ感覚は従来車のほうが強い。加速時の高回転の滞在時間が長いのだ。低いギヤで引っ張る感じと思えば分かりやすいだろう。

 高回転の加速の伸びなどスポーティ車らしさは同等。開発者によれば実用燃費も向上。付け加えるなら自動車税区分も同じだ。新旧比較でトレードオフの関係になる要素がない。

 新旧乗り比べた印象では新しいハードウェアの導入以上に走りに対する価値感の変化を感じた。スバルファンも他のユーザーも納得できる落とし所を見つけたようだ。見た目はキープコンセプトだが、走りのスウィートスポットが拡大。居住性や積載性は小改良のレベルでしかないが、ワゴンユーザー全般にアピールできる走りの魅力は新型が圧倒している。

現行型→新型 買い替えおすすめ度は50%

現行型 レヴォーグ●価格:291万5000-412万5000円

1.6L車のオーナーなら車検時の買い替えが投資価値十分だ

 ワゴンとしての基本実用性に大きな変化がなく、初期モデルのアイサイトでも運転支援機能は現在の同クラスのクルマの水準以上。初車検前後ならば買い替えるのは経済的なロスが大きい。また、スポーツ性能から2L車を選んだユーザーなら新型は迫力不足と感じる可能性もある。買い替えを勧めるのは1.6L車で3度目の車検を通すかどうか迷っているユーザー。走りのグレードアップは投資価値も十分。

2014年のデビューから6年、現行型はすでにオーダーできない。1.6Lターボのほか、300PSの2Lターボも設定。現時点では新型には2Lターボの代替グレードはない。

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之、(株)SUBARU

提供元:月刊自家用車

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