RAV4 VS ミドルSUV（フォレスター／エクストレイル／CR-V）

　居住性や積載性、オンロードでの安心感や快適性、実用燃費や悪路踏破性などのレジャー向けSUVに求める要素をもれなく高水準でまとめている。さらにその強みを上級設定車のみに限定していないこともポイント。特にガソリン車は2Lとは思えない余力感があり、実用性能と走りの質感において高いパフォーマンスを実現している。

　キャビン／荷室はこのクラスの標準的な仕様だが、機能装備を充実させることで独自の魅力を切り開くミドルSUV。1月の仕様変更では看板のプロパイロットとボディ構造に改良が加えられ、リアルワールドでのバランスの良さがさらに高まった。動力性能は突出した部分は少ないが、滑りやすい路面で重宝する4WDシステムなど、勘所を押さえた内容を持つ。

　スバルSUV戦略の基幹モデルでもあり、アウトドア趣味を楽しむSUVの勘所を押さえた設計。2.5L車にしては余力感に乏しいものの水平対向エンジンの軽快なパワーフィールもあって高速走行は得意としている。キャラにあったアウトドアテイストの意匠を採用するのがX-BREAKだけなのは残念だが、車格設定が高い割には買い得な価格であることも魅力だ。

　ガソリン車はクラス最小の1.5Lを採用するが、ターボにより2.5L・NA車と同等以上の余力と伸びやかな加速を実現している。ハイブリッドはクラストップレベルの動力性能を持ち、フットワークは車格感高い重質な味わいを楽しめる。高速安定性も秀出ているなどオンロードでの走りは相当高いレベル。プレミアム感と実用性を高水準で両立しているモデルだ。

RAV4（ガソリン車）

　いわばSUVの王道を求められるクラスだけに、比較4車はいずれも高い完成度を持つ。ゆえに気にいったモデルを選んでもまったく問題はないのだが、強いてベストを求めるならば、全方位にウェルバランスを発揮するRAV4がベストだろう。先進安全運転支援の機能でもトップクラスである。RAV4を基準にするなら、ファミリー寄りにエクストレイル、上級ワゴン的プレミアム志向を求めるならばCR-V、コストパフォーマンスならフォレスターという位置付けだ。

　キャビンや走行性能の余裕を含めてファミリー&レジャー用途適性が最も高いカテゴリーがミドルSUVである。そのせいか各社ともにアウトドア適性の高い有力モデルが揃っている。ただし、オン&オフロードのバランスやキャビン実用性の考え方は各車各様の部分もあり、自分の用途に最適化したモデルを選ぶのは詳細なチェックが不可欠なのだ。

　比較モデルで最も悪路対応力が高いのはRAV4だ。ハイブリッドも含めて3タイプの4WDシステムを設定するが、いずれも4輪のグリップバランスが大きく異なる状況で優れた踏破性を発揮する。中でも後輪左右トルク分配を独立制御する新システムが優れる。また、オンロードでの車格感や動力性能の余裕では、重質な乗り心地とトルクフルなパワートレーンを持つCRVが魅力的だ。

　ちなみにキャビン機能ではエクストレイルとCRVが3列シート仕様を用意。サードシートは緊急用程度の実用性しかないのだが、ワゴン型ミニバン代替でのレジャー用途を考えているユーザーには見逃せないモデルだ。

　実力車揃いだが、このような細かな差異がちょっとした満足感や実用性の違いに影響するのだ。