新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.05.29 / 掲載日:2020.04.24

ヤリスVSフィット ライバルモデル1on1対決5番勝負

最新仕様の新型ゆえにヤリスとフィットが気になるモデルも多いことだろう。ここではクルマ選びの際に悩む可能性が高い、気になるライバルと比較してみたい。

BATTLE1 ヤリス vs マツダ2

icon ヤリス

  • 後席の手狭感は否めないが、頭上も足元も多少のゆとりは確保されている。前席優先だが、ある程度の配慮は感じることができる。

  • 後席格納時の荷室スペースは狭いなりにもフラット床面になるなど、最新設計らしいこだわりを感じることができる。

icon マツダ2

  • 上級グレードのLパッケージ車は本革シートが標準装備。価格は高くなるが、それに見合うプレミアム感を十分に味わえる

  • 後席格納時にはシート部分に段差ができてしまうなど、ヤリスに比べると割り切った造りであることが分かる。

走り重視のキャラはかなり近いが キャビンの仕立てに違いあり

 マツダ2は最近のマツダ車らしく上級クラスの雰囲気を持たせた内外装デザインや高速長距離適性、ファントゥドライブを武器にしているモデルだ。走り自慢の新型ヤリスにとっては、まさに真っ向のライバルという存在だ。

 割り切りもあって、両車ともユーティリティ面に意欲的ではないことも同じ。とはいえ、ヤリスは居住性や荷室にも要点を押さえた設計もあって寸法面である程度の配慮を感じるが、マツダ2はスタイリング優先のため寸法面での余裕は少ない。そのためヤリス以上に前席に偏った印象を受ける。前席同士の比較ならばより上質感のあるマツダ2に魅力を感じるが、後席はヤリスが一歩リードだ。

 両車の売りである走りの志向は大まかには共通しているが、細かな凹凸のいなし方などの乗り心地はヤリスが全体的にマイルドだ。一方、操安性はマツダ2のほうが落ち着きがあり、軽量小型車らしいヤリスに対して上級クラスを思わせる重厚さを感じる。

 ちなみにディーゼルターボの余力ある走りはマツダ2の大きな長所。低回転域から豊かに盛り上がってくるトルクフルな走りは、マツダ2でしか味わえない。燃費はヤリスに軍配が挙がるが、走りの質感やドライバビリティに関しては、それぞれに代えがたい魅力がある。

BATTLE2 フィット vs 従来型フィット

違いはスタイリングだけにあらず走りの方向性も大きく変わっている

icon フィット

  • 走行用と発電用の2つのモーターを用いるe:HEVは、直動機構により高速走行時でも効率の良い走りを実現するホンダの上級ハイブリッドシステム。

icon 従来型フィット

従来型フィットのハイブリッドシステムは高出力モーターを7速DCTに内蔵するi-DCD。最新のe:HEVに比べると性能面で見劣りも否めない。

違いはスタイリングだけにあらず 走りの方向性も大きく変わっている

 スタイリングのイメージだけではなく、走りの方向性も新旧で大きく違っている。共に高速安定性の確保などの要点は押さえているものの、快適とストレスフリーを重視する新型に対して、従来型はスポーティな味わいと言い換えてもいい、軽量小型車らしい軽快感を前面に出している。揺動や振動なども多く、洗練感で劣る部分も目立つ。実際に乗って比べてみると動的な部分を含めて質の差を感じてしまう。

 その差が更に開くのがハイブリッド車だ。システムがi-DCDからe:HEVに変更されたことで、動力性能や燃費性能の余裕の幅が大きく広がっている。ガソリン車以上にハイブリッド車は世代が違う印象が強い。

 ちなみに従来型も後期モデルにはホンダセンシングが装着されていたが、新型はさらに進化した最新仕様に変更されているため、性能や使い勝手も向上している。機能や装備でも新旧の差は明らかだ。

BATTLE3 ヤリス vs アクア

目指したコンセプトはかなり近いが世代の差は想像以上に大きい

icon ヤリス

トヨタ初となる高度駐車支援システム「アドバンスト・パーク」を筆頭に、運転支援系機能の充実もヤリスの強みの一つ。

icon アクア

  • アクアもTHS 2を採用しているが、世代的には一世代前のユニット。

  • 安全装備もプリクラッシュブレーキ止まりだ。

目指したコンセプトは かなり近いが世代の差は 想像以上に大きい

 トヨタのエコカー新旧対決になるが、全てにおいて世代が違うと言えば分かりやすい。その象徴がパワートレーンだ。

 共にTHS 2を搭載し、扱いやすく効率のいい運転ができるドライバビリティなど、共通する部分や強みは多いが、エンジン稼働時の騒音や、穏やかさと力強さの両立点、そしてリアルワールドでの燃費の違いなど、ヤリスとアクアの差は想像するよりも遙かに大きい。

 ちなみにアクアも高速走行向けのサスチューンが施されているが、ヤリスと比べるとシャシー周りの緩さを感じてしまう。この部分でも最新設計のヤリスの強みを実感することができる。

 キャビン&荷室は、両車とも前席優先の設計で後席のユーティリティは控えめだが、肝心の前席の使い勝手は結構違ってくる。特に運転支援機能は世代が大きく違うため、最新が盛り込まれているヤリスの方が、明らかに優れていると感じる部分が多い。

BATTLE4 ヤリス vs フリード

icon フィット

コンパクトクラスとしては、フィットの後席の広さは最大級。収まりの良いシートに加えて足元スペースも広々と、快適性も申し分なし。

icon フリード

  • 全長4295mmとフィット比で300mmほど大きくなるが、3列シート仕様が選べることがフリードの強み。

  • キャビン快適性重視ならば検討の余地あり。

キャビン機能はフリードが有利だが それ以外はフィットが大きくリード

 次期フリードは新型フィットをベースに開発されるのは間違いないが、フルモデルチェンジはまだまだ先の話。コンパクトモデルにもある程度のキャビン実用性を求めるユーザーならば、装備や機能が一世代前になるとはいえ、フリードとの違いも気になるだろう。

 キャビンの広さに関してはミニバンのフリードが勝るが、それ以外のアドバンテージはほとんどない。従来型のフィットとの比較でも動力性能の余裕などは劣っており、その差は新型になってさらに拡大している。

 フットワークはファミリーユースに適した柔らかさを持ち、この味付けはフィットと共通するが、揺動振動の多さと高速操安の頼りなさがウイークポイントに感じる。ホンダセンシングは備えているが、それでも長距離ツーリングはどちらかと言えば苦手だ。

 最新機能が満載のフィットが相手では、3列シートが絶対に必要という理由がなければ、フリードを選ぶメリットは少ない。

BATTLE5 フィット vs N-BOX

icon フィット

ハイブリッド車はもちろん、ガソリン車で比較しても、ドライバビリティや燃費性能、運転支援機能はフィットの方が断然上。

icon N-BOX

スーパーハイトワゴンとしては走りはトップレベルだが、登録車と比べると車格差を感じてしまう。最新のフィットとならばなおさら。

最新フィットとの 性能差は歴然! N-BOXが勝る部分は 経済性のみ

 4名乗車でもゆとりの室内を持ち、高いアイポイントがもたらす見晴らしの良さを実現。高速安定と素直さを両立した走りなど、N-BOXは多くのダウンサイザーを獲得したことでも知られているモデル。経済性のみならず、キャビンの広さや多彩なユーティリティのバランスの良さを目的に、歴代フィットからN-BOXに乗り換えたユーザーも多く、比較対象として比べてみる意味は十分だ。

 とはいえ、登録車と軽自動車との車格差は想像以上に大きく、特に動力性能の差は如何ともし難い。N-BOXのターボ車でもフィットのガソリン車には及ばない。また、空間感覚と乗り味がもたらす寛ぎ感も明らかにフィットが勝る。

 装備や機能もN-BOXにはホンダセンシングが標準装備され、車載ITも通信連携ナビが装着可能と軽自動車としては最上級クラスだが、そのことを考慮してもフィットの方がその1枚上手をいく印象だ。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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