新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.11.26 / 掲載日:2025.11.26
《注目SUVベストバイ!》クラウンエステート vs クラウンスポーツ
人気SUV、どちらがベストバイ? 注目SUVの選び方を解説
SUVは今やクルマ選びの主役。コンパクトからミドルクラス、さらに高級志向のモデルまで、多様な選択肢から選ぶことが可能だ。ここでは注目度の高い人気SUV8モデルを比較。デザインやサイズ感から、キャビン空間、実用性、そして走りのキャラクターまで、それぞれの個性と魅力を解説しよう。
解説:渡辺陽一郎
※本記事の内容は月刊自家用車12月号制作時点(2025年10月中旬)のものです。
TOYOTA クラウンエステート vs TOYOTA クラウンスポーツ

異なる個性を持つ二台。コスパではスポーツが勝る
ボディはクラウンエステートの方が大柄で、全長は4930㎜、ホイールベースは2850㎜。クラウンスポーツと比べると、全長は210㎜、全幅は80㎜大きくなる。このサイズ差はキャビン居住性にも影響しており、後席の膝先空間は、スポーツは握りコブシ2つ分、エステートは2つ半と違いがある。また荷室スペースを通常時で比較すると、スポーツの荷室容量は397ℓ。エステートは1・4倍の570ℓとそれなりに差がある。ちなみにエステートの最大荷室長は約2mと、レジャーなどへの対応力が高い。車中泊でも使いやすい。
パワーユニットは、両モデルとも2.5ℓ直4エンジンをベースにしたハイブリッドとPHEV(充電も可能なプラグインハイブリッド)を設定するが、エンジン+モーターの相乗効果から導かれるシステム最高出力は少し異なる。PHEVは両モデルとも306PSと同数値だが、ハイブリッドは、スポーツは234PS、エステートは243PSと少し差がある。スペックはエステートが有利だが、80㎏の車両重量の差や、ホイールベースの違いを考えれば、スポーツは峠道などを走りたいユーザーに似合い、エステートは4名で長距離を移動するロングツーリングに適したモデルといえる。
価格は、スポーツのハイブリッドZが590万円で、エステートのハイブリッドZは635万円。エステートに装着されるルーフレールなども含めて、ボディの拡大に伴う対価は45万円見当になる。実用性の違いを考えると価格差は30万円ほどが妥当で、エステートは約15万円割高にも思える。
クラウンエステートのオススメグレードは、PHEVのRSに比べて175万円安いハイブリッドZだ。RSには後席シートヒーターなど20万円相当の装備も加わり、国が交付する補助金額の60万円を差し引くと、実質的な価格差は95万円ほどになるが、他のトヨタのPHEVモデルと比べると負担が大きい。急速充電に対応し、BEV的な運用も可能なことは魅力だが、価格と性能のバランスを考えると、ハイブリッドZの方が推せる部分が多い。
クラウンスポーツもハイブリッドを推奨する。最新改良でベーシックなGも加わった。ハイブリッドGは割安で、Zから55万円相当の付加的な装備を省きながら、価格は70万円安くなっている。もちろん、安全関連など必要不可欠な装備機能はGにも標準装着されるから、Gをベースに必要な装備を足していけば良いだろう。
TOYOTA クラウンエステート

ワゴン的な役割も担うクラウンの新しい魅力
新世代クラウンシリーズとして最後に登場した注目モデル。大柄なボディがもたらす圧倒的な後席空間と広大な荷室が特徴で、快適なレジャードライブを追求したステーションワゴンに近いキャラも併せ持つ。パワートレーンは2.5ℓハイブリッドとPHEVで、全車E-Fourの4WD仕様となる。最新電動制御の恩恵により走りの質の高さも高く評価されている。





■主要諸元(ESTATE RS) ●全長×全幅×全高(㎜):4930×1880×1625 ●ホイールベース(㎜):2850 ●最低地上高(㎜):165 ●車両重量(㎏):2080 ●パワーユニット:2487㏄直4DOHC(177PS/22.3㎏・m)+モーター(フロント:134㎾/270N・m、リヤ:40㎾/121N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●最小回転半径(m)5.5 ●駆動方式:4WD ●WLTCモード総合燃費:20.0km/ℓ ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)マルチリンク式(R) ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●タイヤ:235/45R21
TOYOTA クラウンスポーツ

「走りのクラウン」を体現する最新のドライバーズSUV
トヨタプレミアム戦略を担う新世代クラウンシリーズの中でも異色な存在。流麗なクーペSUVスタイルが特徴で、スポーティなイメージを強調。パワートレーンは2.5ℓハイブリッドとPHEVを設定し、特にPHEVは1ランク上のハイスペックで、高い動力性能と環境性能を両立。内装も上質で、ドライバーとの一体感を重視した設計により、走りの楽しさを提供するモデルだ。





■主要諸元(SPORT RS) ●全長×全幅×全高(㎜):4720×1880×1570 ●ホイールベース(㎜):2770 ●最低地上高(㎜):155 ●車両重量(㎏):2030 ●パワーユニット:2487㏄直4DOHC(177PS/22.3㎏・m)+モーター(フロント:134㎾/270N・m、リヤ:40㎾/121N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●最小回転半径(m)5.4 ●駆動方式:4WD ●WLTCモード総合燃費:20.3km/ℓ ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)マルチリンク式(R) ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●タイヤ:235/45R21