新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.11.25 / 掲載日:2025.11.25
《注目SUVベストバイ!》フォレスター vs エクストレイル
人気SUV、どちらがベストバイ? 注目SUVの選び方を解説
SUVは今やクルマ選びの主役。コンパクトからミドルクラス、さらに高級志向のモデルまで、多様な選択肢から選ぶことが可能だ。ここでは注目度の高い人気SUV8モデルを比較。デザインやサイズ感から、キャビン空間、実用性、そして走りのキャラクターまで、それぞれの個性と魅力を解説しよう。
解説:渡辺陽一郎
※本記事の内容は月刊自家用車12月号制作時点(2025年10月中旬)のものです。
SUBARU フォレスター vs NISSAN エクストレイル

ともに中心はハイブリッド、走りの個性の違いに注目
全長4500〜4700㎜に設定されるミドルSUVは、選び甲斐があるカテゴリー。居住空間や荷室が広いにもかかわらず、全長が4700㎜以下と街中でも扱えるサイズ。機能装備のバランスが優れていることもあって、モデルも多く、販売も好調だ。
今購入できるミドルSUVの中で注目したいのは、フォレスターとエクストレイルだ。両モデルともハイブリッドが主力で、動力性能と燃費のバランスに優れる。
フォレスターのS:HEVは、スバルの水平対向エンジンにシリーズパラレル式を組み合わせた最新ハイブリッドで、モーターとエンジンの特徴を併せ持つ運転感覚を売りにしている。2.5ℓエンジンを搭載したことで、動力性能の余裕も際立つ。
一方、エクストレイルのe-POWERは、エンジンは発電専用で、駆動はモーターのみが行うシリーズ式を採用。アクセル操作に対して車両が機敏に反応する特性で、走りはスペックの数値以上に力強い。エンジンも圧縮比を変化させる画期的な機構を備えた最新ターボで、発電効率も優秀だ。
車両重量は、エクストレイルがフォレスターよりも約100㎏重く、曲がる時の挙動変化も少し大きめ。フォレスターの方が軽快な印象だ。その代わり乗り心地は、重みの分だけエクストレイルが快適だ。
キャビンスペースは、同等。後席に座る乗員の膝先空間は、ともに握りコブシ2つ半の見当だ。通常時の荷室容量は、フォレスターのS:HEVは478ℓ、エクストレイルは575ℓと、20%ほどエクストレイルの方が余裕がある。
どちらも幅広いニーズに応えてくれるが、エクストレイルは居住性や積載性を重視するファミリー、フォレスターはスポーティな走りを好むユーザーに向いている。
フォレスターのオススメはプレミアムS:HEV EX。価格は約460万円とターボ車のスポーツEXよりも約40万円高くなるが、装備分で3万円相当、購入時に納める税額は約9万円安いことを考慮すると、実質的な価格差は約28万円。走りも上質だから注目だ。エクストレイルのオススメは、4WDのX・e-4ORCE。価格は約435万円と、2WDに比べると約30万円高だが、エクストレイルの4WDは、最新の駆動制御が組み合わされることもあって、オンロードでもメリットを感じることができる。走りの質感を重視するならば積極的に選ぶ価値は大きい。またXは、装備面でも実用装備が充実しているので、割安感もある。
SUBARU フォレスター

最新S:HEVモデルは走りも燃費も自信あり
初代からレジャービークルの基本コンセプトを追求するミドルSUV。スバル伝統の水平対向エンジンと縦置4WDレイアウトによりオン&ラフロードで秀逸な走行安定性と軽快なハンドリングを実現。現行型は1.8ℓターボと最新ハイブリッドのS:HEVが設定され、とくにS:HEVはプレミアムな走行感覚が高く評価できる。長距離レジャーも快適にこなすスバルらしい一台だ。





■主要諸元(プレミアム S:HEV EX) ●全長×全幅×全高(㎜):4655×1830×1730 ●ホイール(㎜)ベース:2670 ●車両重量(㎏):1750 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2498㏄水平対向4気筒DOHC(160PS/21.3㎏・m)+モーター(88㎾/270N・m) ●トランスミッション:リニアトロニック ●駆動方式:シンメトリカルAWD(クラッチ開放制御) ●WLTCモード総合燃費:18.4km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)/ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:235/50R19
NISSAN エクストレイル

大胆なフェイスリフトでスタイリングを一変
e-POWER技術を駆使した日産を代表するプレミアムミドルSUV。ターボエンジンとモーター駆動の組み合わせにより、強力かつ洗練された走りを提供。今夏実施のマイナーチェンジでは、大胆なフェイスリフトに加え、Googleベースの車載IT「ニッサンコネクト」を搭載。カスタムモデルを大幅強化するなど、走りの楽しさや個性を求める選択肢がプラスされた。





■主要諸元(G e-4ORCE) ●全長×全幅×全高(㎜):4690×1840×1720 ●ホイールベース(㎜):2705 ●最低地上高(㎜):185 ●車両重量(㎏):1880 ●パワーユニット:1497㏄直3DOHCターボ(144PS/250㎾)+モーター(フロント:150㎾/330N・m、リヤ:100㎾/195N・m) ●最小回転半径(m):5.4 ●駆動方式:4WD ●WLTCモード総合燃費:19.4km/ℓ ●サスペンション:ストラット式(F)マルチリンク式(R) ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●タイヤ:235/55R19