新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.11.23 / 掲載日:2025.11.23
《注目SUVベストバイ!》クロスビー vs ヤリスクロス
人気SUV、どちらがベストバイ? 注目SUVの選び方を解説
SUVは今やクルマ選びの主役。コンパクトからミドルクラス、さらに高級志向のモデルまで、多様な選択肢から選ぶことが可能だ。ここでは注目度の高い人気SUV8モデルを比較。デザインやサイズ感から、キャビン空間、実用性、そして走りのキャラクターまで、それぞれの個性と魅力を解説しよう。
解説:渡辺陽一郎
※本記事の内容は月刊自家用車12月号制作時点(2025年10月中旬)のものです。
SUZUKI クロスビー vs TOYOTA ヤリスクロス

総合力に優れるヤリスクロス。新登場のクロスビーが猛追中
標準のヤリスクロスは全長4180㎜、全幅1765㎜という手頃なサイズもあって運転がしやすく、内外装のデザインも都会的。2025年には1か月平均で約7220台が登録されており、これを超えるSUVは約8030台に達したトヨタ・ライズしかない。
一方、クロスビー(先代)の1か月平均は約1000台。もともとクロスビーは、「軽自動車のハスラーに似た小型車が欲しい」というニーズに基づいて開発されたモデルで、可愛らしいイメージを武器としていた。そのためSUVとしては少し存在感が乏しく、これが販売が伸びなかった理由といえる。そこで10月に発売された新型は、装備機能の近代化に加え、デザインの方向性も変えてきた。
ヤリスクロスのフロントマスクは鋭角的なイメージで、全幅も余裕のあるサイズ。そのためフェンダーまわりも張り出していてカッコイイ。
新型クロスビーは、デザインを変えたとはいえ、やはりハスラーを連想させる。キャビンの空間効率を重視するパッケージの影響でフロントウインドゥを立てており、さらに5ナンバーサイズ(全幅1670㎜)だから、ヤリスクロスのようなボリューム感は希薄だ。
その代わり、普段使いでの実用性は優秀。全長は3760㎜だから、ヤリスクロスよりも420㎜短く、最小回転半径も軽自動車並みの4.7m。5.3mのヤリスクロスよりも小回りも利く。さらに大きな違いを感じるのがキャビンのゆとり。身長170㎝の大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は、ヤリスクロスは握りコブシ1つ半だが、クロスビーは2つ以上が確保される。クロスビーは街中で運転しやすく、4名乗車が中心というユーザーにはオススメできる美点が多い。
パワーユニット視点では、ガソリンエンジン(NA)とハイブリッドが選べるヤリスクロスの方が選択肢は豊富。オススメは動力性能と燃費のバランスに優れたハイブリッド車で、なかでも実用装備を充実させたハイブリッドGの2WDの買い得感が高い。ハイブリッドGの価格は、ガソリンのGよりも約37万円高いが、購入時に納める税額は約9万円安くなるため、実質価格差は約28万円に縮まる。
クロスビーはマイルドハイブリッドのみで、2種類のグレードが設定。上級のハイブリッドMZには、ハイビーム走行時に対向車の眩惑を抑えるアダプティブハイビームやアルミホイールなど22万円相当の装備が加わる。ハイブリッドMXと比べた時の価格アップは約18万円に抑えたからハイブリッドMZの方が割安だ。
SUZUKI クロスビー

ハイトワゴンとSUVを絶妙にバランスさせた一台
小型登録車としては最小クラスのコンパクトSUV。高い全高を活かした広いキャビンスペースと、愛らしさからタフネスへと進化した角張ったデザインが特徴。ソリオと共通の1.2ℓマイルドハイブリッドエンジンを搭載し燃費を改善。最新の運転支援機能や、撥水シート、防汚荷室などレジャー志向の装備も充実。日常の使い勝手と多用途性を両立させていることも魅力だ。





■主要諸元(HYBRID MZ 2WD) ●全長×全幅×全高(㎜):3760×1670×1705 ●ホイールベース(㎜):2435 ●車両重量:990㎏ ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1197㏄直列3気筒DOHC(80PS/11.0㎏・m)+モーター(2.3㎾/60N・m) ●トランスミッション:CVT ●駆動方式:FF ●WLTCモード総合燃費:22.8km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストレット式(F)/トーションビーム式(R) ●タイヤ:175/60R16
TOYOTA ヤリスクロス

燃費と動力性能の絶妙バランスが際立つ
ヤリスをベースに開発されたコンパクトSUV。ヤリスより100㎏以上重い重量ハンデを感じさせない軽快な走りと、優秀な燃費性能が大きな強み。硬めのサスチューニングながら、乗り心地の良さと安定感の高さも高く評価されている。E-Fourやマルチテレインセレクトによる高い悪路走破性も併せ持つなど、オールマイティに使える万能タイプだ。





■主要諸元(GR SPORT 2WD) ●全長×全幅×全高(㎜):4185×1765×1580 ●ホイールベース(㎜):2560 ●車両重量:1180㎏ ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1490㏄直列3気筒DOHC(91PS/12.2㎏・m)+モーター(59㎾/141N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●駆動方式:FF ●WLTCモード総合燃費:25.0km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストレット式(F)/トーションビーム式(R) ●タイヤ:215/50R18