新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.10.16 / 掲載日:2025.10.16
新型エクストレイルvsライバル《メカニズム&装備》
NISSAN 新型エクストレイル vsライバル全方位比較
熟成を進め新デザインとなったエクストレイル。強敵だらけのミドルサイズSUVテゴリーにあらためて着目し、実用志向の主要モデルを横並びで比較してみよう。
●文:川島茂夫





《メカニズム&装備》
各車各様のパワトレが個性や差別化を演出
各車の主力となるHEV系パワートレーンはエクストレイルがシリーズ式、アウトランダーとZR-Vはシリーズ式をベースに航続巡航時にのみ作動する直動機構を備えたシリーズ/パラレル、RAV4とフォレスターは動力分割機構によりシリーズ式とパラレル式を融合させたスプリット式を採用。また、アウトランダー全車及びRAV4の最上級モデルは外部からの充電及び純電動走行距離を延伸したPHEVを採用している。
興味深いのは各車各様の4WDシステムだ。エクストレイルとアウトランダー、RAV4のHEVは前後が独立して制御されるツインモーターの電動式4WD。RAV4の内燃機車及びZR-V、フォレスターは機械式4WDを用いている。RAV4は3タイプの4WDシステムをパワートレーンやグレードで使い分けている。
なお、RAV4とアウトランダー、フォレスターは4WD車のみであり、この5車で2WDを選択できるのはエクストレイルとZR-Vの2車となる。
エクストレイルとアウトランダー以外には内燃機車も設定され、RAV4はNA2ℓ、ZR-Vは1.5ℓターボ、フォレスターは1.8ℓターボを採用する。
NISSAN 新型エクストレイル
可変圧縮の「VCターボ」で発電して完全電動走行
発電を司るエンジンには可変圧縮比を採用した1.5ℓターボを採用。シリーズHEVながら内燃機設計もかなり斬新。また、4WDシステムには100kWの最高出力を発揮する後輪駆動用モーターを採用し、主駆動輪を前輪とした4WDシステムながら後輪の駆動力を積極的に活用。低速から力強く、重重量を意識させない運転感覚は格上クラスを思わせる。


SUBARU フォレスター
S:HEVの採用やアイサイトXの設定など、上級メカを用意
現行型の大きなセールスポイントが遊星ギヤを用いた動力分割機構によるスプリット式HEV。これにより2.5ℓ級と同等以上の性能を備えながらWLTCモードで18㎞/ℓ以上の燃費を達成。ガソリン車はレヴォーグにも展開する1.8ℓターボを搭載する。また、全グレードに渋滞時ハンズオフなどの条件付きの自動運転機能を備えたアイサイトX仕様を設定。


TOYOTA RAV4
ガソリン車はメカ式と電気式、HEV車は電気式の4WDを設定
HEVモデルは後輪駆動用に独立制御の40kWモーターを採用したツインモーター式。ガソリン車は標準系には一般的な電子制御タイプ、上級グレードにはリヤにソリッドデフをベースに左右のトルク量を電子制御する採用したトルクベクタリング式。多様な4WD設定はRAV4のコンセプトのハード面の象徴だ。

HONDA ZR-V
値頃なターボ車を用意。4WDはシャフトを介した機械式だ
HEVシステムは巡航時にエンジン直動を行うシリーズ/パラレル式を採用。加減速では即応性に優れるシリーズ式制御となるが、癖のない扱いやすさを要点とした設計だ。ガソリン車はステップワゴン同様に1.5ℓターボを採用。切れのいい加速感のスポーティな運転感覚が見所。4WDはHEV、ガソリン車ともに電子制御カップリング式を採用する。

MITSUBISHI アウトランダー
前後のモーターを精密に制御。等価EV走行距離は100㎞を超える
HEVシステムには巡航時直動機構を備えたシリーズ/パラレル式を採用。また、全モデルとも前85kW/後100kWのツインモーター式4WDを採用。前後のモーターの最高出力を見ても分かるようにトラクションとハンドリングは同車のこだわりのひとつ。なお、WLTCモードにおける満充電航続距離は102㎞であり、日常用途ならBEVとして使用できる。


ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。