新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.10.16 / 掲載日:2025.10.16
新型エクストレイルvsライバル《キャビン&ユーティリティ》
NISSAN 新型エクストレイル vsライバル全方位比較
熟成を進め新デザインとなったエクストレイル。強敵だらけのミドルサイズSUVテゴリーにあらためて着目し、実用志向の主要モデルを横並びで比較してみよう。
●文:川島茂夫





《キャビン&ユーティリティ》
実用性はいずれも上々。3列シートも要チェック
一般的なキャビン実用性の目安は荷室を含む室内有効長だが、かさばる荷物の積載では室内高やルーフ形状も要点になり、SUVは高さを稼いでいるのが特徴だ。比較5車の室内高はフォレスターが最大、最小はZR-Vとなる。体感での広さの印象も車内寸法に準じた印象を受けるが、荷物の積載性に限るならZR-Vは後席格納機能によって他車に劣らない実用性を備えている。
キャビン実用性の5車比較で突出したアドバンテージとなるのはエクストレイルとアウトランダーの3列シートである。サードシートはミニバンと比較するとレッグスペースもヘッドルームも余裕がなく、いわゆる「プラス2」レベルの実用性しかない。多人数乗車頻度の高いユーザーには勧め難いが、小児の送迎等で6名以上の乗車機会があれば見逃せない。
インパネ周りはフォレスター以外はタブレット型のDA(モニター)など最近の乗用車の流れを汲んだデザインでまとめられている。その点、縦長の大型モニターをクラスターで囲むフォレスターが最も個性的。縦長を活かした表示や操作性も良好だが、デザイン的には保守的な印象もあり、評価は嗜好による部分も大きくなる。
NISSAN 新型エクストレイル




デザインは現代的で機能的。7人乗り仕様も用意される
横長のタブレット型モニターや集中配置された操作系等、コックピットは現代的なセンスで整理された機能感が印象的。大人っぽいプレミアム感と言い替えてもいい。実用面の特徴は3列シート仕様の設定。後席は緊急レベルの居住性であり、また格納時の荷室容量が2列シート仕様よりも狭くなるが、多人数乗車の機会もあるユーザーには救い。
SUBARU フォレスター




縦型の大型センターディスプレイが特徴的。積載性は標準以上だ
縦長の大型センターディスプレイはスマホとの連携の他にドライブモードの選択などグラスコックピット的な機能。タッチパネルは走行中の操作性に劣るが、先進感と情報表示量がメリット。キャビン実用性は後席使用時の積載性に多少のアドバンテージはあるものの、スペース的に他車を圧倒するものではなく、レジャー用途の要点を押さえた設計。
TOYOTA RAV4




個性の追求よりも万人向けを優先。基本に忠実な仕立てだ
外観同様にインテリアも奇をてらわず、初めて乗るドライバーにも馴染みやすい設計。最近の乗用車と比べるとスイッチ類が多いのがデザイン的にはやや古く感じられるが、見やすいところに扱いやすくスイッチを配するのは機能的には正しいアプローチ。後席格納は6:4分割のシングルフォールディングを採用し、使い勝手はオーソドックスである。
HONDA ZR-V




SUV的なタフさは控え目で、スポーティワゴン的な味わいだ
インパネ周辺のデザインはシビックなどの流れを汲むものであり、コンパクトにまとめられた操作系等によりSUVというよりスポーティカーを思わせるコックピットだ。室内高は比較車で最も小さいが、バックレストの前倒と連動して座面も沈み込ませるワンタッチダイブダウンにより後席収納時の積載性は良好。外観の印象以上に実用的だ。
MITSUBISHI アウトランダー



インテリアは外観以上にプレミアム。3列シートの設定もある
プレミアム感の演出は外観以上だ。ダイヤ柄のステッチや配色は高級セダンを彷彿させるものであり、比較的カジュアル志向が強めの同カテゴリーでも異彩を放っている。とはいえオン&ラフロードでの性能が売りもであり、ダイヤル式のドライブモードセレクターなど運転に関わる部分はSUVらしい仕立て。また、M以外は3列シート仕様も用意される。

ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。