新型車比較・ライバル車対決
更新日:2025.09.25 / 掲載日:2025.09.25
新型エクストレイル大研究《ライバル比較〜フォレスターほか〜》
NISSAN 新型エクストレイルのすべて
新エクストレイル登場 ! ライバルたちとの関係はどうなる?
マイナーチェンジで商品力が大幅強化された新型エクストレイル。ミドルSUVは強力なライバルがひしめく激戦区だけに、この秋以降も大きな注目を集めるのは間違いない。ここでは有力ライバルとの関係を確認してみたい。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久/日産自動車
もはやエントリーでも400万円台からが常識
ミドルSUVの標準的な排気量は。ひと昔前なら2ℓ級だったが、現在は2.5ℓ級と考えるべきだろう。理由としてはハイブリッドモデルの台頭が挙げられる。
エクストレイルはこのカテゴリーのハイブリッド専用化の先鞭となったモデルであり、次期RAV4もハイブリッド専用となる可能性が高く、全体的なエントリー価格の高騰も予想される。
ミドルSUVでも上と下との二極化が進みそうだが、最近はコンパクトSUVのプレミアム化が進んでいるだけに、性能や実用性をベースとしたカテゴリー再編すら考えられる状況だ。
こんな流れからすれば、ミドルSUVの上は、価格に見合う性能があるかどうかが、競争力向上の要点になりそう。そんな流れを汲み取るかのように、エクストレイルはマイナーチェンジで、オーテック&ニスモというNMCカスタムモデルを強化してきた。標準モデルに対してオーテックは70〜80万円高、ニスモは100万円強の価格差があるので、最上級のオーテックSSとニスモ・アドバンスドパッケージともなれば、600万円近い価格設定になっている。
もとよりエクストレイルは、内外装デザインだけでなく、走りの質の磨き込みにも積極的。プレミアム志向が強いコンセプトを売りにしている。そのため、実用面のコスパを求めるユーザーにとっては厳しいモデルといえる。これはマイナー後も変わっていない。
ロッククリークやソトアソビパッケージといったアウトドア寄りの設定も追加したが、標準モデルに関していえば、ライバルとの相関関係は従来と変わらない。
ただ、現行型が登場した当初とはライバル車の事情が変わっている。開発設計が新しいZR-Vこそ小改良レベルに留まるが、4月に発売されたフォレスターには、スプリット式ハイブリッドのS:HEVが追加され、RAV4は次期型を発表済み。国内向けのRAV4はハイブリッド専用モデルとなる模様だが、内外装を見る限り、とくにプレミアム性を追求した印象はない。ハイブリッド同士なら、現在と同じような位置付けだ。
また、エクストレイルと密接な関係を持つアウトランダーは、さらに距離が近づいた。アウトランダーはプレミアム感も特徴のひとつとしていて、エクストレイルの売りとなったNMCカスタムモデルと価格レンジが被っている。
このように各車各様に興味深い関係になりつつあるのが、ミドルSUVの実情。価格帯の幅は上に広がる一方だが、どの価格帯でもライバルがいる状況といえるのだ。
NISSAN 新型エクストレイル

SUBARU フォレスター

悪路適性の高さを大きな武器にしている
今年4月にデビューしたフォレスター。乗用車型プラットフォームながらタフな悪路走行にも対応できる4WD性能を持つことが強み。SUVのイメージどおりの性能や実用性を堪能できる一台だ。またスプリット式ハイブリッドを採用したS:HEVと、1.8ℓターボという、キャラが異なるパワートレーンが選べることも、走りにこだわるユーザーに人気が高い。
TOYOTA RAV4(次期型)

デビューの暁には強力ライバルになるのは確実
次期型は来年初頭の発売が有力。ソフトウェアの次世代プラットフォームとして開発されたアリーンの導入や、軽量小型化されたハイブリッa新グレードとしてGRスポーツが設定されるなど、従来のRAV4の路線からバリエーションを拡大することも見どころのひとつ。
MITSUBISHI アウトランダー

強化されたPHEVによりBEV的な運用も可能
先代から導入されたPHEVシステムがイチオシの見どころ。最新モデルでは、満充電での電動航続距離は102kmにもなり、状況によってはBEV的な運用も可能だ。また、ツインモーター4WDを活かした操安性の高さも大きなアドバンテージ。4輪の駆動トルクを能動的に制御して操安性を高めるS-AWCにより、オンロードでもオフロードでも質の高い走りが楽しめる。
HONDA ZR-V

ターボも選べるなどコスパの良さも大きな武器
CR-Vの実質的な後継モデルだがSUVとしては低全高のパッケージングを採用。スポーティなキャラを売りにしていて、ラフロードもこなせるが、オンロードを楽しむスポーティワゴンにも近い立ち位置だ。走りは癖がなく、全域で扱いやすいタイプ。e:HEVに加え、ターボもラインナップするなど、4WD車でも350万円から選べる手頃な価格設定も魅力のひとつだ。

ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。