新型車比較・ライバル車対決
更新日:2024.09.28 / 掲載日:2024.09.28

【三賢人ガチ評価】N-BOX vs デリカミニ・スーパーハイト軽、頂上対決

クルマ購入のときに気になるのがライバルの存在だ。そこで今回は人気車や気になる車種のライバル関係にフォーカス。一対一のガチンコ対決形式で「買うならどちらか」を解明する。もちろん、用途や着眼点によってどちらを選ぶかは変わってくる。クルマのプロの意見を参考に、自分にとっての“買い”の一台をみつけていただきたい。

ユーザー視点でプロが判定!!

今回の“買い”判定は本誌が誇るレギュラー執筆陣3人に依頼。クルマに求めるものや着眼点に共感できる執筆者をメインに、クルマのプロの様々な意見にじっくり耳を傾けていただきたい。

HONDA N-BOX × MITSUBISHI デリカミニ《スーパーハイト軽頂上モデル対決》

川島:買うならN-BOX

決め手は『総合力の高さは歴然だがデリカミニも魅力的な一台』

センタータンクレイアウトがもたらす後席居住性と積載性の高さは大きなアドバンテージだが、それに加えて日常域の乗り心地や高速安定性をもたらすフットワークの良さも大きな魅力のひとつ。スーパーハイト軽の中では求められる要素を最も高水準でまとめていることがN-BOXの強みだ。
にもかかわらず、妙に惹かれてしまうのがデリカミニの不思議な魅力。N-BOXと比べてキャビンのアレンジ性やドライバビリティを中心とした運転感覚などで及ばない部分があっても、ミツビシの金看板「デリカ」にふさわしいレジャービークル感覚は、このモデルでしか味わえない独自の魅力だといえる。また、この雰囲気をさらに高めてくれる純正アクセサリー類が豊富なことも見所だ。
乗員と荷物を快適に運ぶというスーパーハイト軽に求められる実用的な役割を重視するならば、総合力に優れるN−BOXをオススメするが、個性豊かなデリカミニを選ぶのももちろん“正解”だ。

スーパーハイト軽の重心の高さを意識させない走行安定性の高さが印象的。NA車でも高速走行を十分こなせるが、追い越し加速での余力感が高まるターボ車をオススメしたい。

まるも:買うならN-BOX

決め手は『普段使いで便利に使える軽自動車なら鉄板の選択肢』

ズバリ、FFを買うならN-BOX。4WDを買うならデリカミニ。もちろんN-BOXの4WDもしっかり作られているが、デリカミニは本家デリカD:5の開発者まで加わってオフロードテストを行ったり、タイヤサイズをわざわざ大きなものに変更したりと、レジャーユースへの熱量がハンパない。実際、軽自動車といえども「デリカ」の名に恥じない走行性能が与えられており、荒れた路面でもオンロードを走るのと変わらない安心感で走ることができる。
ただ、キャビン実用性はN-BOXが明らかに優位。ラウンジのようにスッキリとして使いやすいキャビンや、前後のロングスライド&ダイブダウンに対応する多彩なシートアレンジなど、N-BOXはさすがの使いやすさでスーパーハイト軽の便利さを満喫できる。中でもスロープ仕様はわずか3ステップで出し入れでき、アウトドアレジャーの重い荷物などにも使えて便利。走りもターボモデルの静粛性や上質感は軽基準を超えている。

後席座面チップアップ機構などの多彩なアレンジ機能もプラス。スーパーハイト軽はどのモデルもキャビン実用性は高いが、N-BOXはその中でも際立っている。

渡辺:買うならN-BOX

決め手は『デリカミニは高価格がネックN-BOXの標準車がイチオシ』

N-BOXは国内の最多販売車種で、2024年1〜6月の販売累計も1位だ。人気の秘密は、前輪駆動の軽自動車では最も広い室内空間にある。エンジンルームは補機類などの配置も工夫して短く抑えられ、全高も1800mm前後と高いから、大人4名が快適に乗車できる。燃料タンクは前席の下に備わり、後席を格納すると大容量の荷室になる。自転車も積みやすい。
一方、デリカミニはN-BOXと同じく軽自動車のスーパーハイトワゴンだが、内外装はSUV風だ。フロントマスクが個性的で、4WDは最低地上高が160mmだから悪路のデコボコや駐車場の段差を乗り越えやすい。乗り心地も柔軟だ。シートには撥水加工が施されて荷室も汚れを落としやすい。独自の特徴を備えるが、4WDは車両重量が1トンを超えるからターボが欲しい。そうすると選ぶべきグレードはTプレミアム・4WD(227万1500円)だ。予算が許せば魅力的だが、一般的にオススメできるのは、やはりN-BOX。標準グレード・FF(164万8900円)だ。

デリカミニのレジャーキャラは大いに魅力的だが、価格が高くなってしまうのが残念なところ。実用性やコスパを意識すると、N-BOXの方がバランスが良い。

HONDA N-BOX

●価格:164万8900〜236万2800円

●発表年月(最新改良):’23年10月(-/-)

パワートレーン 0.6ℓガソリン 〈FF/4WD〉 0.6ℓガソリンターボ 〈FF/4WD〉

1BOX型ミニバンに匹敵する室内高がもたらす居住性や積載性の高さ、スライド式リヤドアによる乗降性の良さなど、軽自動車にもかかわらず1台で多くのニーズを満たす、圧倒的な実用性を持っていることが強み。3代目となる現行型は、レジャー志向のウェイトを強くしたキャラが与えられている。パワートレーンとシャシーを大幅にテコ入れすることで走りの質も底上げ。高速操安性はこのクラスではトップレベルだ。

■主要諸元(標準仕様・FF)●全長×全幅×全高(㎜):3395×1475×1790 ●ホイールベース(㎜):2520 ●最低地上高(㎜):145 ●車両重量(㎏):910●駆動方式:FWD ●パワートレーン:658㏄直列3気筒(58PS/6.6㎏・m) ●WLTCモード総合燃費(㎞/ℓ):21.6 ●タイヤサイズ:155/65R14

MITSUBISHI デリカミニ

●価格:183万7000〜227万1500円

●発表年月(最新改良):’23年4月(-/-)

パワートレーン 0.6ℓガソリン 〈FF/4WD〉 0.6ℓガソリンターボ 〈FF/4WD〉

eKスペースをベースに開発された軽SUVモデル。丸目モチーフのデリカの顔を移植したフロントマスクや、大径タイヤの採用、それに伴う最低地上高の拡大で、アウトドアイメージを上手にプラス。レジャーワゴンとしてのキャラを与えたことも、デリカミニならではの強みになっている。4WD車は専用サスチューニングや降坂速度抑制制御(HDC)などを装備することで悪路対応力も向上させている。

■主要諸元(T Premium 4WD)●全長×全幅×全高(㎜):3395×1475×1830●ホイールベース(㎜):2495 ●最低地上高(㎜):160 ●車両重量(㎏):1060 ●駆動方式:4WD ●パワーユニット:659㏄直列3気筒ターボ(64PS/10.2㎏・m)+フロントモーター(2.7PS/4.1㎏・m) ●トランスミッション:無段変速機 ●WLTCモード総合燃費:17.5㎞/ℓ ●タイヤ:165/60R15

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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