新型シビック・RSとタイプRを徹底比較！

クルマを操る楽しさに重点を置いた新型シビックRSだが、気になるのやはり、タイプRとの違いだろう。両車とも現時点では6速MTのみの設定となっているが、一体どこが違うのか、RSはタイプRの廉価モデルなのか。RSとタイプRを徹底的に比較していく。

●文:川島茂夫　●写真:奥隅圭之

走行性能

最も大きな違いは搭載エンジンである。タイプＲは330PSに達する最高出力を発生する2ℓターボを搭載し、このパワーをFFの駆動方式を維持したまま速さに転化させるために開発されている。要するに最速ＦＦ車の座こそが最優先されたモデルなのだ。もっとも、強烈なパワーにドライバーが翻弄されるようでは最速ラップも難しく、効率よく力を引き出せる御しやすさも備わっている。ただし、そのスイートスポットは高負荷が基準。軽負荷では宝の持ち腐れである。

その一方、RSは軽〜高負荷で安定したコントロール性と心地よさを実現しているのが特徴。ロードセーリングの名に相応の心地よさがあり、長距離ツアラーとしても良質である。

タイプR

RS

エクステリア

タイプRのエクステリアは、ボンネットに連続高負荷走行に耐える冷却性を確保するエアアウトレットが彫り込まれ、リヤエンドには大型のウイングがそびえる。ホイールからは赤色のブレンボ製ブレーキキャリパーが覗き、スパルタンな存在感を放つ。

　一方、RSはヘッドランプ周りやホイールなどを黒色仕立てとするが、車体面の形状の変更や特別な付加物が加えられていない。迫力は控えめながらも、特別なモデルと分かるエクステリアのため、普段使いでも違和感はない。走行特性と同様に付き合いやすさが魅力。

タイプR

用途とキャラクター

MT限定のためマニア向けと誤解されそうだが、RSは安心快適なツーリング性能とファントゥドライブを高水準でまとめたモデル。良質なツーリングカーを求める多くのドライバーに適した特性だ。タイプRもマニア以外は扱えないという類ではないが、高速ツーリングも含めて普通の使い方では硬い乗り心地などのデメリットが大半。それもハードコアスポーツの醍醐味と言えないこともないが、生活を共にできるファントゥドライブならRSだ。

タイプR

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