新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.09.13 / 掲載日:2023.09.13

【検証】アルファード/ヴェルファイアオーナーは新型に買い替えるべき? 新旧の“違い”とは

従来型のオーナーは買い替えが正解なのか?

いずれ乗り換えを考えているユーザーにとっては、新型がどれほど従来型から進化したのか?が一番気になるはずだ。ここでは新旧で注目するべき“違い”の部分をお伝えしよう。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

左がアルファード、右がヴェルファイア。歴代同様にフロントマスクのデザインが異なるのは同じだが、先代ほどの違いは感じられない。その分、新型は走行性能で明確に差別化されているのだ。

従来型も魅力十分だが新型はそれ以上に進化

 寛ぎの演出にしても、走りの味わいにしても、新型に乗っているとプレミアムや高級へのこだわりを強く意識する。少々大袈裟に言えば「よくぞここまで、凄い!」であり、特に2列目シートが生み出すキャビンの居心地の良さには感嘆させられてしまう。

 ただ、冷静に従来型を思い出せば、初めてエクゼクティブラウンジシートに乗った時も同じような印象を受けたし、ハイブリッド車は走りの車格感や洗練感が、それまでのモデルを圧倒していた。新型と比べれば乗り心地に少し粗めの印象はあるが、快適性を重視した走りの志向は同じだった。

 ヴェルファイアに搭載されたターボは、車種構成上は従来型のV6(3.5ℓ)の後継にあたる。6気筒ならではのエンジンフィールが失われたのは残念だが、ターボのスポーティなパワーフィールは新たな魅力であり、同時に燃費と動力性能のバランスの良さは、従来のV6車から大きく改善されている。

 カタログ室内長は従来型から205㎜減少しているが、実際に乗り込んでサードシートに座った印象では、カタログ値ほどの違いは感じられない。多人数でも寛ぎ感は高いレベルをキープする。

 キャビン機能を新旧で比べると、2列目シートの座り心地の向上と、シート周りの利便機能が向上している。具体的には新型のエクゼクティブパワーシートには、従来型ではエクゼクティブラウンジシート限定だったシートヒーター&ベンチレーション機能が採用されたほか、新型のエクゼクティブラウンジシートには、マッサージ機能や着脱式リモコンパネル、回転格納式テーブルなどが採用されている。大まかにいってしまえば、新型は1グレード分上級にアップしたようなシート設計となっている。

 また、新旧比較で見逃せないのが、安全&運転支援機能の進化。新型のトヨタセーフティセンスは最新仕様に変更され、スマホを用いて車外からのリモコン駐車出庫機能を可能としたトヨタチームメイトも採用するなど、運転ストレス軽減や事故防止のレベルは相当に高くなっている。

 今回のフルモデルチェンジは、キープコンセプトであり、新型は、従来型の強みはそのままにユーザーからの要望を的確にキャッチアップした格好。レベルそのものが違うような革新的な向上はないが、何処を取っても新型が勝る。アルファード&ヴェルファイアに求めるニーズに変化がないので、従来型に乗っているオーナーが買い替えを焦る必要もないが、新型の進化や改善点を見れば、買い替えたくなる気持ちは良く分かる。

新型アルファード/ヴェルファイア

歴代モデルに引き継がれてきた落ち着きのある乗り心地のレベルがさらに1ランク上がった印象。一方、ハンドリング性能に関しては新型が圧倒的に良くなっている。

従来型アルファード/ヴェルファイア

乗り味も重質でプレミアムな走りは従来型も高いレベル。新型と比べると路面からの突き上げ感が少し強めと感じる程度で、今でも快適性に関しては国産車トップレベルの実力だ。
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ