車の最新技術
更新日:2021.12.24 / 掲載日:2021.10.12
カローラクロスは人気モデルとなれるか【ニュースキャッチアップ】

文●ユニット・コンパス 写真●トヨタ
(掲載されている内容はグー本誌 2021年10月発売号掲載の内容です)
日本を代表するスタンダードカーであるカローラがSUVになった。人気ジャンルのSUVとカローラというビッグネームのタッグは強力。今回は、カローラクロスがどのようなコンセプトや特徴を備えたモデルなのかを紹介していこう。
日本を代表するスタンダードカーが復活
1960年代の日本は高度経済成長期を迎え、さらに自動車交通が発達することで、一般的な庶民が「マイカー」を所有する時代が到来した。そんな時代に登場したのが初代カローラ(1966年)だった。
コンパクトな車体でありながら人目を引くデザインと充実した装備を与えられたカローラは一躍人気モデルとなり、わずか3年あまりで生産台数100万台を突破。さらに輸出モデルとしても成功し、3代目では車名別生産台数世界一の栄誉にも輝き、名実ともに日本を代表するスタンダードカーとなった。
近年、日本の市場とクルマが成熟していくにつれて存在感が薄くなりつつあったカローラだったが、現行モデルではデザインをスポーティに若返らせ、走行性能も大幅にレベルアップさせたことで復活した。そこへさらに、歴代初となるSUVモデル「カローラクロス」が登場することとなった。SUVが一時期の流行を超えて乗用車の定番モデルとなっている現状を考えると、まさに満を持しての登場である。
トヨタは、カローラという車種には、必要十分を超える「プラスα」の思想とユーザーに寄り添い進化を続ける使命があるという。このカローラクロスの登場により、カローラの復活は本物になったといえるのではないだろうか。


[CLOSE UP]時代とユーザーが求める形へと変化してゆくカローラ
シリーズとして初めてSUVモデルが追加された

セダン、ステーションワゴン、ハッチバックそしてSUVへとバリエーションモデルを増やしてきたカローラシリーズ。時代が変化し、ユーザーニーズが多様化するのに合わせてカローラも変化している。しかし、マイカーを所有する喜びを提供するスタンダードカーという立ち位置は変わらない。
SUVらしい視界のよさと充実したラゲッジスペース

従来モデルとの大きな違いが、高いヒップポイントによる見晴らしのいい視界。後席もシアターシートとなっている。ラゲッジスペースについても487ℓとクラス最大級を確保。手を使わずにバックドアを開ける「ハンズフリーパワーバックドア」も採用している。
メカニズムはシリーズを踏襲しながらSUV的にアレンジ

メカニズムの基本であるプラットフォームは、シリーズで共通するTNGA世代の「GA-C」を採用。最低地上高をアップし、リアサスペンションには低コストかつ乗り心地が確保できるトーションビーム式を使う。(4WDモデルはダブルウィッシュボーン式)


ハイブリッドに4WDモデルの「E-Four」を用意。リアに搭載されたモーターが後輪を駆動するシステムで、滑りやすい路面での安定した走行に貢献する。
SUVの価値を手頃な価格で提供
カローラクロスの開発にあたっては、ただこのサイズのSUVを開発するのではなく、コストパフォーマンスの高さを重要視したという。価格は安く、しかし内容は充実。それこそがカローラが長年定番モデルとして愛されてきた強みだ。SUVであっても、紛れもなくカローラなのだ。