車の最新技術
更新日:2019.11.13 / 掲載日:2019.11.13
【いま最も知っておきたい】最新技術とトレンド

クルマの技術発展は日進月歩であり、業界のトレンドも毎年のように変わってゆく。しかし、一度購入したら数年単位で乗ることになるものだけに、これからクルマを買おうという人にとって、そういった最新の情報は大変重要なものとなる。そこでまずは、2019年10月から11月にかけて開催された、2年に一度の自動車の祭典『東京モーターショー』に出展された注目のモデルを、各メーカーごとに出展内容を分析しながら紹介していこう。これを読めば自動車業界の最新技術とトレンドがわかる!
(掲載されている内容はグー本誌2019年12月号の内容です)
最新技術が人とクルマの新しい関係を構築する
モーターショーの主役はクルマであり、それらに採用された最新技術だ。これまでは、各社がこぞって“技術力をアピールする場”だった東京モーターショーだが、今年は趣向を変え、クルマが人とどう関わっていくのか、そのために必要な技術とはなにか。そんなアピールをするメーカーが多かったようだ。排気量とか馬力とか、速さといったスペックが、クルマの能力を図る尺度であった時代はもはや終焉を迎えたこと。さらに利便性や快適性といった数値化できない要件に対しても、これまでとは違うアプローチが必要であることが、各社のコンセプトカーによって明示されていた。
フィットやレヴォーグなど初公開された市販予定車についても、ここを正式発表の舞台とせず、現時点で実用化が可能な最新技術と、2020年以降の自動車業界におけるトレンドを占うモデルとして登場。近々、クルマの購入を検討している人には、新型登場によって確実に変化する市場動向を考えるうえで重要な情報となるだろう。
今回発表された技術、それらが搭載されたクルマは、大変革期を迎えつつある自動車界をリードしていくだろう。そして人、街、未来に新しい潮流をもたらし、カーライフを充実させてくれるのは間違いない。
トヨタ
クルマの自動化が進むべき方向を示唆
e-RACERをはじめとしたコンセプトモデルは、見た目こそ奇抜でショーカー的だが、人工知能、ロボティクスといった自動運転の要となる技術の開発進度がさらに加速していること、実用化が途方もなく遠い未来ではないことを感じさせてくれた。一方、近い将来に目を向けると、2020年の新車・中古車市場を大いに盛り上げると思われる新型ヤリスやMIRAIコンセプト、グランエース(トヨタ車体から出展)といった市販予定車も発売前とはいえ注目すべき存在といえる。
グランエース
ヤリス
MIRAI(ミライ)コンセプト
e-RACER
LQ
レクサス
電動化で走りの楽しさを根本から変える
レクサスは、電動化に向けた構想を具現化した「LF-30 Electrified(エレクトリファイド)」を出展するとともに、2025年には全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリン車を上回ることを目標とすると明言した。レクサスでは、モーターの駆動力制御による車両運動制御技術の開発を進めてきたが、これをさらに熟成・進化させることで“EV=エコ”という従来のイメージとは違う路線で、走りの楽しさ、さらに未来の高級車の在り方を提案していた。

LF-30 Electrified
ダイハツ
人の暮らしを変える次世代スモールの共演
ダイハツは4台のコンセプトカーを世界初公開。いずれも人の暮らしのなかで使われているシーンや使う場面で抱く気持ちをイメージして開発されている。自動運転技術を採用した未来のモビリティをはじめ、多用途に対応するべく換装可能な荷台を備えた軽トラック、アクティブライフをより楽しいものに変えてくれるミニバンや軽SUVといった、ダイハツが得意とする分野でも次世代のスモールカーによって、クルマをきっかけに元気になっていく暖かな未来の暮らしを提案。
WakuWaku(ワクワク)
TsumuTsumu(ツムツム)
WaiWai(ワイワイ)
IcoIco(イコイコ)
スバル
アイサイトはさらに進化を遂げた
クルマは移動手段であり、便利な道具だが、スバルはクルマという乗り物が、それだけにとどまらないことを新型レヴォーグプロトタイプで見せてくれた。独自の運転支援技術アイサイトは新開発のステレオカメラと4つのレーダーによって自動ブレーキの作動範囲を拡大。さらに、高精度マップとロケーターを加え、ハンズオフ走行の支援も可能にする。新開発エンジン、新プラットフォームも採用され、“誰もが自分の意思で、運転をどこまでも愉しめる未来”を提案している。

レヴォーグプロトタイプ
WRX STI EJ20ファイナルエディション
VIZIV(ヴィジヴ)アドレナリンコンセプト
日産
クルマが抱える問題を先端技術で解決する
ニッサン IMkとアリア コンセプトは、電動化、自動運転、コネクティビティを軸とした「ニッサン インテリジェント モビリティ」を具現化したモデルで、変革期を迎える自動車業界をリードする存在といえる。パワーユニットの電動化、高度に知能化した運転支援技術によって、交通事故や交通渋滞、排出ガスといったクルマを取り巻く問題が解決され、これまでにない自由で楽しい移動体験ができること、そしてクルマが人の生活をより豊かにする可能性を秘めている。
ARIYA(アリア)コンセプト
IMk
マツダ
EVでも“人馬一体”はしっかりと追求
マツダ初の量産型EV・MX-30は、これまで電動化に縁遠かったマツダの本気を国内外に示してみせた。35.5kWhリチウムイオンバッテリーと組み合わされる電動化技術「e-SKYACTIV(イー・スカイアクティブ)」を採用したEVだが、「人馬一体による走る歓び」を追求してきたマツダらしく、人間中心の開発思想に基づいたクルマ作りがなされている。電動化技術では後発だが、それだけにこれまでのEVの概念を覆すほどのトピックがあることは期待していいだろう。

MX-30
三菱
電動化の小型化で新たな未来を切り拓く
ダイナミックなスタイルをまとったMI-TECHコンセプトには、軽量・小型化した新しいPHEVシステムや4モーター方式の電動4WDといった三菱が独自に開発し進化させてきた技術が凝縮されている。環境意識の高まりによるダウンサイジング化は内燃機関だけでなく、電動化システムへも波及する可能性を鑑み、発電機をガスタービンエンジンとするなどの技術により小型化が図られている。また、この技術が、高性能EVシステムのコンパクトSUVをはじめ、さらに小型の軽自動車への搭載を可能にするなど、さらなるバリエーション拡充に貢献する。

スーパーハイトKワゴン コンセプト
ENGELBERG TOURER(エンゲルベルグツアラー)
MI-TECH コンセプト
ホンダ
日本だからこそ創れる新しい価値を提案
ホンダは電動化コア技術である高効率・低燃費な2モーターハイブリッドシステムを、小型車にも適用できるよう進化させ「e:HEV(イー エイチイーブイ)」と命名。これを、2020年2月に発売が予定されている新型フィットに搭載する。4代目となる新型フィットは、数値では表せない「感性価値」を追求し、欧州コンパクトにも比肩する質感をあらゆる部分で実現している。ユーザーのライフスタイルやライフステージに合わせた5つのタイプをラインナップする。

フィット
ホンダ e
アコード
スズキ
小さなクルマでもワクワク感をアピール
スズキは次の100年に向けて「大きな未来」を切り拓く、製品開発や技術開発の取り組みを披露。パーソナルコンパクトPHEVの「WAKUスポ」、ユニークなモバイルルーム自動運転車「HANARE」といったコンセプトカーによって、スズキが得意とする小さなクルマだからこそできる、自由な移動と実用性だけに特化しない楽しみやワクワク感を提案していた。遊べる軽自動車として一世を風靡したハスラーの次期型と目される、ハスラーコンセプトも注目を集めていた。

ハスラーコンセプト
WAKUスポ(ワクスポ)
HANARE(ハナレ)
【東京モーターショー出展モデルから紐解く】2019-2020人気モデルの中古車市場動向
東京モーターショーでは、コンセプトカー以外に市販前提のモデルも数多く出展された。今回も、すでに概要が決まっているフィットやヤリス(旧ヴィッツ)を中心に、市販予定のモデルたちの発売時期や発売後の市場への影響について予想する。
[トヨタ]ヤリス

世界標準を目指すグローバルコンパクト
他の出展車に先駆けて、10月17日に発表されたのが新型ヴィッツ改め、「ヤリス」だ。車名を欧州モデルの呼び名へ変更し、よりグローバルな雰囲気を携えてフルモデルチェンジする。1.5Lのハイブリッドシステムが搭載されること以外、詳細なスペックはまだ未発表だが、躍動感のある特徴的なフォルムに、上質な走りと高い静粛性を実現しているという。2020年2月中旬発売予定。
影響を受けそうなモデル
[トヨタ]ヴィッツ(現行型)
現行型は登場から約9年が経過。ロングセラーとなったため、相場にはかなり幅があるが、2017年以降の後期モデルは一気に狙い目に。
中古車中心価格帯 30万から160万円[日産]ノート(現行型)
ヤリスの燃費性能次第では、人気ナンバーワンコンパクトからも乗り換えが促進される。ついにe-POWERが中古車市場に増えるかもしれない。
中古車中心価格帯 30万から200万円
[トヨタ]グランエース

新型フルサイズミニバンはアルヴェルを超えるサイズ
トヨタのバン事業を担うトヨタ車体によって開発・制作された、3列シート6人乗り/4列シート8人乗りのラグジュアリーミニバン。押し出しの強いフロントデザインや豪華なインテリアには眼を見張るものがある。ボディサイズはアルファード/ヴェルファイアよりさらに大きく、日常使いには多少難があるため、VIPの送迎など法人による使用が多くなる可能性も高い。2019年内発売予定。
影響を受けそうなモデル
[トヨタ]アルファード(現行型)
同門対決となるが、グランエースの価格や排気量(出力)次第では、アルファード/ヴェルファイアから顧客が流れるかもしれない。
中古車中心価格帯 270万から580万円[日産]エルグランド(現行型)
グランエースの堂々としたグリルと体格は、日産のフラッグシップにも匹敵する迫力。現行型の古い年式はそろそろ乗り換え時だろう。
中古車中心価格帯 130万から360万円
[スバル]レヴォーグ

初のフルモデルチェンジで各種機能が現代的に進化
今回世界初公開されたのはプロトタイプだが、その完成度を見るかぎり、かなり市販モデルに近いものと考えてよさそうだ。現行型同様に、シャープでエッジの尖ったボディラインが特徴的で、より進化した新世代のアイサイトや、新開発の1.8L水平対向直噴ターボエンジン、そしてスバル初のコネクティッドサービスも搭載されるという。会場では2020年後半発売予定とアナウンスされた。
影響を受けそうなモデル
[マツダ]アテンザワゴン(現行型)
2019年7月の一部改良で、車名を「マツダ6」へと変更。レヴォーグとはデザインの方向性が大きく異なるため、市場への影響は少ないか。
中古車中心価格帯 120万から260万円[スバル]レヴォーグ(現行型)
スポーティワゴンの大本命として高い人気を誇るが、2014年の登場以来、初のモデルチェンジということで乗り換えの促進が予想される。
中古車中心価格帯 160万から290万円
[ホンダ]フィット

進化したハイブリッドでよりEVに近い感覚に
現行型となる3代目モデルは、登場後5年以上が経過。新車人気も落ち着いたところでフルモデルチェンジとなる。新型は、マイルドな顔つきが特徴で、シビックなどに採用された2モーター式のハイブリッドを小型・軽量化して搭載。ガソリンエンジンの設定も予想されるが、主力はハイブリッドだろう。「クロスター」と呼ばれるSUV風グレードの設定もトピックだ。発売は2020年2月と発表された。
影響を受けそうなモデル
[トヨタ]アクア(現行型)
新型フィットはハイブリッドが主力ということで、アクアからの乗り換えも大いにあり得る。初期型なら相場も高いことはないだろう。
中古車中心価格帯 30万から170万円[ホンダ]フィット(現行型)
新車販売の多かった人気車だけに、フルモデルチェンジに際して市場流通量も多くなりそうだ。特にハイブリッドの相場下落に期待。
中古車中心価格帯 50万から160万円
[スズキ]ハスラー

従来モデルのネガを潰して魅力を高める軽SUV
ネーミングは「コンセプト」だが、ほぼ市販車と思わる形で出展された新型ハスラー。エクステリアデザインは現行モデルを踏襲しつつも、より角ばった部分が強調され、インテリアは一新され現代的になった印象だ。ユーティリティの面では、従来モデルのネガをつぶして、室内スペースを有効的に使えるようにし、さまざまな部分で使い勝手の良さを高めている。2019年内の発売が予想される。
影響を受けそうなモデル
[ダイハツ]キャスト
同じ軽のSUVだが、曲線的なデザインと角ばったデザインでその方向性は異なる。2015年夏の登場につき、乗り換えは来夏以降か。
中古車中心価格帯 90万から140万円[スズキ]ハスラー(現行型)
デビュー後5年が経過し、2回目の車検を迎えるユーザーが乗り換える可能性は高い。ヒットモデルだけに物件数もそれなりに多くなる。
中古車中心価格帯 60万から160万円
[ホンダ]e

デザインはすでに高評価 新たな市場を開拓するか?
今回、日本で初公開となった小型EV(電気自動車)の「ホンダe」。レトロモダンなスタイリングは、デビュー前から評価が高く、ヒットモデルになることも考えられる。一回の充電での走行距離は少なめの200km前後、後輪駆動のコンパクトなEVということで新たな市場を開拓することになると思われるが、今のところライバルは不在だ。2020年のデビューがアナウンスされているが、予想は春頃。
影響を受けそうなモデル
[トヨタ]プリウスPHV(現行型)
ハイブリッドからPHEVへ、そしてEVヘと乗り換えるユーザーはいるはず。狙いは現行型が初の車検を迎える2020年2月以降だ。
中古車中心価格帯 240万から330万円[日産]リーフ(現行型)
ホンダeとは車格が異なるものの、独壇場だった市場にライバル登場となる。ボディサイズを持て余していた人は乗り換える可能性大。
中古車中心価格帯 210万から260万円
【自動車産業を動かすのは自動車メーカーだけじゃない!】次世代クルマ社会のトレンドを掴む
CASE、MaaS、LiDARは自動車業界を変革するのか!?
複数のアルファベットを組み合わせたいくつかのワードが自動車業界を賑わせている。これが意味するもの、そしてこれらがどう未来の自動車業界を変えていくのか、ここで紐解いていこう。
クルマの未来のために他業種企業も参画
今回の東京モーターショー会場でも多くの社長や代表者たちがスピーチで口にしたのが「CASE(ケース)」という言葉だ。これは上述のように、近未来のクルマ社会を持続・発展させるための4つのワードの頭文字をとったもので、各自動車メーカーにとって、直近の重要な開発分野であり、最大の課題でもある。 また、これらは規模の大きな話のため、従来の自動車メーカーだけでなく、IT企業や情報通信企業などの提携、参入も考えられる。もはや、クルマの未来はクルマだけの問題ではなくなっているのだ。
CASE
新時代のクルマの概念を表す4ワード
以下の4ワードの頭文字をとったものがCASE(ケース)だ。すでに実用化されつつある「コネクティッド機能」や「パワーユニットの電動化」などの技術をさらに進化させていくことは、自動車メーカーにとって身近な課題となっている。また、今後の自動車メーカーは、自動運転やシェアリングといったニーズにも対応していく必要がある。トヨタなどはすでにアナウンスしているが、自動車メーカーには、ただクルマを製造・販売するだけではなく、総合的なモビリティカンパニーへの進化が求められている。
Connected(コネクティッド)
車内にいながらインターネットや各種情報とリアルタイムで接続できるコネクティッドサービスは、トヨタのクラウンやカローラなどでも段階的に進められている。Autonomous/Automated(自動化)
2019年に日産が「ハンズオフ」運転を実用化した。逆にインフラ側はまだ準備が整っていないものの、ゆっくりと確実に、自動運転実現までの歩みは進められている。
Shared(シェアリング)
カーシェアも普及し始めているが、発展のためには自動車会社だけでなくIT企業など情報産業分野との連携が不可欠となる。いくつかのプログラムも動き始めている。Electric(電動化)
ハイブリッドの次はEV。米国では、すでにEVの販売比率が義務付けられている州もある。結果的にデジタルとの親和性が高くなり、他業種からの参入も増えることに。
MaaS

交通網を結ぶ移動スマート化戦略
CASE同様、近年目にすることが多くなったワードで、「マース」と読み、「Mobility as a Servise」の略。クルマを含む様々な交通手段をシームレスにつなぐ移動サービスのことで、情報の統合、予約や決済の統合、サービス提供の統合といった各段階が設定されている。現状、まだ実用化はされていないが、2年ほど前からJR東日本やトヨタなど複数の企業が積極的に参加する姿勢を示している。さらに政府も、国土交通省を中心に実用化を推進し、その投資戦略を発表している。
LiDAR

自動運転実用化のための“第三の目”
「Light Detection and Ranging」の略で、自動運転に必要な技術として注目を集めている光センサー技術。「ライダー」と読み、構造としては光を照射して、それが戻ってくるまでの時間でさまざまなものを計測する。近年はその進化もめざましく、無人航空機のドローンに搭載されることもあるほど。カメラやミリ波レーダーに続く、「第三の目」として、クルマにもすでに搭載されつつあるが、自動運転を実用化するための必須の技術として、さらなる技術革新が進められている。
【東京だけじゃない! 世界のモーターショーで見られた】クルマ新技術&トレンド
モーターショーは東京だけじゃない。ここでは、2019年に世界各地のモーターショーやCES(電気製品の見本市)などで発表された、最新のコンセプトモデルや新技術について紹介していこう。
トヨタ 出展:CES

安全運転支援システム「トヨタ・ガーディアン」はクルマと人間との調和を目指す
新世代の安全運転支援システム「ガーディアン」は、ドライバーが運転ミスをしたり注視を怠ったことにより、事故が発生しそうな場合、クルマが自動でブレーキやハンドル操作をするというもので、自動運転技術を利用した衝突回避システムとなる。
フォルクスワーゲン 出展:フランクフルトモーターショー

電動コンセプトモデル「ID.3」はEVの普及を広める次世代ゴルフ?
「ID」はフォルクスワーゲンの電動モデルにつけられる総称。フランクフルトショーで発表されたID.3は、ゴルフサイズのハッチバックで、実用的な航続距離が走行可能なモデル。まずは2020年に欧州で発売されるが、翌年くらいの日本での発売が期待される。
スバル 出展:ニューヨークモーターショー

最新型のアイサイトと2.4Lターボを搭載した新型「レガシィ アウトバック」を公開
2020年の日本導入が予想される新型レガシィ アウトバックには、大型のディスプレイが備わったインフォテインメントシステムや、ドライバーモニタリングシステムを組み合わせた新型アイサイトなどが搭載され、使い勝手と安全性能の進化がみられる。
アウディ 出展:ジュネーブモーターショー

「Q4 e-tron」はEV用プラットフォームを採用する電動コンパクトSUV
アウディ初のEVとして2020年中の発売が決定している「e-tron」の派生モデルとして、コンパクトSUV「Q4 e-tron」がジュネーブで公開された。小型とはいえ、SUVということで室内スペースもそれなりの広さがあり、一充電走行可能距離は450km以上と発表されている。
日産 出展:CES

ドライバーが見えないものを可視化してリアルとバーチャルを融合する「I2V」
これは「invisible to Visible」の略で、3Dインターフェースに現実世界と仮装世界とを融合した映像を映し出す技術。車内で3Dアバターやアニメキャラクターなどが同乗しているような、バーチャル体験をすることが可能となる。2030年頃の実用化を目指している。
【総括】トレンドは「電動化」だと実感させられたショー
今回の東京モーターショーで注目を集めたのがトヨタのブースだ。記者発表会が始まると、豊田章男社長が「このブースには1年以内に市販されるモデルがありません」と断言。たしかにトヨタブース内は、e-RASERやe-4me、e-TransなどEVのコンセプトカーばかり。もちろん、グランエースやヤリスなどの市販前提車も会場内の他ブースでは見ることができたものの、トヨタとしては、クルマをモビリティ社会のひとつの移動手段ととらえ、「移動を楽しむための道具」としての未来像を提示していたのが印象的だ。 他メーカーにおいても、ブース内すべてとはならないまでも、メインとして展示されているクルマは、ほとんどがEV。さらに、今回は初の分散開催ということで東西二つのブロックをつなぐ「OPEN ROAD」が設定されていたが、ここでは各種小型EVの試乗も楽しむことができた。現在のトレンドは、やはり「電動化」なのだと実感させられる東京モーターショーであった。
「PLAY THE FUTURE!」をテーマに展開されたトヨタブースでは、未来の街を彩るさまざまなEVを展示。
各ブースで存在感が際立っていたのはコンパクトモデル。「電動化」同様、「小型車」もひとつのトレンドと言える。
毎回恒例、会場で発表されるサプライズモデルとしては、ダイハツのブースに置かれた小型SUVに注目が集まった。