車の最新技術
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.25

車の安全装置や安全性能にはどんな機能がある?自動ブレーキについても解説

車の安全装置や安全性能にはどんな機能がある?自動ブレーキについても解説

グーネット編集チーム

車の運転は楽しいものですが、事故や危険がつきものです。そのため、各車製造メーカーは、ユーザーがより安全に車を運転できるように、車の安全装置や安全性能を開発しています。

ここでは、車の安全装置や安全性能の種類や機能についてご紹介していきます。

車の安全装置や安全性能の種類

車の安全装置や安全性能は大きく分けて2つの種類があります。
パッシブセーフティとアクティブセーフティです。

パッシブセーフティとは、パッシブ=受動的という意味からイメージできるように、シートベルトやエアバッグなど衝突事故が起きた時、運転手や事故当事者の被害を最小限に食い止める安全装置のことを指します。

これに対してアクティブセーフティとは、アクティブ=能動的という意味からイメージできるように、アンチロックドブレーキングシステム(ABS)のように事故が起こりそうな場面で発動し、事故を未然に防ぐ安全装置のことを指します。

各車メーカーがさまざまな安全装置や安全性能を開発しており、種類は多岐にわたります。
代表的なものは以下のとおりです。

パッシブセーフティの代表的な種類と機能

3点シートベルト

車に乗る際当たり前のように使っているシートベルトですが、50年前にボルボによって開発されたものです。日本では運転時のシートベルト装着が義務付けられるほど安全性能機能が高く、世界中の車に普及しています。

衝突安全ボディ

車体部分は強固な作りで乗客を守り、車体の前後は衝突時に簡単に潰れる構造にして、衝撃のショックを緩和するボディの作りのことです。

SRSエアバッグ

衝突時にエアバッグが膨らみ、乗客がエアバッグに衝突することで衝撃を緩和する効果があります。

歩行者障害低減ボディ

車のエンジンフードやバンパーに衝撃を吸収する構造を採用しており、歩行者と衝突した時に歩行者の受ける衝撃を緩和する機能です。

チャイルドシート

3点シートベルトは安全性能がとても高いですが、身体の小さい赤ちゃんや子どもでは十分機能しない場合がありました。そのため子どもの乗車時にチャイルドシートを義務付け、子どもにもパッシブセーフティを機能させています。

アクティブセーフティの代表的な種類と機能

アクティブセーフティの代表的な種類と機能

グーネット編集チーム

ABS

アンチロックドブレーキングシステムの略称です。急ブレーキの時などタイヤを急に固定すると車が路面を滑ることがあります。このようなときに自動的に少しずつブレーキをきかせて、タイヤを完全に固定しないことで路面滑走を防ぎます。

ESC

横滑り防止装置の略称です。急ハンドルや滑りやすい路面を運転している時に横滑りを感知すると、横滑りを防止するように車の運転をコントロールする機能です。

衝突被害軽減ブレーキレーダー等で前方の車との車間距離を監視し、車間距離が狭くなると運転手に音や光でブレーキ操作を促します。さらに車間距離が狭くなり、衝突の恐れがあるにも関わらずブレーキ操作が見られない場合は、自動的にブレーキが作動します。

以上に挙げたもの以外にもたくさんの安全装置や安全性能が開発されています。また、各メーカー独自の安全装置や安全性能もあります。

安全装置や安全性能については、国土交通省と自動車事故対策機構が、自動車アセスメントを行って評価しています。車の評価結果は自動車事故対策機構のHPから検索できるので、気になる車の安全性能をチェックしてみるとよいでしょう。

車の安全装置は0次安全の時代に

車の安全装置は「0次安全」の時代に入ったと言われています。0次安全とは、車の設計段階から、左右全ての窓から車外の低い位置の物体が見えるような工夫や、ドライバーのストレスを取り除くようなコックピット作り、事故を防ぐという考え方です。

もちろんこれらの設計と併せて、事故を未然に防ぐ安全装置の開発や装備が進んでいます。
ここでは、現在注目されている安全装置についてご説明していきます。

車線逸脱制御装置について

車線逸脱制御装置とは、車線の逸脱によって発生する事故を未然に防ぐための安全装置です。車に搭載されたカメラが車線のラインを認識して、車線内の走行を維持するよう制御をしたり、車線からはみ出そうになると、車線内に戻すようにハンドルやブレーキを制御します。

車線を逸脱した場合、隣を走っている車をはじめ、ガードレールや隣接している建物などに接触する恐れがあり、最悪の場合はセンターラインを越えて正面衝突の可能性も出てきます。それらを未然に防ぐうえで有効な機能が車線逸脱制御装置です。

ペダル踏み間違い加速抑制について

ペダル踏み間違い時加速抑制装置とは、ドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違えてしまうことにより発生する事故を防いでくれる装置のことです。

停止している時や低速走行時に、車に搭載されたレーダーやソナー、カメラが周囲の状況を検知し、ドライバーが操作するシフトやアクセル、ブレーキなどを認識して、前後の障害物を衝突の危険性がある場合、エンジン出力を抑えることなどで、急発進、急加速を抑制するように働きます。

後方視界情報提供装置について

後方視界情報提供装置とは、一般的にバックビューモニターと呼ばれる装置のことです。死角が生じやすく、事故の危険性が高くなるバック駐車やバック発進で、後方の視界情報がどれだけモニターに映し出されるかということがポイントになって開発されている機能です。特に車のすぐ後ろに幼児がいる場合や、左右の脇の死角エリア、少し離れたエリアでのどこまでモニターで確認できるかが性能の基準となっています。

自動ブレーキの性能・仕組みについて

衝突被害軽減ブレーキは、最近では「自動ブレーキ」とも呼ばれるようになってきており、この機能を採用する車種が増えています。ここでは、自動ブレーキの性能や仕組みについて詳しく解説していきます。

自動ブレーキの性能について

自動ブレーキという名前が先行していまい、どんな状況でも自動で停止してくれるようなイメージを持つユーザーも増えていますが、実際の性能はそこまでの域には達していません。まず、気を付けたいのは、メーカーや年式、搭載された車種による機能差が大きいという点です。

自動ブレーキ機能が作動する速度域についても、30km/h以下の低速に限定されているものから、100km/h以上でも作動するものがあり、センサーの性能によっては、車両だけしか検知できないシステムや、歩行者や障害物も検知できるタイプまでさまざまです。

また、いくら自動でブレーキが作動したとしても、タイヤやブレーキのキャパシティ以上の減速は不可能であり、速度が速ければ衝突を回避するのは困難になります。あくまでドライバーのエラーを補助する仕組みであって、機械任せにすれば全て安心というものではないのです。

自動ブレーキの仕組みとは?

自動ブレーキの仕組みの根幹は、前方との衝突を検知する装置であり、主に、赤外線レーザー、ステレオカメラ、ミリ波レーダーの3種類に分かれます。登場初期の自動ブレーキは、赤外線レーザーを使うことが多く、低速で対車両でしか機能しないものが主流でした。

高速域でも機能させようとすると、ミリ波レーダーかカメラが必要で、歩行者まで認識させるにもカメラが必要です。その意味においても、最近のモデルでは、ステレオカメラとミリ波レーダーや赤外線レーザーを併用し、検知できる対象の範囲や速度域のレンジを広げたタイプが一般的になってきています。

まとめ

車の安全技術は日々進化しており、運転しやすいシートやインパネのレイアウト、踏み間違いを防ぐペダルレイアウト、安全確保がしやすい窓の配置など、車の基本設計も見直されています。併せて、車線逸脱制御装置、ペダル踏み間違い加速抑制装置、後方視界情報提供装置、自動ブレーキなど、ドライバーを補助してくれる機能の搭載も進んでいます。

しかしながら、これらの安全装置は、あくまでも補助的な機能であることを認識し、自分自身が常に安全運転を心がけることが、最も大切だと言えるでしょう。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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