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更新日:2023.08.17 / 掲載日:2023.07.25

【BMW iX5 Hydrogen】BMWが水素自動車の実証実験を開始

文と写真●大音安弘
 BMWは、2023年7月25日、都内にて燃料電池車(FCV)「BMW iX5 Hydrogen」を日本初公開し、日本での公道走行の実証試験を開始することを発表した。

 燃料電池車(FCV)とは、電気自動車の一種だが、駆動用バッテリーを電源とするEV(BEV)とは異なり、水素を使って発電し、電動パワートレインへの給電及び駆動用バッテリーへの蓄電を行う。このため、BEVよりも車載システムが複雑化する反面、充電の変わりに必要な水素の充填時間は3~4分程度と短く、既存のエンジン車同等の使い勝手の良さを持つのが強み。このため、BEV(バッテリーEV)と共に、次世代エコカーの主力として成長することが期待されている。BMWグループでは、パリ協定で示された産業革命以前に比べ、世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力をするという目標を実現するためには、BEVと共に、FCVの活用が重要と考えている。その大きな一歩となるのが、今回の実験車なのだ。

BMWのユルゲン・グルドナー水素燃料電池テクノロジー・プロジェクト本部長と「BMW iX5 Hydrogen」の開発を指揮するロバート・ハラス プロジェクトマネージャーが来日した

 発表会場には、ドイツBMWグループ本社からユルゲン・グルドナー水素燃料電池テクノロジー・プロジェクト本部長と「BMW iX5 Hydrogen」の開発を指揮するロバート・ハラス プロジェクトマネージャーが来日。グルドナー本部長は、「BEVでも、ほとんどのニーズに応えられるが、全てではない。またBEVとFCVを合わせて活用することで、使い勝手の向上だけでなく、インフラコストが抑えられる。エネルギー効率だけでなく、実用性とコストを重視することで、より早く脱炭素を進めることができる」と、FCVの役割の重要性を語った。

BMW iX5 Hydrogen

 お披露目された実験用の燃料電池車「BMW iX5 Hydrogen」は、現行型のミッドサイズSUV「X5」をベースに、開発された燃料電池車(FCV)で、2019年に開催されたIAAショーでコンセプトカーとして発表。その後、2021年のIAAモビリティショーでは、プロトタイプへと進化。同ショーでシャトルカーとして活躍し、BMW製燃料電池車の実力を披露した。

 ビジュアル面は、現行型X5に準ずるもので、内外装にブルーのアクセントを施すなど差別化が図られている。専用仕様として印象的なのは、アイコンであるキドニーグリルの仕様であり、基本となる縦格子ではなく、メシュデザインに置き換えられている。このメッシュグリルは、3Dプリンターで製造されるという。同車は、実験用ではあるが、市販車同等の作りとなっており、エンジン車と同等レベルのキャビンやラゲッジのスペースも確保。フロア下に存在する水素タンクや駆動用バッテリー、電気モーターなどのシステムの存在は一切感じさせないパッケージングを実現している。

BMW iX5 Hydrogen

 同車の性能だが、駆動システム全体の最高出力が295kW(401hp)と力強いもの。0-100km/h加速が、6秒以下。最高速度が180km/h以上とBMWのSUVに相応しい高性能を誇る。約6kgの水素を充てん可能な水素タンクを備えており、航続距離は504km(WLTP)と公表される。上記にあるように水素の充填時間は数分間なので、ロングドライブでも、ストレスフリーでこなすことが出来る。

 開発を進めるプロジェクトマネージャーのハラス氏は、「iX5 ハイドロジェンは、世界で最もパワフルな乗用車用燃料電池システムを搭載している。EVの静かで滑らかな走りだけでなく、BMWらしい走りも実現している」とし、優れた環境車であるだけでなく、BMWファンの心を掴む仕上がりであることもアピールした。

 BMWグループは、2020年代後半にFCVの市場投入を計画しており、その実現に向けて、ドイツやアメリカでの同車を用いた実証実験を行っている。今回、車両に対する顧客要求の高く、国として水素社会実現にも取り組む日本でも実証実験を行うことで、製品開発へフィードバックを高めるのが狙いだ。100台弱が生産されたうち3台が日本に上陸し、日本各地での走行テストに加え、官公庁や行政機関、大学を訪問し、確保方面の専門家の視点から製品に対するフィードバックを貰う計画だ。得られたデータは、全てBMWグループ本社に送られ、製品開発に役立てられるという。

 2020年代後半の市場投入を予定されるBMW初の市販FCVが、「BMW iX5 Hydrogen」なのかは回答が得られなかったが、現行型X5のデビューが2019年だけに、同仕様のまま市販化される可能性が高そうだ。近年、BEVを中心とした電動車ラインアップの拡充に熱心なBMWだが、速い段階でのBEVやFCVへのシフトではなく、ピュアエンジン車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHEV)といった出来る限り複数のパワートレインの供給を続けていくとしている。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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