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更新日:2022.03.11 / 掲載日:2022.03.11
これから流行しそうなワイルド系SUV用タイヤ【九島辰也】

文●九島辰也 写真●BFグッドリッチ
最近タイヤ前線に変化が出てきました。クルマの多様化とともにそれに見合った商品をメーカー側が研究開発し、販売しています。クルマのトレンドに合わせるといった感じでしょうか。その観点からすると、最近EV用タイヤなんかが出現しているもわからなくありません。きっとこの1、2年くらいで各社猛烈に市場導入してくることでしょう。EVはトルクが大きいですから、耐摩耗性が重要なカギになるかもしれませんね。
それはさておき、今回はSUV用タイヤのお話をしたいと思います。中でもオフロード寄りのタイヤ。新車ではトヨタRAV4やランクル300系、プラド、それにジープラングラー、旧車ではランクル70系やハイラックスサーフあたりが超人気ですからね。三密対策のアウトドアブームと相まって、オフロードタイヤの注目度が上がっています。


そこに登場したのが、BFグッドリッチのトレールテレーン。あの老舗オフローダータイヤブランドがついに動き出しました。
特徴はご覧いただければわかるように、彼ららしいオフロードテイストを残しつつ、それでいてオンロード性能を上げたところ。トレッドパターンがクッキリ見えて他メーカーのオンロードSUV用タイヤより明らかにワイルドです。それにトレッドのサイド部分までしっかりパターンが描かれているのも個性的。オフロードでは横までグリップするのと同時に、見た目の信頼感があります。この辺は老舗オフローダータイヤブランドならではの着眼点でしょう。機能と見た目を両立させます。
サイズによって異なりますが、サイドウォールに「BF Goodrich」のホワイトレターが入ります。これも醍醐味。オフロード色の濃いSUVを格上げするばかりかテンションも上がります。このホワイトレターに憧れた“四駆乗り”は多いはず。かく言うワタクシもその一人です。
また、トレールテレーンはサイズが豊富なのもポイント。なんと15インチから22インチまで揃います。時代にマッチしているというか、我々のニーズにしっかり応えてくれています。昔はね、履きたくても履けないタイヤって多かったんですよ。純正ホイールに合わせるなんてまず無理だったし、無理やり履くとタイヤハウスの内側に当たりましたから。それにフェンダーからのはみ出しも大問題でしたし。車高上げれば済むってもんじゃないんですよね、こればっかりは。過去ワタクシも専門ショップに何度か助けてもらいました。
何をそんなに熱く語っているのかといえば、そもそもBF Goodrichは憧れのブランドです。老舗ヨンク雑誌でバイトしていた80年代からずっとその輝きを見つめていました。アメリカがあらゆる面で強かった時代の象徴でもあります。「ワイルドでタフなヤツ!」的な。
実際、今も愛車RAV4アドベンチャーに同ブランドのオールテレーンT/A KO2を履かせています。2.5インチのリフトアップとオーバーフェンダーでバシッと決めて。その昔はジープラングラーYJ型にマッドテレーンT/A KM2を履かせていました。ロールバーを入れた本気仕様にして。街中でかなり目立っていたと思います。

それじゃ新作トレールテレーンの乗り心地はどうなのかといえば、これが驚くほどいい。特にオンロード走行では乗り心地はもちろん静粛性も高く、普段使いにまったくもって支障ありません。コーナリングもピタッと安定させるし、ブレーキをかけた時の制動距離もワイルドなトレッドパターンからは想像できないほど短く止まってくれます。
オフロード走行もしっかりBF Goodrichしています。ダートやモーグル、ヒルクライムなど一通り試しましたが、期待通り、イヤイヤ期待以上でした。グリップ力は強く、溝の深いトレッドがしっかり路面を駆ってくれます。やっぱそこは抜かりないですね。心配無用でした。
ということで、ちょっとワイルドにSUVを乗りたい人に、このタイヤを進めます。近頃この手のタイヤは増えていますが、こちらが老舗ですから、ブランド力、信頼性はクラスが違います。で、もしサイズが合うのであれば、オールテレーンを履くのもいいでしょう。さらにテンションは上がります。もちろん、条件が整えば、マッドテレーンもあり。オフロードタイヤの王様です。
付け加えておくと、オールテレーンもマッドテレーンも見た目からは想像できないほど乗り心地は良く、扱いやすくなっています。そこに驚く方も多いことでしょう。SUVオーナーのみなさん、タイヤはリプレイスするものです。ドレスアップしてガンガン遊んじゃってくださいナ。
