BMWグループ　長期的な半導体確保のためサプライヤーと直接契約

　BMWは現地時間の12月8日、INOVAセミコンダクターズ社およびグローバルファウンドリーズ社との3社間契約を結び、年間数百万個の半導体を確保する予定と発表した。この供給網により長期的な半導体の確保につなげたい考えで、今後、BMW iX向けに最初の納入が行われる。

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BMW iXに初搭載のISELEDスマートLEDテクノロジーに使用

　BMWグループは、重要な部品確保のためサプライヤー・ネットワークと密接に連携する方法を模索している。とくに半導体を長期的に確保するため、このほどハイテク・マイクロチップ開発企業であるINOVAセミコンダクターズと、機能性半導体メーカーであるグローバルファウンドリーズとの間で直接供給保証契約を締結した。

　この契約により、BMWグループへの年間数百万個のマイクロチップの供給を確保。このマイクロチップは、BMWグループが共同開発したISELEDスマートLEDテクノロジーに使用され、BMW iXに初めて搭載された後、他のモデルにも展開される予定。BMW iXの納車は11月初旬に開始されている。

　INOVAセミコンダクターズ社は、1999年設立しドイツのミュンヘンに本社を置く、半導体の開発に特化したファブレス（fabless…工場をもたない）のメーカー。一方のグローバルファウンドリーズ社は、米カリフォルニア州に本社を置く世界有数の半導体メーカーで、設計、開発、製造を行い、3大陸にまたがる製造拠点をもつ。

自動車業界の半導体需給バランスを回復する新たな試みとなるか

　BMW AGの購買・サプライヤーネットワーク担当役員であるアンドレアス・ヴェント博士は、「当社は、サプライヤーネットワークの重要なポイントにおけるサプライヤーとのパートナーシップを深め、半導体メーカーや開発者と直接同期してキャパシティプランニングを行っています。これにより、計画の信頼性と関係者全員の必要量に関する透明性が向上し、長期的なニーズを確保することができます」と述べた。「この先駆的な契約は、今後、よりバランスのとれた積極的な方法で供給を確保するための次の論理的ステップとなります」。

　BMWグループは、今回の合意が自動車産業におけるチップの需給バランスを回復するために、より弾力性のあるサプライチェーン・パートナーシップ・アプローチを構築し、技術革新をさらに加速させるための取り組みの一例となる、と見ている。

　INOVAセミコンダクターズのロバート・クラウスCEOは、「今回のOEMとの直接契約は、半導体メーカーとしての当社にとって新たな領域を示すものです。半導体メーカーとして初めての試みとなりますが、この革新的なアプローチは、当社の目標達成につながるものと確信しています」と述べた。「このようにして、最終顧客への供給を確保し、長いチップ製造サイクルを通じて高い計画信頼性を確保することができます。まさにWin-Winの関係です」という認識を示した。

　グローバルファウンドリーズ社の自動車、産業、マルチマーケット担当上級副社長兼ゼネラルマネージャーのマイク・ホーガン氏は、「グローバルファウンドリーズは、イノベーションを提供し、機能豊富なチップへの需要の高まりに対応するために、自動車業界とより強固な関係を築くことを約束します。今回のBMWグループおよびINOVAとの供給保証契約は、新型BMW iX向けの革新的なスマートLED技術の開発や、明日の車のための新技術の開発に向けて、両社がいかに提携しているかを示すものです」。

1台あたり数千個の半導体

　すべての電子機器に欠かせない半導体は、装備にもよるが1台のクルマに数千個が搭載されているという。半導体は、コンピュータの演算や制御を行ったり、データを保存したり、あるいは複数の作業を同時に行ったりと、さまざまな機能を果たす。自動車に搭載される電子部品の割合は、今後もさらに増加すると考えられている。

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