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更新日:2021.07.15 / 掲載日:2021.07.15
ベントレーマリナー ビスポークプロジェクト&パーソナルコミッションが通算1000件を達成

ベントレーマリナーのビスポークプロジェクトは15台の限定モデルから始まった
ベントレーは現地時間の7月9日、同社のビスポーク部門を担うベントレーマリナーが1000件のビスポークプロジェクトとパーソナルコミッションを達成したと発表した。
専門のデザインチームが2014年に作られて以降、7年目での達成。
7年間にわたる足跡から印象的な車両を紹介
1000台目のビスポーク車は、シート上部にツインステッチを施し、インテリアのコントラストを強調
ベントレー コンチネンタルGT インテリア
ビスポークプロジェクトの歴史は2014年、15台の限定モデル「フライングスパー・セレニティ」からスタート。
フライングスパー・セレニティは乗員の乗り心地にフォーカスを当て、シートとヘッドレストを一から作り直し、ユニークなダイアモンドキルティングをキャビン全体に施すなど特別感を演出すべく様々なデザインに変更を加えた。
この時に使用したレザーのデザインは、現在のコンチネンタルGTマリナーでも使用されているダイアモンドデザインのベースになっているという。
そして記念すべき1000台目のビスポーク車は、ベンテイガのインテリアにミュルザンヌの歴史を感じさせるオリーブアッシュのウッドパネルを取り入れ、インテリアのコントラストをより強調するようシートとドアトリムの上部にハイドに映えるツインステッチを施すという2つの変更を加え、パーソナライズを実現した。
今回のマイルストーンを祝し、マリナーデザインチームは、この7年間に手掛けた車の中から特に印象的なモデルを公開。
ジェット機にインスパイアされたコンチネンタルや、6 3/4リットルV8エンジンを誇るミュルザンヌ、運転席側と助手席側の異なるトリムを配したベンテイガなど、その発想における自由さがうかがえるものにもなっており、トレッドプレートをパーソナライズするものから、ベントレーマリナーバカラルのような完全なコーチビルド車を作るもの、また、国内外からの依頼や限定モデル、レースカーのデザインなど多岐にわたる。
ベントレーのデザイン部門も兼ねる専門チームはデザイナーやデジタルアーティストといったメンバーで構成され、ベントレーの3つのビスポーク部門と横断的に協力しながら製作が進められる。
2020年に手掛けたマリナーバカラルの製作時にはオーダー者とZoomを使ってデザイン決定までの工程を進め、また90年前のモデルを再現したブロワー・コンティニュエーション・シリーズでは諸元を決める支援を行い、そしてすべての顧客が様々なレベルでのビスポークが行えるようマリナー・パーソナル・コミッショニング・ガイドを作り上げるなど、細やかな配慮も専門チームの長所といえる。
マリナーとモータースポーツ部門担当取締役であるポール・ウィリアムズは「2014年以降、当社のマリナーデザインチームは、週に平均3件のお客様からの依頼を受けており、いかにオーダーメイドのベントレーが人気を博しているかを示しています。デザインマネージャーのフィリップ・ディーンが率いるチームは、コンチネンタル GT3の外装から、コンティニュエーションシリーズのブロワーの12台の仕様やディテールに至るまで、あらゆるデザインを手がけてきました。これらのデザインに共通しているのは、個々のお客様のためのものであるということだけで、どれも唯一のものです。マリナーの専用ビジュアライザーを使用することで標準的に生産されるベントレーで実現可能な選択範囲に新たな命が吹き込まれます。このビジュアライザーでは、お客様が車のカラーとトリムの仕様を選択し、その結果をリアルタイムで写真のように視覚化することができます。マリナーのデザイナーとの共創プロセスは、今や誰にでも可能なのです」とコメントしている。
こだわりの追求が支える実績の数々
これまでの依頼の中には、特注の象嵌を含むユニークなウッドや、鮮やかなレザーカラーと個別にデザインされたカラースプリットの組み合わせ、カスタムメイドのステッチや刺繍を施したものや、オリジナルのトレッドプレートやウェルカムランプを製作したものなど、個性的な内装を施したものも多く存在する。
その素材についても、個人的にデザインしたツイードや、木の代わりに石材を使用したもの、さらにはベントレーの過去の部品を使った小さなアーティファクト(人工物)などユニークな発想が感じられる選択もあり、オーダーに応える専用チームのこだわりが垣間見える。
マリナーデザインチームの才能は、車内の装備品、スケールモデルやデザインをテーマにした彫刻まで、車そのものにとどまらず様々な分野で発揮されており、冷蔵庫、特注の陶器製カトラリー、食器、クリスタルグラス、収納スペースを備えたベンテイガ用の極上のピクニックハンパー(オプション)、そしてシートとして使用可能なハンパーなどもある。
さらに、ブロワー・コンティニュエーション・シリーズとマリナー・バカラルの製作時には、納車前にそれぞれの仕様を再現するためにマリナーが作成した特別な「スピードフォーム」がユーザーに届けられたという。
ベントレーマリナーは現在、3つのポートフォリオすべてで車を製作しており、パーソナルコミッショニングガイドではユーザーがビスポークのベントレーを製作できる範囲をさらに拡大している。
1000台というオーダーを積み重ねてなお、新鮮な想像力と技術により新たなデザインを生み出すチームの未来から目が離せない。