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更新日:2021.04.13 / 掲載日:2021.04.13
ボルボ 次世代の自動運転車に「NVIDIA DRIVE Orin」技術を採用

ボルボ・カーズは現地時間12日、エヌビディアとの協力関係を拡大し、次世代のボルボ・モデルに搭載される自動運転用コンピュータにNVIDIA DRIVE Orinシステムオンチップ(SoC)技術を採用すると発表した。このSoCを搭載した最初の車は、来年公開される次世代のボルボXC90だ。
ボルボ・カーズは2018年、SPA2をベースにしたクルマのコア・コンピュータにも、NVIDIA DRIVE Xavier SoC技術を採用すると発表したが、今回の発表は同社とエヌビディアの協力関係の深化における次のステップとなる。
安全な自動運転のためには、大規模なコンピューターパワーが必須条件。自動車業界向けの最先端AI-コンピューティング・プラットフォームであるNVIDIA DRIVE Orinは、前例のない254テラ(または254兆)オペレーション/秒(TOPS)の能力を備えている。
ボルボ・カーズは、SPA2モジュラー・車体をベースにした次世代モデルに、NVIDIA DRIVE Orinを採用するグローバルに事業を展開する最初の自動車メーカーとなることを目指している。
最高技術責任者のヘンリック・グリーンは、「私たちは、最高のボルボを作るために、世界をリードする技術企業と提携することの重要性を確信している。NVIDIA DRIVE Orin技術の助けを借りて、私たちは次世代の車で安全性を次のレベルに引き上げることができる」と述べた。

NVIDIA DRIVE Orinを搭載したコンピュータは、安全で継続的に更新される自動運転を可能にするための重要な要素となる。NVIDIA DRIVE Orinは、ボルボ・カーズの自動運転ソフトウェア開発会社であるZenseactや自社で開発したソフトウェアや、ステアリングやブレーキのバックアップシステムと連携して動作する。
NVIDIA DRIVE Orinによって追加されたコンピューティングパワーとグラフィックス処理は、ボルボ・カーズの技術パートナーであるLuminar社が開発した最先端のLiDAR技術など、自動運転に必要な高度なセンサー・スイートを可能にしている。
ボルボ・カーズのSPA2アーキテクチャーは、生産開始時から自動運転に対応したハードウェアとして提供される。ハイウェイ・パイロットと呼ばれる監視なしの自動運転機能は、個々の地理的な場所や状況に応じて安全であることが確認されたときに作動する。
NVIDIA DRIVE Xavierを搭載したコア・コンピュータは、ベースソフトウェア、エネルギー管理、運転支援など、車内の中核機能を管理。NVIDIA DRIVE Xavierは、NVIDIA DRIVE Orinを搭載した自動運転コンピュータと連携して動作する。自動運転コンピュータは、視界やLiDARの処理などのコンピューティングを必要とする作業に特化し、自動運転に必要な高い安全性を実現する。
集中型コンピューティングアーキテクチャへの移行は、多くの複雑さを取り除くことを意味する。個々の機能やシステムを制御する複数の電子制御ユニットに頼るのではなく、ソフトウェアの多くを自社で開発し、車内の中央コンピューターに保管する。これにより、無線によるアップデートを介して、より頻繁に機能の向上や拡張を図ることができる。
ボルボ・カーズとエヌビディアとの協力関係を深めるための財政的な条件は、両社間の最終的な交渉に委ねられているという。
